「あなたには一つの弱点があります。{ルビ祭祀=ドルイド}クーラス。
それは、あなたがわたしを十三歳の小娘だと思っていることです。
わたしは、数々の秘密の教えを受けてきました。
アースランテ ....
イリアス・ナディは自分の運命を受け入れていた。
アイソニアの騎士が己の命を全うしていても。
十三歳という年齢を比しても、アイソニアの騎士は、
世界の安寧を守ろうとしていたのである。
「グー ....
「何度でも言います。わたしは世界の行く末の鍵にはなりません」
「ははは。そう思っているのは、あなただけですよ。
現に、アイソニアの騎士は、この場所へと向かっている」
「グーリガン様……」
....
昨日みた夢では俺は海になっていた。あなたのベッドの中の海だ。あなたは俺が海となってベッドの中で待ち構えているとも知らずに、ベッドの中へ入って俺の体の中でビショビショになった。あなたは何かを叫びたがっ ....
●先斗町通りから木屋町通りに抜ける狭い路地の一つに●坂本龍馬が暗殺されかかったときの刀の傷跡があるって●だれかから聞いて●自分でもその傷跡を見た記憶があるんだけど●二十年以上も前の話だから●記憶違いか ....
「アースランテは負けません。クールラントにも、
ラゴスにも、ファシブルにも……」
「あなたは、一つ事を忘れています。ヒスフェル聖国です」
「ヒスフェル聖国……」イリアスは息を呑んだ。
「 ....
「クールラントは、中立を保とうとしています」祭祀クーラスは言う。
「そのためにも、アイソニアの騎士を我が国に取り戻したいのです」
それが嘘だということを、イリアスは即座に見抜いた。
「あなたは何 ....
「あなた方がアイソニアの騎士と呼ぶ人物、
グーリガン様は、私情のために国を売る人物ではありません。
今この瞬間も、あなたたちを倒そうとしているのです」
「それは、あなたの懸想による妄言ですね ....
塩湖の畔で
岩塩の結晶になったので
円卓で回される
爆ぜる食卓
ナミブの背骨はムニエルで
美味しく頂ける毎日です
月夜の児童公園の
砂場に胴体着陸したあとで
空っぽのバックパックを
....
倦怠感に抵抗しながら
洗い物を片付けて飯を炊く
部屋に戻って昼間に買っておいた
モナカアイスをかじる
クリスマスケーキのかわりに
マイアミバイスのサントラを
聴きながら詩作の為に
パ ....
麻袋の中から出されたイリアスは、数日食事を取っていなかった。
その表情は、憔悴して青ざめている。
その眼前に、祭祀クーラスが彼女を{ルビ睨=ね}め付けている。
「なんだ、こんな子供か! アイソニ ....
二日の時が経った。フランキスは、
再び祭祀クーラス邸を訪れていた。
そこで交わされる密談は、今後のクールラントの行方、
そしてライランテ大陸の行方を必ず左右するはずだった。
その時、祭祀ク ....
「ところでだ、フランキス。お前はよもや、
クシュリーの身を奪い損なったからと言って、
わたしを裏切ろうとしてなどいないだろうな?」
そのクーラスの言葉に、フランキスは思わず青ざめた。
....
夜通し
狭くて暗い
空飛ぶ輸送機に乗って
発着場まで
みんな順番待ち
大人しくして黙って
雪の降る静かな朝に
古い鞄に必要なものだけ入れて
お弁当は少し
おやつは沢山
あげたい ....
「先ほど、アースランテからの早馬が到着しました。
イリアス・ナディの身柄は、クールラントへと向かっているとのことです」
フランキスは、祭祀クーラスの激昂に触れないように、細心の注意をもって言った ....
「それが、クーラス様。思わぬ邪魔が入ったのです。
戦士エイソスの邸宅には、エインスベルがおりました」
「なんだと?」クーラスが顔色を変える。
「あれは、リーリンディア監獄に幽閉されているはず… ....
フランキス・ユーランディアは祭祀クーラスの面前に控えていた。
心のなかには、エインスベルに言われた言葉がよぎる。
「祭祀クーラスを暗殺してほしい」と。
それは、フランキスが心から戦慄した瞬間だっ ....
さてもさても
今宵も意味のないものを書いたか
と自問してみると
どこかから
そんなことはないよ
と聞こえてくる
耳鳴りだろうか
そうかそうか
捨て置け捨て置け
思いながらも
....
エインスベルは一瞬戸惑ったが、次の瞬間には自身を取り戻していた。
「貴女の言いたいことは、よく分かった。要は、
有言実行を他者に対しても敷衍せよ、ということなのであろう?
しかし、己の身を己 ....
「まずは根拠を示してほしい。何故、わたしが世界を滅ぼすのか?」
「それは、貴女自身が分かっておいでです。貴女は復讐を是としている。
それは、やがては世界そのものへと向かうものです。
古の賢者 ....
「貴女は、わたしが世界を滅ぼすと言うのか?」と、エインスベル。
「そうです」クシュリーは、きっぱりと言い切った。
「しかし、わたしは貴女を救った。わたしが世界を滅ぼすのであれば、
貴女の命を救 ....
海の記憶
星の記憶
ネットワーク
の記憶
高度に情報処理された電子
大気と排気と
死者はどこにいった
風がうたっている
もう頑張る必要ないよ
今日から私達要らない子
テスト ....
二〇二二年十一月一日 「夢」
お金を盗まれる夢を見た。
二〇二二年十一月二日 「夢」
また盗まれる夢を見た。こんどは靴だ。修学旅行先でだ。ぼくは高校生だった。
....
パウロはキリスト教信者を最も過激に弾圧する
ユダヤ教のファリサイ派でローマ市民という特権の持ち主だった。
突然キリストの霊験により盲目にされたあとは
転身キリスト教を世界宗教にすべくゼウスを信じ ....
ゆきが おちてくる
海がひろく
不思議な 音をたてていた
灰いろの山と 横たわると
風にも 鳥にも 色いろあると分かる
やさしくしたい けれど
今のぼくには できない
ゆ ....
壊れた室外機に腰を掛けて
春が来るのを待ってる
いくつも季節は過ぎていくのに
春だけがまだな気がする
私は雲ではないけれど
春が来たら食べたいものを思い浮かべ
その食べ物に
う ....
「この世にはそもそも、魔導などというものはなかったのです。
この世には、祈りだけがありました。それがいつしか、
人々は魔導に頼り、この世からすべての言葉が失われました。
それが言語崩壊の真 ....
そして一同の前に、クシュリー・クリスティナが現れた。
彼女は青白い顔をして、戦士エイソスを見つめる。
自分がどうしてここで招かれたのか分からない、といった表情だった。
その面持ちを、エインスベル ....
「クシュリーを呼ぼう」唐突に、戦士エイソスが言った。
「彼女は、未来を見通す力を持っている。そして、言葉によって、
現世を変える力を持っている。俺も彼女の力の半分ほども分からないが、
彼女は ....
1.義眼
夜明けは午前7:00をまわり
すでに傷を負ったひかりの窓辺で
いつまでも腐らない
義母のはやとうり
2.かいふく
腹のなかで
白湯がわいている
はちみ ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト
(8290)
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イリアスの矜持(八)
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大町綾音
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1*
22-12-26
イリアスの矜持(七)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-26
イリアスの矜持(六)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-26
海
-
暗合
自由詩
1
22-12-26
MILK/THE_WHITE_ALBUM。_──乳用牛ホルス ...
-
田中宏輔
自由詩
13*
22-12-26
イリアスの矜持(五)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-25
イリアスの矜持(四)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-25
イリアスの矜持(三)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-25
青空のバックパッカー
-
ちぇりこ ...
自由詩
10*
22-12-25
「クリスマス・イブの夜」
-
ジム・プ ...
自由詩
3*
22-12-24
イリアスの矜持(二)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-24
イリアスの矜持(一)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-24
祭祀クーラスとフランキス(四)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-24
夜明け
-
ふるる
自由詩
7*
22-12-22
祭祀クーラスとフランキス(三)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-21
祭祀クーラスとフランキス(二)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-21
祭祀クーラスとフランキス(一)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-21
あいわず_1_より
-
AB(な ...
自由詩
6
22-12-20
エインスベルの逡巡(九)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-19
エインスベルの逡巡(八)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-19
エインスベルの逡巡(七)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-19
選ばれなかったこ
-
秋田の米 ...
自由詩
2
22-12-19
詩の日めくり_二〇二二年十一月一日─三十一日
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田中宏輔
自由詩
11*
22-12-19
愛と赦しの恐ろしさについて
-
秋田の米 ...
散文(批評 ...
1
22-12-18
雪が落ちてくる
-
soft_machine
自由詩
9*
22-12-18
春待ち
-
たもつ
自由詩
7
22-12-18
エインスベルの逡巡(六)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-18
エインスベルの逡巡(五)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-18
エインスベルの逡巡(四)
-
大町綾音
自由詩
1*
22-12-18
静物
-
平井容子
自由詩
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