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テレビで紹介されていた中華の店の
たまたま近くにいたので
楽しみにしながら
地図を見ながら行ったら
定休日だった

真っ赤な見た目なのに
そこまで辛くないらしい
ラーズー麺なるものを
 ....
角刈りの雲が流れていく
左折すると見えなくなったが
あれは建物などでは決してなく
夕空をゆく
角刈りの角刈りの角刈りの雲であった
光というのは相対的で
今まで光であったものが
新たなより明るい光の登場によって
影になるので
光にもヒエラルキーがあって大変だ
明るい部屋で机の
電気スタンドを点けると
それまでは影でな ....
たまに空が全体を包むような
そんな日は地動説を疑いたくなる
三六〇度の空を心で眺めている
中を視ている
半透明の目の中に私がいて
包むように視られているという感覚が
アフォーダンスを否定す ....
三本の吸いがらを並べて
川の字にする
川の字は実際の川を
上手に簡潔に表現している

私が漢字なら
縦に一本、曲線をひいて
右上にちょぼ


と書いて「ぬふ」と読む
 ....
老婆が手押し車で
自動車がなければ生活できない
田舎の道を歩いている
どこから来たのか
どこへ行くのか
始まりも
終わりも見えない
一人ぼっちで
寒風に吹かれて、それでも
歩かなくて ....
窓の外を眺めていると
パトカーが踏切のところにいて
(はっ、
シートベルトをしていない)
一瞬焦って
あっ、これ電車だ
(大きくなった胸の鼓動が
ひとつ空振りをして
楽しみにしていた僕 ....
夏グループの仲間は
もうみんな帰ってしまったのに
僕だけ取り残されて冬が到来した
使わないなら仕舞うように
約束を守れない大人のせいで
僕は異物みたいに抗うこともなく
ただ惨めな思いをして ....
明るい銃弾の色をした
めざまし時計が横たわっている
埃を布のように被って
孤独を基調として

さみしさに囚われ人は揺れる
時計の叫びにさみしさはない
小さな物のはっきりとした孤独は
 ....
電気スタンドの明かりに
積まれた本やらは
箪笥の戸にくっきりと影をつくる
曖昧さのない
算数のような稜線を滑っていく
ジャンパーが着地したのは
真っ白な雪の上でした
ぬくい炉の夢でした
スリープ状態の
パソコンの黒い画面が
この部屋にあっては
異世界への入り口のようで
なんだか夢がある
画面に触れてみようとするが
折角の夢が壊れると思い
触れかけた手の
指を鳴らして骨 ....
雨は小康状態で
放課後の気配に似た
澄んだ空気が鼻を通り抜ける
走馬灯の影が揺れる
それは微かだったから
嫌な思い出も浅瀬で泳いでいる
本当に深いところで
思い出すものさえ虚像だとして
 ....
四車線の
道路の真ん中で丸い木が揺れ
葉を擦らせて薄い音を出す
男性同士が手をつないでいて
なんとなく初々しかった
電車では倒しそびれたシートに座り
ボックス席でもないのに向かい合う
座 ....
怒りをこめて
空が鳴っている
人のせいかは分からない
ただ無性に空が怒っている
もうずっと晴れていない
空が晴れないと
この土地は敗北したように沈む
こんな姿は見たくないと
私は部屋に ....
空に近いところで
電線の数を増やすために
電柱に取り付けられた棒状のパーツが
電柱とクロスしていて
十字架のようになっている

電柱というのは宗教家である
世界中に張り巡らされ
イン ....
暗い空を
赤いランプを点滅させて
飛行機が飛んでいる
私はそれを地上の片隅で見ている
空をゆく機械鳥
乗客やパイロット
キャビンアテンダント
あんなところにも人がいて
呼吸をしたりして ....
居酒屋やカラオケ屋
ラーメン屋に無料案内所
ゲームセンターもある
賑やかな商店街を
たくさんの人が歩いている
欲望の遊園地
大量のゴキブリが潜んでいそうな
そんな淀んだ眩しさがある
大 ....
やけどと化膿が同時に起こったような
波打つ赤い雲が道のようになって
遠くあの山まで伸びている
少しの風では
雲の流れを追うことは難しいが
ピントを合わせば
ゆっくりと流れているのが分かる
 ....
胸に重しする神経の蓋が
外気を変換したエチレンの炎によって
じじじと燃やされて孔を開けられる
胸に溜まっていた喜びは孔から噴き出し
(喜びが在ったことにまず驚いた)
雷のように鋭く光って私を ....
不安が高鳴って
喜びに転じる
勇敢な一歩であったと
胸は言いたげで

どこへでも
進めば風切り
風とは病みの外的要因であり
敏感質はうずくまる

マイナス電流ばかりで飽きたか
 ....
犬の目は面白い
子供のように純粋な目をしていて
されど立派な獣の目をしている
表面は澄んでいて
奥には燃えるものがある
無邪気で闘気がある
そのくせ臆病だったりする
足し算はできないが馬 ....
山が燃えている
だれにも危害を加えず
火を使わずに山は燃えている
煙だけが上がる
複数の山から同時多発的に
白い粒子を立ち昇らせる
遠くあの山では
山から発せられる煙と雲が溶け合い
標 ....
すすきが夜になっても
合唱するのは
自分たちのためだから
発見されるのを
望んでいるわけではない
風吹けば歌う
歌うのは風まかせ
「人間はいいね」
「人間はいいよ」
すすきは歌う
 ....
空白の家があった
住人は凍えながら眠り起き
生活をしていた
彼らはそこにいなかったが
いないことが
いることを確かにする
そういう類のものだった

浮浪者が
毎晩
空白の家でコー ....
雨水の溜まったバケツに
虫がいた
夏の暑い日だったから
乾いていたのだろう
草で突っついたり
波を立たせて
私は遊んだ

次の日
虫は死んでいた
バケツの中で
私が遊ばず
外 ....
玄関のドアを開けると雨の音がした
アスファルトは濡れていなかった
中空を見ても降っているものはない
存在しない雨を不思議がっていると
中空の先に樹木があり
葉が風に吹かれ擦れていて
この音 ....
朧月夜さんのmmnktさんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
らーずーめん- mmnkt自由詩220-1-20
角刈りの雲- mmnkt自由詩220-1-17
光って相対的- mmnkt自由詩120-1-16
二分休符- mmnkt自由詩220-1-14
ぬふ- mmnkt自由詩2*20-1-8
手押し車- mmnkt自由詩320-1-6
電車にて- mmnkt自由詩120-1-5
冬の扇風機- mmnkt自由詩220-1-2
めざまし時計- mmnkt自由詩119-12-30
ぬくい炉の夢- mmnkt自由詩219-12-28
異世界- mmnkt自由詩119-12-28
レモン- mmnkt自由詩119-12-26
かわいい領域- mmnkt自由詩219-12-23
空が鳴っている- mmnkt自由詩3*19-12-22
電柱- mmnkt自由詩2*19-12-21
夜空の飛行機- mmnkt自由詩319-12-16
商店街- mmnkt自由詩219-12-8
雲の住人- mmnkt自由詩119-12-7
喜び- mmnkt自由詩119-12-6
不安が高鳴って- mmnkt自由詩119-12-5
- mmnkt自由詩219-12-4
この陰鬱な空の下では- mmnkt自由詩319-12-2
すすき- mmnkt自由詩319-11-29
空白の家- mmnkt自由詩219-11-28
- mmnkt自由詩319-11-26
葉が擦れて雨の音あり- mmnkt自由詩219-11-24

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