あなた、セロリの透明なきりくちに
  恋をしたことはあって?



栗いろの瞳
かきあげる仕草
車椅子の少女は
細すぎる膝を斜めにそろえて



  やさしい朝のふりつもる ....
選んだ道に来たはずなのに
やりたいことができてない

つかんだはずの幸せなのに
どうして涙が止まらない

形にするたび期待してたんだよ
そんなに世の中甘くはなかったみたいだ

それで ....
わたしの中を
夜の明ける方へと飛ぶ
一羽の鳥がいる
同じころ
一羽の鳥の中を
どこまでも墜落する
わたしがいるのだ
その日最初の列車が
古い踏切を通過していく
建物の窓はひとつ
ま ....
 
「あ」と声を出して

静かにこらえた夜



空耳 ばかり

静かに聞こえた夜



今日もひとり? に

静かに答えた夜



十二時すぎのひときれ

 ....
ぼくらは
ゆめをくう

ねじまがった
すぷーんで
すくいながら

ぼくらは
ゆめをくう

ふるえるうでに
ありったけの
ちからをこめて

くるくる
ひとみをだきしめながら ....
 
ずいぶん遠くの方で
誰かを思うのが好き


バーゲンプライスのある本屋で
ポエトリー&ハーツ
と書かれたペーパーブックに目をやりながら
これは これは
ずいぶん遠くの誰かが
 ....
きょうの風は
きみの笑顔の
香りがする

きょうの空は
きみの心そのままに
澄んでいる

そして
きょう
きみは
きみの中の
海にかえる
世界の端っこのようなところで
僕と牛とがシーソーをしている
ぎったん、ばっこん、する度に
審判の人が紅白の旗を挙げて
正誤を判定する
あまりにも長すぎたね
どっちがどっちなのか
 ....
すべてを失っても俺はピアノなのだ
鉛筆は言い出した
プラスチックの筆箱の中
いくらなだめても聞く耳を持たない
仕方なく握るところを鍵盤に見立てて
弾く真似をしてみた
もちろん音が出るわ ....
鏡の迷路で 
みうしなったら
うしろむきに 夜の
斜面で 滑ってみましょう
こわれたのが わたしです
君が糸電話を作っていた
夕暮れまで
まだ時間があるというのに
いったい誰にかけたかったのか
小学校の図工の時間のように
器用な指先で紙コップの底を切り取り
セロハンを貼っている
 ....
他の人がしたことで 
{ルビ叱=しか}られて じっと 耐えていると 
罪も無く十字架にかけられたあの人と 
つながっている気がしてくる 

身代わりとなった人の為に自らを{ルビ棄=す}て 
 ....
 いつだって それは流行りすたりで 忘れられてしまうのだ
 多分 何年かの周期で
 誰かが 自ら 命を絶つたびに
 それこそ 今始めて それが問題になったかのように 騒ぐ

 連綿と 続 ....
一、 銀色の背中


飯も喰わずに、カピが月ばかり見ているので
座敷に上げて訳を聞くと
長い沈黙のあと
神妙な顔で
片想いなのだという

いったいどこの娘かと問えば
まだ逢ったこと ....
夜の明ける頃
苺ジャムの小瓶を積んだ船が
幅広の海へと出港する
その間にも
私たちには忘れていく言葉があり
その言葉を思い出すために
また忘れられていくものがある
産まれてきたし ....
立てないけれど
座れないけど

折れ曲がったままの手だけれど
すり抜ける記憶だけれど

えむは
翼を
手に入れた

深い深い
カーマインの翼を

決して
折れない心を

 ....
虹を食べ過ぎてしまったか
のように少し大きい女の人が
愛という字を
消しゴムで消し続けている
あの鉄橋を渡れば私の故郷があるのよ
と指差す先には
窓がないので
景色の良く見える庭 ....
弁当を開けると
中に海が広がっている
故郷の海のように
凪いできれいだった
朝の静かな台所で
君がどんなふうにこれを作ったのか
想像しようとしても
後姿しか目に浮かばない
帰れ ....
★調整中 頭の上に
鳥が卵を落としていった
やがて卵は孵り
駅が産まれた
列車が到着しても
人のざわめきもない
さびしい駅だった
かすかに潮の香りのする
海沿いの駅だった
その重さで首 ....
駅前で兄を探していたら
母と会った
隣に父がいた
移動の最中だった
兄の居場所を尋ねると
二人ともよく笑った
私もいっしょになって
昔のように笑った
父が小さな扉を指差したので ....
僕は
あの木のてっぺんに上りたい、と
あこがれてみただけだよ
幹にふれて
枝をみあげて
ただそれだけで

服を破いたわけでもなく
すり傷を負ったわけでもなく

あこがれてみただ ....
全国版の道路地図
なんだか久しぶり
知らない県の
知らない道をたどってみる

知らない町
遠い町

きっと
毎日をそこで暮らす人がいる
道路沿いに家があって
今日も 今も
生活 ....
雨が降る日に鎌倉の寺に行き 
賽銭箱に小銭を投げて 
ぱんぱんと手を合わせ 
厳粛な顔つきで 
びにーる傘をさしながら 
帰りの細道を歩いていたら 
濡れた路面につるんとすべって尻餅ついた ....
交差点の向こう側で
指揮者がタクトを振っている
その動きに合わせて
たくさんの仔猫たちが
次々に海へと入っていくのが見える
カタクチイワシの群れが来ているのだ
胡麻漬け
卯の花漬 ....
目の前に
サムホールの油絵二点
右手が自由に動く時に
君が描いたものだ。

ひとつは
テーブルの上の4本の瓶

もうひとつは
テーブルの上の4個の洋梨

どちらも
ペインテイン ....
いつの頃だったか
消火器の使い方を覚えた

全てのものを消せるのだと思った

そして昨日
消火器は火を消すものだと知った

僕は無知だ

人の叫び声の呼び寄せるほうに  ....
  
玄関を開けると
妻はドラマを見終えたところで
「あたしの唇返せ」
と言う
そんなこと尻をかきながら
言うもんじゃない
と思いながらも
冷蔵庫のビールの有無が気になった
僕らは
 ....
とおくの星はみんな
他人のものでいいさ
宇宙を すくいとろうとして
ふかい裂け目ににおちた
自分の物語を 遍歴したから
母とふたり
ブランコを引きずって歩く
強い陽射しに皮膚は焼かれていく
健康に良いことだ
母は教えてくれた

たくさんの人とすれ違う
みな一様に微笑んでくれる
支柱が肩に食い込んで痛 ....
ひよりさんのおすすめリスト(3012)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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We_must_alive...- Lily of the ...自由詩4*06-11-7
夜明け- たもつ自由詩2906-11-5
静かに凍えた夜- AB(な ...未詩・独白306-11-3
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_- 服部 剛自由詩6*06-10-20
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苺ジャム幻想- たもつ自由詩11*06-10-18
えむの翼- 草野大悟自由詩3*06-10-16
景色- たもつ自由詩906-10-16
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君待月- Rin K自由詩19*06-10-12
たそがれ駅十七時五分発- たもつ自由詩16*06-10-9
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そろもん(星の話)- みつべえ自由詩306-9-25
夏汗- たもつ自由詩1006-9-25

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