流民をへて流民にあう
きみは遠い昔の記憶の中の文学少女
すべての物語を読み切れないように
たとえばたった一人の歴史も解析できずに
やはり僕はでくのぼうにもなれない半端者
きみの洗礼を ....
呟きたい言葉はなんだろうか
優しい戯れ言
激しい罵り
慈しみの慰め
否
それとも沈黙
ただそこにいる
それだけでありがたい
だからもうしばらく
こうして居よう
芋
あんまり得意やないんやけど
て とむ がゆうて
しゃあないなぁ
て じむ が
箸をのばしてきよる
なにが 違たんやろ
せやなく
なんで変わらへんのかったんやろ
誰かの思い ....
じっと空間を見つめていると、
何かが聴こえてくる。
実際には何も聴こえないが、
目にうつるものが音を帯びてくる。
色にも音があるのか、
音に色があるのか、
空間は息吹を宿して、
この身体 ....
久しぶりに電話してみる
着信音が十回で、切る
内心ホッとする
まもなく向こうからかかってくる
少し慌てる
「なに?どうかした?」
声を聴いて安堵する
「いやどうもしないけど。今話せるの? ....
先週までのうだる暑さが嘘のよう
公園の木立は重い影を落とし
鬱蒼と風に吹かれているが
家々の庭に
咲き尽くした夏の花々が
どこか安堵したようにうなだれる
もうここからは秋
静かに目を凝ら ....
ゴロゴロゴロゴロ、ピシャー、とか、ドシンドシン、とか、キャーー、とか、ドゴーーーン!!!、のないところに行きたい。すべての悲しい音が音楽になればいい。
最後に故郷に帰った日
灯台に座って
風に舞うとんびを
いつまでも見ていた
神様の木のてっぺんに
命を抱えるとんびたちは
巣に近づくと魔法の笛を吹く
目が回るほど
螺旋に ....
古い温泉街の
しめやかな抜け道を思い出す
真上から照らされる焼けた道は
傾いた屋根の
濃い影ができている
つぶれかけのタバコ屋の角に
赤茶けた古いポストがあって
その手前を曲 ....
忘れかけていた痛みは
何度でも繰り返す
人に与えた痛みは
自らに降り掛かってくる
何度でも
何度でも
忘れさせてはもらえない
一生許されることはないのだと
針の筵の上で
今日も血を流 ....
やめてやれもう死んでいる蝉の声
Wi-Fiの届かぬ蝉となりゆけり
落っことされ踏み潰され地べたで
もんじゃ焼きになったタコ焼き
大量の蟻にたかられ
真っ黒になったりんご飴
未消化のイカ焼きと
未消化のソーセージを
マヨネーズとマスタードと
秘伝 ....
一緒に途方に暮れないか
店は閉まっていた
冷やし中華が食べたかったな
シャツは買わなかった
いいのが見つからなかったな
きっとどうにもならないだろう
誰にも相談できないだろう
ぼくの病気 ....
日に日にくまが濃くなる僕の隣で
彼女はいびきをかいて寝ている
薬をかっくらって意識を飛ばすと
そんなに深く眠りたいとなじられる
愛とか孤独とか夢とか縊死とか
みんな思考の玩具のようだ
恋して子供を作 ....
次郎さんの家は、火の山峠へとつづく
坂道の途中にあって、そのちいさな車
は、登るときも下るときも、まるで不
機嫌な家畜のように、激しく四肢を踏
み鳴らすのだった。
直径八キロ余りの島の真ん中 ....
おちない眠りが揺らす
あなたにわけたのではなく 重ねたのです
星の明かり 電燈の灯り あなたの言葉
偽りが入り込む隙はない 一心
偽りを燃やし尽くし 開ける朝
■■■■■■■■■■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇☆☆〇〇〇■
■〇〇〇☆☆〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇 ....
まる
さんかく
原始
くるくる
かたんかたん
とんとん
ぐわんぐわん
しとしと
原始
さんかく
まる
木洩れ日
さえずり
....
経済的に豊かなこの国で
なんでこんなにさびしいんだろう
涙も出ないくらいさびしいんだろう
食べ物がいっぱいあって
便利で快適なこの国で
なんでこんなにさびしいんだろう
涙も出ないくらいさび ....
ある書物は私を受け入れ、私の居場所を示している。
そんな時私の心は大きく開き、静寂の中の喧騒にただ驚く。
私の頭上に雲はなく、大地の裂け目では清冽な泉がこんこんと湧いている。
私の精 ....
朝がこない夜もいやだが
夜がこない朝もいやなものです
がんばっても
がんばっても
がんばれと言われるような
がんばらなくても時間は流れるのにね
寒いのか明朝体で鳴く蝉よ
シトロネラ蝉はチャクラを閉じにけり
うんざりする程のルールには
もう疲れたわ
今夜はこれでおしまい
ノイズのベッドに
レタスとトマトを乗せて下さい
ほっといて
探さないで
アタシを
検索しないで
hamburg ....
部屋のなかの風速はマイナス
まるでフラスコの底で
蹲るだけの異邦人
となって私は偶像を失い
祈り方を忘れる
(遠ざかってゆく)思い出という名の
私を掌ってきた漣は
枯渇したみずうみで途方 ....
重たいザック背負って
もうあんなにきつい坂は
登りたくない
風呂には入れないし
トイレは臭いし
夜はいびきの合宿で
夏の夜の蛙たちよりもうるさい
と思っても
しばらくするとまた山へ行き ....
カーテンにくるまって
部屋のなかに飛び出せば
暗い廊下に佇むばかり
小学校のパイプと木の机
銀色に染めたら居眠り
ベッドで一回転、二回転
自転車替えて顔替えて
....
死にたいと思いつつも今日もまた生きてしまう
アタシの楽しみ
それは
熟睡している息子を襲う事です
中学生ですので
さすがに起きてる時に
抱きついたりなどすると
抵抗されますので
スヤスヤ夢観てる時に
背後霊のように
息子の ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277