晩御飯を作っている君の背中が
何かを僕に言おうとしていた
静かなキッチンの端に君の残像
発しなかった言葉はシンクに流れてしまった

いつからか二人の未来が見えなくなった
影が忍び寄るのを
 ....
糠雨や草も混じりてあやめ咲く

優劣の付かぬ五月の花{ルビ美=うま}し

赤き実の風に擦れ合ふさくらんぼ
古い骨の破片を取り出し
命を再生できる世界
もう一度生かされ
3025年に生まれたなら

何を見る
何を選ぶ
同じ過ちは
冒さないか
結局孤独に
彷徨うだけか

バイオの技術も ....
どうしようもなかった
そう言われたらそうだ
それでも見殺しだろう
どのように死んだのか
膨らむ想像が胸に重く
良心が掻きむしられる
後ろめたさも心を乱す
忘れていたことも確か
それでも ....
細い月は
つややかにしろくひかる
両端はするどく研がれて
夜を切り裂く
しずかに
きれぎれてふってくる
夜の
はぎれ

地上の犬たちは
それらを
おもいおもいに選んで
てんでに ....
人間のやることは
間違いだらけ
仕方ないけど
落ち度のあるプログラム
もう何回目
ブルーライトが
瞳を蝕んでいく
影響範囲が広がっても
エラーの原因見つけられない
時間と疲労の蓄積
 ....
白い牙を覗かせて、
獰猛なうねりが崩れ落ちる
老いた小舟は
海の奈落へ吸い込まれてゆく

ゴオオオーと大波は唸り、
水の壁をふたたび聳え立たせる
曇った空には、
騒ぎ啼く海鳥たちが浮か ....
握手をしたら
相手は刃物だった
血が流れても
誰も咎めやしない

悔しさだけが
胸に錆びつき
刃が冷んやりと
血の温度を下げていく

それでも信じたい
人のあたたかな掌
滲む血 ....
俺たちの時代を連呼する
前世代のゾンビと対峙して
赤ずきんは立ち尽くす

赤いケープ翻し
腐敗した風を避け
御伽話からリアリストへ

子供のお使いからは卒業
虚構の世界に鞭を振るい
 ....
雨上がり山の若葉のグラデーション

夕闇やみかんの花の香に寄する
わたしはサイくんのおしり
おしりにできたぶつぶつのおできです。

でもサイくんは、どんなにかゆくっても
てでかくことはできません。
(だって、てがとってもみじかいんだもーん)
あしでか ....
仕事の夢を見て悪夢だと思う
だから現実も悪夢の中を生きている

崖っぷちギリギリに
目隠しされて立たされている

手探りで伸ばす指に触れるのは
錆びた鉄のマニュアル

黒塗りで
行 ....
人棲まぬ庭の切株{ルビ躑躅=つつじ}咲く

花の名を問ふてしらんと遊びけり

孫可愛い母の日あるを忘れをり
森の奥
木の葉が私の羽に絡まる
苔の鼓動
微かな羽ずれの音
迫る夜に小さく鳴く
風が木の葉を揺らす
川が流すinstrumental
夜の裾に隠れた光に導かれて
羽を広げてゆく
私が ....
ああ、神様、
私は煮詰まっています。
午後の週末です。
それは非常に活発な議論です。
あなたのひげに会えて良かったわ。
長い間、会議に来なかったわね。
主人は自分の携帯電話で滑って眠りに落 ....
夜がガラスのように
砕けた朝に
散らばる夢の欠片
止まらない時計の針は
呪われたように
勢いよく回り出す
乗らない気分が
脈を締めつける
手足に冷たい鉄の鎖
苦しさのため息
無理や ....
夜明けを求めて扉を叩く
刹那の現在
次から次へと
巡る一秒先の見えない軌道
乗せられただけの僕

星が流れる
尾を掴む
その手に自由が宿る
目覚めて夢の余韻が残る
空っぽの掌にため ....
僕の黒が夜を染めていく
君の白が朝を照らしてく
別々の景色 触れた指先
壊れるその瞬間に僕ら交わる

バラバラになる音が響く
君と僕の色が混ざり合う
始まりと終わりが溶ける場所で
新し ....
あなたと私の立ち位置に
汚れのない小川がある
近くでもなく
遠くでもなく

長い付き合いだねと
あなたは言った
私もそう思っているけれど
あなたはいつも私の中にいた

大勢のファン ....
{ルビ夫=つま}の忌や庭は若葉の森となる

子は餃子作り置きして帰りけり

野良猫も居心地の良き木陰かな 
隠された事柄は
ある日ひょんなことから
氷山の一角として人目に晒される
ぼくは目撃者となった
それを黙殺すれば
棺桶まで持っていくことになるかもしれない
一時の面倒臭さを優先したら
一生 ....
Who’s in your heart now?
誕生日、おめでとう。ぼくはあなたに言った。
全身がおれのストレッチだ! ははははははは!
陽気な日だ、きのうみたいに、特に憂鬱なことはない。 ....
このごろきもちが
ひきこもってる
喪失した数が多くて
容量を越えてしまったよ

他人は知らぬ間に死に
他人からその死を知るものなのか

先日突如重篤な病を告げて
暫くの間と伝え消えた ....
遮光カーテンの隙間から
溢れる朝日が睡眠に射し込んで
夜から切り離されたぼくは
恐る恐る目を開ける

考える間もなく朝のルーティン
決まった時間にドアを開け
同じ方向に向かう人々に混じり ....
嗚呼もう
愛してる
阿吽の息
逢えたね
青い鳥も
赤くなる
飽きたら
悪夢見て
明け方に
憧れたの
朝日の方
足を向け
明日から
汗かいて
遊びたい
あたしは
あちこち ....
見上げた空に響く音
夜の果てを追いかけた心が輪を描く
透明な糸で結ばれた声
掴めぬほどに朧げな希望

指先に感じた微かな振動
目を凝らせば見える星のよう
意志を込めても止まらぬ揺らぎ
 ....
新しい詩を探していくつ旅をすればいいだろう
溢れる想いを言葉に乗せてリズミカルに詠う強さを僕は持ちたい

頭の先から足の爪先まで創造の神が渇れ果てるまで
迸る激情(パッション)を筆に込め白い草 ....
草臥れたぼくを折りたたんで
シャボン玉みたいに脆い
紙飛行機
ため息に乗せて飛ばしたんだ

きみのところに届いたら
開いてみて
きみの瞳に映る時だけ
ぼくは ぼくでいられるから

 ....
人は、ナレーションによって世界を正しく認識しようとするものである。
例えば目の前に石があり、草が生えていて、それは今どこにいるのかということを認識しようとする時、無意識の中でナレーションが働いている ....
葉桜の明るい緑がそよぐ
もう花は残っていないと思ったのに
花びら一粒が風に乗って
頬を掠めていった
緑の隙間から太陽の光こぼれ
眩しさで目を細める
その背景の前で
風に揺れたスカートの裾 ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7809)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
砂時計の残り- 自由詩10*25-5-4
うつくしき五月- けいこ俳句1*25-5-4
3025- 自由詩11*25-5-3
どうしようもなかった- 自由詩12*25-5-2
はぎれ- そらの珊 ...自由詩10*25-5-2
エラーの果てに- 自由詩6*25-5-1
安らかな茫々- atsuchan69自由詩16*25-5-1
刃と掌- 自由詩7*25-4-30
やがて頭巾を脱ぐだろう- 自由詩8*25-4-29
夕日さす庭で- けいこ俳句1*25-4-29
ぶつぶつ。- 田中宏輔自由詩11*25-4-29
悪夢の淵で- 自由詩6*25-4-28
紫蘭のあそび- けいこ俳句3*25-4-27
夜の羽- 自由詩11*25-4-27
いま一度、いま千度、- 田中宏輔自由詩14*25-4-27
朝の抜け殻- 自由詩10*25-4-26
宇宙の刹那- 自由詩5+*25-4-25
混ざり合うセカイ- 自由詩9*25-4-24
そのままの距離感- けいこ自由詩4*25-4-24
家族と野良- けいこ俳句2*25-4-23
目撃者- 自由詩6*25-4-23
ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。- 田中宏輔自由詩10*25-4-23
ひきこもりの気分- けいこ自由詩5*25-4-22
普段- 自由詩9*25-4-22
あ+五十音/アハ体験?苦しい- 自由詩10*25-4-21
透明な座標- 自由詩5*25-4-20
創造の旅路へ- 栗栖真理 ...自由詩3*25-4-19
Paper_airplane- 自由詩11*25-4-19
ナレーション魂。ナレーション熱- 鏡文志散文(批評 ...5*25-4-18
夏がくる- 自由詩6*25-4-18

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