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南天の紅の実のさびしさの訳を知ってる人はいますか
冬菫インクとなって夕空へ
冬すみれ行き着く先は夕日かな
キッチンに一人っきりの秋思かな
祖母の手がせっせせっせと栗磨く
宵の秋コーヒー淹れて猫の横
まず今日の今を生きたし十三夜
温(あたた)め酒となりの部屋も灯りおり ....
冬茜二度とチャウダーつくんねえ
魔法をかけたのはあなた
とかないのはわたし
かなしみがわからない
あなたのかなしみがわからない
わたしにはどうしても
わかることができない
あなたにもわからない
このかなしみはわからない
こんなに近くに居るというのに
二つ ....
大好きなポン柑を想うテーブルを三色ゆたかな食卓にする
負け犬のように生き来た私にはたしかなものはこの南瓜だけ
星たちのありすぎるほどまたたく夜そこにしゃがんで母を恋う
冬の野のポケットにいま入ります
彼女とは幼馴染みで
産院のベッドまで隣り合っていた
あなたが産まれて その一秒後にわたし
、そんな感じの 二人はとても仲良しで
家庭の諸々もが似通っていたし
それがいまでは点の上にあなた ....
夕雀夕鴉たちもいなくなりわたしの心のように暮れてく
月並みなシチリアーノ聴きながら
お月さまのことを想う
名前の無い夜想曲聴きながら
見ること叶わぬ星に願いを
真昼の薄氷に溶け込む今日も
静かに通り抜けて往く
都 ....
朝焼けのそのムコウより
夕日の果てまで行ってみたいな
最後の煌き(きらめき)帰って行くまで
見送っていてあげたいな
追いつくことが出来るなら
夕日について行っ ....
――あの娘(こ)本当は知っていた
自分が何処の子どもかを
知っていてそれで知らぬ振りして
今日まで精一杯誤魔化して
他人も自分も誤魔化して
そうしてお芝居続けていた
....
今日の街凪 しんしんと凪
街人戸惑う しんしんと凪
小声でそっと 取り繕っても
街人の惑い 隠せないね
街凪は 何を告げたいのか
真空に突然 出来た抜け道
街人 ....
誕生から 過ぎ去りし日々 あまりに
早かったね
そのほとんどを 自分のためにではなく
使い果たして 人は逝く
磨耗 という言葉 なんだかな ぴったりだな
焦燥して ....
新しい季節を連れて来た風
明日は何処(いずこ)へ吹いてゆくのか
透明な唄が聴こえる
果てしのない遠くから
あれは知ってる唄
懐かしい声で歌ってる
新 ....
きみといる羽毛布団のふかふかは天国よりもきっとふかふか
いつかは枯れる花に
今日も水をあげる
いつかは枯れちゃうけど
今日は いまは
・・・生きているから
明日のお陽さまが全くあてにならないように
明日のラッキーもあてにはならない
明日の不運の方がとても身近で
明日の雨降りの方がずっとずっと身近な秋
せめて傘だけでもあったらな
....
煌めく石ころを右のポッケに
大切にしまいこんで
輝くお星さまの残像を左のポッケに
もっと大切にしまいこんで
両の手は空けたまま
どこまでも追いかけていく
それは未知 ....
――雀をね 嫌ったカナリヤがいました
何故ってね 君に値段は無いだろう
僕には 値段があるからね
僕には お金を払ってくれるし
僕には 暖かな部屋もあるし
――雀 ....
お陽さまに手をかざしてみたい
生きているってわかるから
お月さまに挨拶したい
今日は充実していましたって
瞬く星々 ひとつひとつに
流れてもらって 願い事したい
明 ....
舞い降りてきた粉雪が
トーキョーには珍しくて
傘を持たない人々は
慌ててカフェに避難する
舞い降りてきた静けさが
トーキョーには珍しくて
ポケットの無い ....
或る奈良の公園で
わたし見てしまったんです
箱の中から出られない
まだ小さな小さな
小さな子猫4匹
ドロドロに ドロドロに
溶けていました
瞳の痕跡
顔 ....
お陽さまの彼方に また
お陽さま
何処かの星のお陽さま
そのまた彼方に
お陽さま
照らしている 何処かの
水の星を
土の星を
岩の星を
ガスの ....
何でかな あの人 せっかく道ですれ違ったのに
知らぬ顔 横向いて
久し振りに 見たあの顔が あなたなんか知らないよって
そう言ってる 気がついて
だからわたしも 目を逸らす
....
夜明けには まだ遠い 眠れない夜
夜明けが近い もう眠らない夜
もうすぐ聴こえる 早起き鳥の声
もうすぐやって来る 新聞配達
夜明けには まだ遠い 眠れない夜
夜 ....
いつも迷っているの
この道にしようか あっちにしようかって
いつも迷っているの
いつも躊躇って(ためらって)いるの
この道にしようか あっちにしようかって
い ....
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