立ち上がれない
骨が、肉体が、魂が、叫びを上げている
それでも騒めく木々は、やまない風は、
まだ立ち上がれとでも言うように
木の葉を揺らし、落ちた木の葉を
風は舞い上がらせて
この地 ....
湿った青灰色の夕まぐれ
音楽を探していた
ぱっとしない
うまくいかないことばかり
毎晩のように襲いくる発作
ひとりではある程度のことしか出来ない
ひととやると思い通 ....
私の欲望にふれてみた
とても冷たかった
まるで氷のように
冷たかった
そこには愛はなかった
ひとかけらもなかった
とても悲しかった
欲望は私のうしろに
ずっとついてきた
まるで影のよ ....
季節は 夏をわすれて
夏とも秋ともいえない
空白の季節がうまれた
夏をさがして 野山をかけても
秋のみのりの かげりを
みつけるばかり
朝おきて そらをみあげると
いいし ....
黒焦げのアカツメクサを労うように
レースフラワーが風に揺れ
夏が終わると歌っている
排気ガスまみれの分離帯にも
芽吹いた種は繁らせた
波打つ夏の色
色褪せた空のキャンバスに
ぽたりと ....
大時計の針の上で寝そべる
空の瑠璃色を映す
湖の波紋が 夜の膜のように拡がってゆく
その浅い水の褥のうえには
夏に日焼けした物憂げな表情が
よりいっそうに青く映り込んでいる
その細ながい胴 ....
陽炎をゆびにからめて帰りませ 朝月浮かぶ狭霧の径を
例えば水が滑り落ちる音
例えば瞬きする音
例えば呼吸する息遣い
例えば動き続ける心臓の鼓動
ゼロになって
ゼロになって
わたし、今、ゼロになって
まっさらな自 ....
ひかりの
衣擦れをまとう街の
瞼にぶらさがり
あそぶ足音をひろう
みずたまりで
しらんでは気化する羽根
はかなさを
みせびらかした彩りを
うとんでも
纏うばかりには剥いで
ちら ....
勾留されて取り調べを受けた。一日めでいちいち真剣に返答していたら体もたないことに気づいた。取調室に向かう際かならずロッカーを通る。そこでだけしばらく時間が潰せる。ロッカーのなかにノートを広げて今日のこ ....
画面の外の半分は淡い光で
覆われていた
手を洗いながらずっと
考えていた
冷たい風が金属製のゴミ入れを擦るときの
音のことを
スクリーンの前には誰もいない
ついに解くことのなかった結 ....
童話のように優しいあたたかい詩
読者を拒絶していると怒られる詩
多分どちらもたいせつ
甘い物と
お野菜
ほっこりとしゃっきりに感謝を
日常の大切さを素直に現す詩
心の風景を婉曲で ....
言葉の意味というものは
言った人の人格という文脈の中で
読み取れるものである
そんな気がする
この世がうごめく
求めればいい
欲望を
呑み込めばいい
欲するままに
生き急いでも
朽ち果てるのが定め
ゆれる時に怯えても
答えはひとつ
静かに生きても
華やか ....
あァ、
もうこんな時。
刻限を忘れるほど
夢中になっていたか
あっという間だった、なぁ。
顔上げれば一面炎のよう
夕日がきれいで
朱色に染まる体
泪は無色
なんで色付 ....
しろい光をうけて
まぶたを閉じた
過ぎ行く夏の
忘れもの
瓶の中の南の島に
寄せては返す波
貝殻に耳を澄ませば
懐かしい故郷の唄
星よりも遠い
あなた
面影を抱 ....
湿りけのある
くれないの緑の葉、
あしもとに踏みしめていく
いつの日か わたしは何故か
あなたに抱かれていた
撃たれるように
撃ちころすように
....
(ねむっているように、うつろに開いて
よこたわっていても、私には見えてる)
瞬きで合図をくれていた
感情もなぜかくみ取れた
そんなにあふれていたんだね
枕元にたくさん落ちていたよ
....
口だけやんか
とか 言うけれど
言葉にするって
けっこう大事やぞ
言葉が引っぱってって
きみが信じきれていなかった
場所へ
夢、とか名付けていた場所へ
たどり着ける
こともあ ....
ご自由にどうぞ
ご自由にどうぞ
ビニール
骨組
ことばについて
朝 降っていたなら
さしたらいい
帰り晴れたなら
忘れていい
高級 ではない
暴風 勝てない ....
弱いから
強さを体感できる
臆病だから
勇敢にもなれる
温度差があるから
強さという
私にないものを
体感できる
強さに触れる時
弱さを持ったまま
平安を得ることができ ....
ぼくの身に止まった蝶が
羽根をやすめることができる速度と
やわらかさで生きていく
だまされても理不尽に遭っても
戦争になっても
失意のときも得意のときも
その蝶 ....
フリージャズのピアノを聴く
世界のまだみたことのない世界にトリップ
宇宙の曼荼羅
ジャズがなかったら生きていなかったでしょう
カオスのなかの秩序
内臓をひっくりかえされる自由表現への憧れ
....
君の居ない日常に慣れてきたけど
どこかぽっかりと穴が空いている
泡のように私の人生から消えて
私の時間は止まった
もう二度と見つからない無くし物を
いつまでも探しているようだ
....
粥をすすって居たら
出血して焦った
夢の中で君がほほ笑む
アルコールが
夜明けに零れたようだ
五月は眩しい
意志が優先され
寺山の季節が来た
ルビーギリスとむつみ合う事も忘れて
遺影 ....
意識と無意識との狭間で郭公が啼いている。
青い円柱に気配を感じると、不思議なサークルだ。
闇は薄くなり、密かに青みを帯びて、やがて黄色く変化する。
私が彷徨っているのは今此処である。 ....
ただ泳ぎたいだけ
ぷかぷか浮いてたいだけ
どこの海かは問題じゃなくて
夏の海こそが
帰りたい場所なんだ
泳げば忘れる
いいことも悪いことも
自分が生きてることすら
蝉がないている
間接照明に沈む
床のリノリウムは
僕らの小さな願いさえ吸収してしまうのか
フラッシュバックする
ピースサイン
屈託無く笑えた頃の
副作用
ナイトキャップに絡 ....
鈍く 太く 深く
息苦しさを覚えてたあの瞬間(とき)も
探し出すのさえ面倒になってしまう所に
いってしまっていて記憶と共に遠ざかる
ほら まるで空高く昇る風船のように
....
みつばちのささやかな羽音に
ひかりが絡まる
かけてはうだる夏のあかるみに
みせびらかした琥珀色
やわらかな土を踏みならし
踊ったあしもとに
すこやかな針をさしとおしては
はれあが ....
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