人間開花
ミナト 螢

赤にならなかった感情だけが
恋と呼ばれるのを知っている
誰かを許したり守ったり
淡く伸びていく春の影は
花びらよりも重なる思いが
クローゼットの扉を開けるから
人の心は明るくなるんだ
赤の痛みがいつか分かるまで
太陽は酔って海に沈むと思っても良い
それでも朝に顔を出す約束を
果たして来たように
シャツの袖が短くなってくる
伸びた腕で何を掴めるの
情熱を燃やす星の子供は
優しくされて不安に感じる
こんな日に僕は生まれたのかな
こんな日に僕は何をするのかな


自由詩 人間開花 Copyright ミナト 螢 2020-03-14 13:03:51
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