さみしい夜にはいつも君がいてくれた。
寒い冬でも君がいっしょなら大丈夫だった。
さして面白くもないことにも君は笑って、
さもありなんと僕はおもったりした。
さあ何をしようかと、いっしょ ....
止まれ
止まれ
僕の心臓
止まれ 止まれ
愛も 酷薄な告白も
僕の人生は凍結して
秘かに逆流するといい
冬の海に
どこまでも沈んで行く
ガラスの切符 ....
ことばがぜんぶ死んで
人類が残ってしまった
だからぼくはきみを
ただ見つめることにした
白目に走る すこしだけ赤い血管
その茶色いひとみのなかの虹
ぼくたちは退化して
足がなくなって ....
固まった雪の中の
アスファルトは、なぜか、あたたかくて
歩道に車を乗りあげ
樹氷を断ち割ったあとの、氷雪を、踏み固め
青空を信じて、いく
白雪を撫でて、いく
世界を変える青 ....
愚痴りたい
愚痴りたい
誰にも言えない独り言
端末の前でカタカタと電気信号に変換して
記号に変えて綴れば日本語という共通認識で分解される
おお
ハラカラよ
同 ....
常識という固形物を刷り込み過ぎて 生きて来たのかもしれない
時代が真っ二つに割れそうで 揺らいでリズムを刻んでいる
流れるものの不動さを額に握りしめて 呟きの馨りを出す
昆虫のように
私の ....
雲が波のごとく
制空に押し寄せてくる
この光景を
その窓から見たはずだ
きみよ
騙され屋の若き特攻隊員
南の海へ逝く
前に
わたし
78でヒットマンやりました
これも高齢化社会というものなのでしょうか
非社会人とはいえ
もう戻る組もありません
すこしはヒットしましたか
ひばりのように
恐竜の骨のようなもの、を、みたいな、
探していたんだと、
思う。
でも、そんなものは、
ど ....
鋭いつららを
振りかざしていた
独りよがりで
闘っていた
何かを傷つけたかも
しれないけれど
握ったつららは
やがて溶けていった
37
始まりの終わりと終わりの始まりの
僕は始まりを待てない
君は終わりを待てない
言葉は完全なものではなく
心も完全なものなんてないので
いつでも
38
....
誰だって気が触れる可能性を持っている
たとえば目の前で我が子が轢き殺されたり
たとえば
愛する女が
たとえば
愛する男が他の誰かに奪われたりしたら
誰だって冷静じゃいられなくなるだろう ....
昼寝していたら
揺られていた回送電車
誰もいない車両に揺れる
吊革と私と中吊りの三重奏は
安心だけを増幅させる
暗い隧道に入れば
瞑想するだけ
乗客が残していった
苦悩はリセッ ....
君のほっぺた、むにむに、君の太もも、むにむに。
君のむにむに、君だけのむにむに、唯一無二無二。
南の窓から陽の光が燦燦と降り注いでいるとでも書いておこうか
その住人の暮らしとか思いはどうでもいい
ただ陽の光が温かい
それが良いことなのか悪いことなのかも分からない
表面的な解釈は容易にでき ....
読ませてください
アナタの本を
読んで
アナタを
知りたいのです
なにも
知りたくないのです
いまのアナタが
いいのです
って
いいたいけれど
そんなのウソみ ....
産まれた時から生まれた日から
人より多くが欠けていたから
きっと私は充たされていたんだろう
何だか辻褄が合わないな
産まれた時から生まれた日から
人から見下されたりはしないかもしれな ....
25
さよならさえも言えない
あの人は
何と戦っていると言うんだろう
その瞳に映る空には
青
が見えない
26
どこまでも続きそうなきれいな道路を走る
ど ....
ねえ、お爺さん、
あなたが買ったものはカフェインレス・コーヒー。
なぜそんなものを買ったのかしら?
健康のためにカフェインを制限しているから?
夜眠れなくてもコーヒーが飲みたいから?
それと ....
結婚式の披露宴なら違和感ないけど
いくら自宅葬とは言え葬儀の模様をビデオ撮影するなんて、常識から外れた行為だ
確かに母親の最期を映像に残して後に鑑賞しながら故人の思い出に浸りたい気持ちは理解で ....
ずっと気になって仕方ない女性がいた
齢六十過ぎても
三十年連れ添った妻がいても
三十路近い娘がいても
他にずっと気になって仕方ない女性がいた
相手の女性もきっと結婚しているに違い ....
冷えた水道管が時々、石膏ボードの向こうで短い悲鳴のような音を立てる、闇雲に詰め込んだ食事を腹の中で撹拌しながら、窓を這う虫の数を数えていた、ここ数日、ひどく目を凝らし続けていたせいで延髄のあたりが ....
朝からしゃけ弁当くわしよる
国会議員やったら幕の内弁当とちゃうんか
ほんま個人には冷たい国や
13
ぼくのこころは
ふ
ってはずれて
べっくうさんやのほうに
ぷかり ぷかり
とんでった
14
喧嘩太鼓の音に
いくつもの魂がひとつになって
一際高 ....
コンビニエンストア
スーパーマーケット
ネット通販
スマフォアプリにSNS
パソコンに映る誘惑と欲望
キャバクラにスナックの常連客の酔狂
ユーチューブにネットゲームにライブにスポーツ観戦
....
今日は強風だ
器用に起用に答えつつ
強風に吹き飛ばされて行く
野望のような穴は闇
今日は強風だ
詩を書きたい時がタイムリーなら
器用に衣服を着よう
それがダンディズムランサーズ
....
くだらぬ事に
心をくだく
苦肉の策は
くくる首
飢餓感きわまり
気分のきしみ
危機一髪で
奇跡が起きて
来ぬ日この時
幸福さがし
困難こえつつ
混沌の中
堅 ....
戸外にいる気分を味わいたくって、
セブンイレブンから缶コーヒーを買ってきた。
ああ、街中には僕たちが一息つけるところなんでもうわずかしかない。
(そうでない人たちもいるのだろう)
君は君自 ....
私が大嫌いなお正月を
母がどんなに楽しみにしていたか
考えると涙が出てくる
少しボケたせいか
鯛のお頭が二つ買ってあった
北の国には幽霊船がいるという。誰もそれを見たものはいないが、晴れた日には沖合に蜃気楼のようなものが立ち上がる。それが幽霊船だという。幽霊船は千の魂を積んでいく。幼くして亡くなった者、戦争で命を落とし ....
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