すべてのおすすめ
背中にふれる髪は
ここまで伸びた
毛先をつまむと3年前の記憶が
染み込んでいそうで
笑える
きいろい花はいっぱい咲いて
まばたきをする
すぅぃと踊らされて
闇をきる
ゆっさゆ ....
大根の筋に見とれ
頭の真ん中が
すいと 浮かんだ気がした
ぼんやりと 窓辺で眺めていると
水色の自転車が
昼光の泣き声と共にやってきたので
天国から迎えに来たのかと思った
....
時折流れつく蜜柑の
丸みに潜む甘い臭いに誘われて
流れつくイヴの波は彼方より
来る日も妄想しつづけた姿は
脚色をおびて尚一層輝く
焦がれて乾いた唇へ
一房与える
鼻の奥まで注がれる豊香
....
アイスチャイが作る船の
端に立ってごらんよ
スミレの花の
花弁の奥に顔を背けてしまう
因果とシナモン
刺激が感化する乗ってゆくJR
遠くへ行こうと人波が蠢く改札へと
吸い込まれてゆくキッ ....
遠くに咲く
桜の写真
浮かべて 流れて
さらに さらに 霞みゆく
Gが高めの空気
追いかけていきそうになる沈黙へ
花びらが散る
クリスマス、雪に見立てた紙吹雪。 ....
なんと呼ばれる鳥なのだろう
石段の不揃いな傾きに
しっとりと煙る霧の中
コードの巻かれた掃除機は
底辺の視界を黙々と追っている
ガラガタリと小さな車輪を回し
苔を舐めるように登って ....
頭は、たくさんあってよ。
ちいせぇ笠も、でけぇ笠も。
水すくい上げてよ。
飛び込むのさ、回転さ。
なんべんでん、やるき。
ゴールはあるき。
じゃけんど、 ....
(ア、ア、マイクテス、テス、本日は晴天なり。)
がぁーん チャペルの発声
ほとばしる 薔薇 バラの花びら
ひゅうひゅうと襲われる
トレーシングペーパーで透かしても
バラの雌蕊は包まれて ....
市電のレールは暁に根負けし
夏のそれとは違って
鰈のように臥している
遠くまで伸びる 秋色
同じ窓から、庭先の蘭も
肩を落としているのが見えた。
あぁ、
そんなこと忘れるくらい
片 ....
ずろんとした
ペラコート羽織って
くしゃけたブーツ
踏み鳴らし
古寺の階段をやじろべえ歩きしていると
乾いた枝葉 たくさん浮かんできたけど
口遊んだのは
甘茶蔓の花
子狸のかぜ
ミネラルウォーターに沈む電球らで
ボトルの中の水面はゆるい光を着込むと
洛陽に染まる
儚い海で
椅子も防波堤になって追想します
波〜オレンジに騒いで
配線コードも〜鯰〜
....
足首を辿って
くるぶしに座って休憩したら
かかとの頭が見えてきた
地図
それからブルーの手紙も
鍵色のドライフラワーも
あの岩砂漠で
すべての証を
かかとに集めて
炎で燃 ....
つぶやく君の言葉
両手で すくって
ひとつひとつに付箋をつけてゆく
数字も混じっているね
拾って大切にとっておきたいけれども
写真には収めきれない すべて
汗がひざの裏をつたう ....
頭の丸みと髪の流れに沿って
手の平を浮かべる
カメラは遠くで蝉のごとく鳴り続け
レンズは割れんばかりに照らす
足を水桶へひたす
過去にも存在した気のする
記憶をリピートさせるよ ....
からみつくモップと
モップにまとわりつく繊維
群れの腕力
めぐる螺旋 もさり
ロッカーに寄りかかる背中を起こし
居残りモップの羅列
一列に廊下で ふさり 足を投げだして
月の孤独から ....
プラムがとけてゆく
手のひら
手首に甘露
肘まで蛇行
頬をくすぐる
芳香する湿気の下流
踏み潰しても
てのひらに残る
両手を頭の上であわせて
踊る方のリズム
おい、しゃ ....
口癖 遠く 迫り
きみは
赤ん坊の小指すら通れない
五円玉の穴を するりと抜けて
ひとり 向こう側へ 行く
よく見えるよ いつもの姿 そして聴こえる
残したもので ....
けっして 関わってはいけない
猫の葉で覆われた扉は
口が半開き
あの扉の向こうには
きっと ばけもの が
うじゃうじゃ いて
ひどい言葉をあびせたり
かなしいことや 暴力にも
う ....
[水道管は、壊れています。前の駅を発車しました。]
水圧で 蛇口が外れそうになってるじゃないか!
こりゃいかん、いかんぞっ
「垂直に、屋上より、103号室まで
特急 ミズカモ ....
ぞうきんは古いのを
うんと搾れば
ぽろりとイヤリングがこぼれ
枯草の下で温泉につかっている土を
にぎりしめれば
ゆでたまごが硫黄の赤ん坊を抱えてでてきた
しとしと溢れる露を
石に ....
ざ・・・ざ―――ざ・ざ・ざ――
雲っています。どんてんです。
いちごが売り切れています。
横断歩道に吸い込まれそうです。
いつものように歩くと
危うく、車に引かれたであろう雀を
踏 ....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと
もがいているようで
かなし ....
ほぅいとよべば こぅいとかえる
こっちばよれさ と 川のおと
あずきとごぅか〜 ひととって食おぅか〜
アッ しゃか しゃか
アッ しゃこ しゃこ
アッ もしゃ むしゃ ....
:うっかりおとした粗塩
:お砂糖小さじ一杯
:醤油大さじ三杯
:みりんキャップ一杯
それぞれ玄関にならべて一晩ねかせます
羽虫やアリが運びます そして よくわからない虫も
お ....
うぐいすあんこの芝生には
昨日あそんだプラスチックが点々と
とりどりの花を咲かせ
雲の金糸から こぼれる朝露の
グレープフルーツっぽさよ
ときおり うなずく
うっすら目をあけて
アリでも ながめているのか
ここからは遠い
灰色の眼鏡には まぶしすぎる
桜の羽毛
さわっても怒りもせず
ときおりうなずく
貝のようなオ ....
湯気が泳ぐ
午後のバスタブ
すだれのゆらぎ
グラスにひろがる波紋
階段に降りる光のプリズム
ハンガーの行列
テーブルは水平に沈黙
椅子は離れ諸島
からっぽの ....
つぬと白濁した
陶器の茶碗は
夜空を背にし
まっていた
うっすらとヒビでも
はいっていれば
乱暴に使えるのに
小奇麗で妙な古臭さが
いっそう 艶かしく
おしろいを塗り
厚化粧をした ....
14:34発
皐月のシャツ着た
ゆふいんの森5号
水平線を描く
電線を
斜め下から
追ってゆく
風景も
ゆったりと
融けて
車窓の後ろへと
帯びてゆく
電車の中は
か ....
ぺたりと落ちた1円に愛想笑い
いつかお世話になるかもと
いやらしくお辞儀
文房具屋の駄菓子を
思い出せるだけ持って
1円 足りずに
レジ横へお菓子の山を
全部置いてきた夕方の ....
1 2