窓越しのアルデバラン
暖炉が背中でうたうなら
ベテルギウスは指輪にかわる
ポタージュの香り満ちる星座紀行は
甘くも、はかない
やがて旅人は
アンドロメダへの郷愁にかられ ....
ゆっくり ゆっくり
一粒 一粒
体にあたる
硝子の向うをただ見て
また目をそらして
うずくまる
ああ 私の中の何かが壊れる
ああ また死んでしまったよ
片に砂が一粒 落ちた
三匹のすもも
好かれて切ないすねすもも。
好けば嬉しやつややかすもも。
好きでうるおうおぼこのすもも。
それ、いちにのさん
恋で潰れた割れすももおっう
恋であ ....
時は無常にも過ぎてゆきますゆえ
おおきな流れを知って
現在地の私を知らなくてはなりません
息を静かにして
痛みの在りか
涙の在りか
かなしみの在りか
在りか
ひとときの微笑
つた ....
爆弾は
言いたいことを言うと
爆発
することもなく
カラスミのスパゲッティを
平らげる
それって美味しいの?
爆発的に美味しいッス
それから
小春日和の日差しに
少し傾いた
丸い ....
天神様の 秋祭り
出掛ける空は 青高く
吹く風 先っぽ 心地良い
今日はおめかし リボンのついた
私の好きな 赤いワンピース
隣町の 天神様まで
お姉ちゃんに 手を引かれ
お ....
タクシー未満の部屋を
間借りすると
運転手がいません
タクシー未満の部屋なので
運転手未満の僕がいます
それから線路のように
どこまでも間延びした
顔の恋人
そのために僕は ....
青 青 あの色は何処まで続くのか
ふわ ふわと涌きあがるあの白のように
私もあの青の一部になりたい
戸惑いがちな指先で
そっと書いた「の」の字たち
あの その
真っ直ぐ言えないことだから
くるりと曲がってしまうんだ
その あの
「僕の好きな君の
好きな僕でいさせて下 ....
喜びは感じる瞬間に過ぎ去り
怒りは容易く身の内に仕舞い
哀なしみは時が経つ程色濃くなり
楽しみは哀しみへの一歩となる
「ごめんなさい」を十回 言う
泣く事を縛られ
「ごめんなさい」を十 ....
一 うろこ雲 雨が来るのを 知らせに来
二 夕空の 空気にとけて かきあかね
三 縁日の 思い出してよ 浴衣の子
四 洗い立て 昨日の事は 日の匂い
五 逢いに行く ....
君も
同じ夢をみたのかい
思い過ごしなら
私に空を見上げることを
させないで
紫の酒を
ソーダで飲むような
甘くて痛い酔いのまま
次の月の晩
ふたりのそれが
正夢になる ....
一枚の地図が置かれた
薄暗い部屋のなかで
手のひらに生えた双葉を
見つめていた
正気で話ができるひと
天然ボケのふりをするひと
自分が正論のひと
気づいてないひと
弱さを隠そうとするが故の人
わたしは最近
苦笑ばかり
私が幼稚園生だった頃、パパは鼻の下に口ひげを生やしていた。
ある日、幼稚園の先生が「パパがひげを生やしている人!」と歌の途中に訊いた。
私にとってひげとはもっともじゃもじゃしたものだったので無反応 ....
虹を渡すのは、雨の純真であるように
雨を放すのは、空の配慮であるように
空を廻すのは、星の熱情であるように
やさしき担いごとは満ちています
あなたを求めるわたし ....
ガラパゴスで恋をして、
ガラパゴスで眠りたい。
わたし、
ひとになれません。
きっとね、
詩のおっさんは夕暮れ帰り道を歩いていると後ろからちゃりんこで
追い抜いていく。そしてしばらく進んでから「追い抜いたらあかん
がな」とひとりつぶやくのだが再び戻ってくるほど律儀ではない。
....
荒野は祝福されている
たおれるな ふりかえるな
魔がさせば
魂をぬかれるから せめて
くるしんで詩をかくな
此処は地上∞階建ての超高層ビルディング
棲家はそのおよそ0階です
何時も見上げて生活してて
糧を見つけてお腹を満たし
狭いベッドで眠りこむ毎日です
そんな日常をちょっとお披露目したく ....
そんなに
見つめても
上げられる
物がありません
ごめんね
日傘 レモン水 チョコラBB 水玉 クレープ・・・
例えば、こうゆうものが挙げられます。女の子のアイテム。
いっぱいいっぱい思いつくんです。
女の子って不思議だな。
わたしは女の子が大好き ....
海の中で生まれた気がする
始まりは遠い手のひらの中
重ね着をして、重ね着をして
風邪を引かないように眠っていた頃
どこへでも、の世界は
指先まで暖かくて
つまずかないように歩けば
いつま ....
ちいさな
ちいさな
こどものように
すみきった
わがままを
いっぱいにもった
ひとだから
ぼくは
はらはらと
いつも
めがはなせない
だからぼくは
きょうから
かぜになる ....
ごめんね、と
あたまをひっぱる
ずるずる、と
ぴかり
じゅわじゅわ
やかれてゆく
ありがとう、と
もぐもぐする
あなたを たべて
わたしは すこしだけ いきのびる
....
おまえねェ
おれからみると まだあおいんだよ
わかいときこそ まようんだって
えーっと
だれだっけ そんなこといってたのは
うちはわかいうさぎたち おおぜいいるから
そのき ....
彼女という人は
詩人とかそういう類の人みたいで
ときどき僕を近所のファミレスに呼び出しては
伏目勝ちにちょっと小難しいことをしゃべり
左手に持ったフォークでグリーンサラダにやつあたりし ....
季節は一冊の本にまとめられ
秋の頁をめくりながら
月明かりの下
あなたの言葉を
思い返すのです
秋の頁はとても長く
多くの言葉で
埋め尽くされているはずなのに
めくってもめくっても ....
わたしは
ここから地上を見ている
大気で霞む昼にも
誰かが見つけてくれる
よく見れば味気ない天体であるのに
そんなに想うのは
わたしが最後の衛星だから
振り返らない
嘘の顔
嘘の ....
夜空にはウシが瞬いていた
草原では干しが干からびていた
もう一つ出まかせを言おう
この袋には伝えきれないほどの
星が詰まっている
飛行船のように女は笑った
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