言葉でなくて
石を拾う
このことばには
重量があります
宇宙の蝶番に
薬指を挟みました
いたわっているところに
風鈴が鳴ります
鳶を見下ろす
鳶はいない
そういう思 ....
炎は薪から放たれた
銀色の薪台と
明々したランタンと
椅子に寄る僕を
確かに捕らえたのだ
星明かりの下
ただただ
炎が爆ぜるのが
天頂に突き落とされる
太古の爆風に思えた
舞 ....
彼の姿に怯える
彼の声に怯える
その存在が恐怖のどん底に突き落とす
決して這い上がれない
彼は何者?
彼は何者?
人ならざるもの
私が笑わぬように
彼も笑わない
嘘で固めた身体
....
どんなにまるくても
どこか四角ではないか
どんなに四角でも
どこかまるくはないか
色んなものの
はじめの見え方を
裏切らせるようにおかれた
二つ目の奥の
素足
初めて好きになってしまった異性の事
その名前は確かに覚えている
でもその顔立ち 身長 体型、そして性格に至ってはほとんど思い出せない
その人のどこに惹かれ何が好きになったかなんて、すっかり記 ....
私の中で燻っている恐れ
私の中に降り積もる不安
自業自得とはこういうことか
これは私の罪だから逃げ出すことは出来はしない
真正面から見据えて
ここで朽ち果てようとも
恐れが私に罪を犯さ ....
チチ危篤の時も
ハハ危篤の時も
私は
馬鹿みたいに冷静だった。
子供の頃
母親に言われた事がある。
それは祖母が急に倒れてその日の内に息を引き取った日だ。
夜。
親類や ....
世界はこんなにも美しいのかと感じたのは
もう、はるかに遠い昔で
今の私には邪気に満ちた禍々しいものでしかない
天使たちは変わらず無垢な笑顔を向けるけど
その笑顔の裏に隠された残酷な真実を知って ....
不安で
なんもできん
そんなこと
詩にかいちゃいかん
でも
書いちゃう
そのことの
まあ
きわまりだよ
寒い
陽がほしい
ああこれだ
この感じだけがあるな
向日性 ....
朝の気温が違う。
ほんの少し、昨日より低い。
汗をかく量が昨日より少ない。
窓の外の景色が少し違って見える。
風が変化する。
においが少しずつ変わっていく。
こうやって季節が動いていく。
....
苦しみの只中にある時、人の辛さを被う布となり底へおりる意識の錨となるのは安易、だという事は、なかなか忘れ勝ちだ。困難は、苦しみが拭われてから始まる。周囲を見回した時にこそ、初めて顕現する。霧が晴れた庭 ....
誰もいなくなったようなので
過去を忘れたようなので
身の丈を知ったようなので
少年は心が軽くなりました
少年の目は脆すぎる安心の中そっと開きます
当然にある日常、という名の奇跡
す ....
枕に顔をうずめた状態で
目を覚ますと
決まっていつも、右目の目尻の辺が軽く濡れている
覚えはないが
魚だったり、女だったりしたろうか
食われたり、食ったりしたろうか
....
私は役人になれませんでした
私は銀行員になれませんでした
私は学校の先生になれませんでした
私は大企業の経営者になれませんでした
私は犯罪者にもなれませんでした
私は路上 ....
めをつむり
色んなことを考える
詩が座っている
手招きする
まごまごとしている
今日は座ってるか
そうするか
そんな日もある
めをつむり
もう一度
色んなことを考える
じき
....
{注石核という石器=打製石器の一種}ありうらめしや
大小の岩に{注{ルビ雪客=せっかく}=鷺の別称}千曲川
折角の{ルビ渡=わたり}も果てず{ルビ屍=かばね}{注狐狸=たぬきときつね}
....
秋、畑を耕すことを秋耕と云うそうです。晩秋や初冬に植え付けをする作物の為の下拵えを、土にほどこしてやる必要があるのです。苦土石灰をばら撒いて、鍬を入れ、もう一度石灰を力士が塩を土俵にまくように放っ ....
長い時間、詩から遠ざかっていて
その間、私は死について考えていた(現在進行形で)
言葉を紡ぎ出そうとしても
頭が回らなくて片頭痛に悩まされる
歳を重ねて自然死が近くなっても
この世界から消え ....
整髪料
イヤホン
マスク
メガネ
立ち姿
スクロールする指
2人以上なら関係
近くにいると猛烈な勢いで飛び込んでくる
繁華街の広告看板くらい鬱陶しい
テレビのように消せない
情 ....
選ばれる事に挑戦するのは苦手
ずっと子供の頃から何にも選ばれなかったから
のど自慢にたとえるならいっつも鐘一つしか貰えない人
鐘一つと鐘二つの計り知れない差異の大きさを悩みになやんでいた青春 ....
下手くそ野郎
と、内心思っていても 女は嘘付く
演技するんだよね
女はその体の構造上
男には受け身だからさ
男の気持ちを思いやって、傷付けまいとしてさ
だけどさ
女の気持ちが ....
こるが一番うまか
そう言ってオヤジは
宝焼酎のお湯割りを飲んでいた
焼酎九、お湯一
ほとんど宝なその飲み物を
旨そうに、グビッ、と飲むオヤジの顔は
幸せそのものだった
おれは そ ....
秋の虫たち るうるう
無残に刈られた草むらの
最果てみたいな端っこで
透明になる身体
開いた扉の
まっくらやみの先を
眼をつむったわたしは見ている
....
肉の焼ける、脂のかおり。
喉が焼ける、酒のかおり。
胸を焦がす、秋のラム…
{ルビ沼沢=ぬまさわ}の{ルビ鼾=いびき}迂闊なヒキガエル
淵源の{ルビ有=ウーシア}くゆらすぬらりひょん
古代はす{ルビ千歳=ちとせ}を跨ぎ{ルビ秋津=あきつ}{ルビ領=し}る
石 ....
夜は燻りながら、いのちの方角へと転がっていく
俺はそれを見つめながら、道を知らない子供のような
顔で
燻製になった魚の心情を体内で模写する
よどみの中、腐りかけた水の中
まるで親指大 ....
なんだか、時々、こういう風に思います。
現代詩フォーラムに毎日投稿される詩、それから過去ログの詩もですが、嫌な時もたまにはありますが、大体はそれらを一つ一つちゃんと読んでみたいなと思ったり。
....
半鐘の音ことごとく穂を{ルビ搖=ゆ}らしはばたく{ルビ百舌鳥=もず}の{ルビ早贄=はやにえ}を{ルビ祝=ほ}ぐ
緑の映える公園に人は少なく、秋の入り口に私は立っている。
涼しい風があなたを通り過ぎる。
小さな肩が私に寄り掛かる。
あと何度こういう時が訪れるだろう。
冷たい現実を前にして ....
気に病むことが
気遣いでないと気づいたのは
大人になってからでした
九月の妹の誕生日
何もできない兄でごめんね
おとめ座の君だから
気に病むこともないだろう
神様がばら撒いた ....
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