ロザリーは十五才
廃業したスクラップ工場の敷地の外れで
ハーケンクロイツみたいなかたちになって転がってる
もう腐敗が始まっていて
あらゆるおぞましい虫に集られて喰われている
ささやかな雨 ....
「海をすてた」

海をすてた
いっぱいだったから
外に捨てた
外は広いから
海はしずくにみえた
にんげんが
外にいったら
ちいさすぎて
なんだかバカみたいだ
だからぼくは
ここ ....
3月 弥生 トロイメライ
春風 果てしなく 暖かい
坂の 彼方の 高台へと
ゆっくり 歩いていこう

月光チタンの夜を過ぎ
冷たい鈍色の夜を抜け
奈落と雪洞の夜を耐え
かねて
ぼくは ....
この命にはぬくもりがある
普段は感じないけど
強く感じる時がある

上手く言えないんだ
表現力ないしさ

毎日がややこしく過ぎて行くけど
それだって
そのうちに
ピリオド打たれるん ....
葉っぱが
ひとり遊んでる
くるんと
まるく
じぶんをすてて
も一度
ハラり
わらって泣いて
「おはよう雨さん」

細かな雨の

パラパラの

春の西風に煽られの

窓にカツカツの

それは

とてもとても

うつくしなじかん

ふふふ

半分ヤドカリ

 ....
やあ
おはよう

詩集を読んでいるんだね

リルケか
どうだい感想は?

そうか
つまらないのか

世界には
リルケを楽しめる人が
大勢いるのにね


そう君は
リル ....
あなたが嫌いだから
あなたとは距離を取りたい
あなたといると
私が私じゃなくなる
あなたと一緒にいたら
耳が聴こえなくなった

あなたは私を支配する
あなたのために微笑むことはもうない ....
あの日地面がおおきく揺れだしたから
工場の高い建物さえしなりだしたんだ

工場内に積み上げられた製品がまたたく間に崩れだして
あっちこっちで悲鳴があがる

逃げなければ
俺は持ち場の非常 ....
{引用=読みたい本がある
明日にしようか
明後日にしようか
書店に行き
お金を払って
買って読みたい
詩でなくとも
ロマンスでなくとも
料理でなくとも
指で頁を繰り
じっと ....
二〇一五年十月一日 「℃℃℃。」


℃■■■■■■■■■
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■■■■■■ ....
あの日、ぼくは死期の近い人のそばにいた。基督教系のホスピスへ出入りし、ただその人の横に座っていた。モルヒネのせいで朦朧としたその人にとっての今は、50年前の初夏の昼下がりだった。そして、ホスピスは何十 .... 海底99メーターの孤独
エヴェレスト単独登攀の孤独

子供が離れた孤独と
爺ちゃん婆ちゃんのいない孤独

不安に怯えても孤独と融和しようぜ
もう子供じゃないんだから
もし好きなことがあ ....
{引用=その命を持ち上げた
紙風船の重さ
だった
睦月
午後3時の淡い光
風の休む
駅の
ホームの隅で
ベンチの上
眼を閉じ
空を仰ぐ
翼の両端を胸に
祈る
重ね ....
そこにあったことなどないことを忘れそうに満ちる野花


水底にねをはる陽の匂いをそこねることなく永遠の死を生き続ける置物に


なによりもそこに似合う置き場のない静けさとして


 ....
一億年後


人がいなくなって
空が青く澄んでいます
ロボットだけの地上になって
考古学者もいないので
地下のことは
また秘密になってしまった
ようです
静かで ....
やわらかな求肥みたいなことばにくるんでみせたって
きみが最悪なことには変わりがないよ
僕のことを思ってるって、
それはきみのことを思っているの間違いだろう
そんな使い古された手をまだ使うの
 ....
しんとしたしずけさにつつまれていた

ときにゆれうごく
おおきくささえをうしないくずれてしまい
そうになる
かたむき
うつろい
みうしなう

いずれはまた
しんとしたしずけさに ....
たゆみない息吹に、おそれの、手のひらを翳せば、ひくひくと、なみうつ水晶の静脈。つづいて、間もなく、青が、光の葬送を連れてやってくる。はいだして来たばかりの、空の、欠片を綴りあわせ、ふたたび、まっさらの .... 野のはな風に
ゆれている

空は空ではぎましょう

消しゴムみたいな風に
ゆれている

うすでの雲となりましょう
2011年の詩から





フェルメールの少女


振り向いた君は
何を見たの
輝く真珠
珍しい果物
かわいい子猫

振り向いた君は
何を聴いたの
彼の ....
大好きな女と離島で暮らす
大嫌いな奴と仕事をする

愛情たっぷりの野菜を食べる
つまらないことでも悩むのだけれどもね

まあ確かにいいかなって
とても酷薄な人生のやり口だ

計画経済 ....
暗闇のなかにて、
わたしは黒豹だ。
黒豹でなくっても、
黒猫でも良かった。
それでも、わたしは黒豹で、
黒猫よりも㸃いと思っている。
大烏でも良い。
それでも、エドガー・アラン・ポーの、 ....
{引用=じっと殻に背を丸め
春を待つ{ルビ蛹=さなぎ}のように森は
いまだ
あわい{ルビ揺曳=ようえい}の入江

冬木立のはざま
小橋のそでに
ゆたかな寝がえりをうつ
にがい{ルビ蕗= ....
「大地」

大地がぼくを落とさないでおくのは
それはやはり
大地がやさしいからだ
そうかんがえないと
「今」にいられない


「ゆきがふる」

あの子
ゆきにさわりたいから
 ....
僕のグレたガラホは相変わらず寡黙なのだ
やっと取り引きして得た隙間に僕は住んでいる

今日と明日が条約を結んで握手しても僕は拍手しないだろう
だってやつらの隙間の全人代という茶番を許すのだもの ....
花咲く頃に天使は旅立ち
氷の大地に降り立った
寒い寒い北の果て
天使は何を見つけるだろう

残された人々は
嘆き悲しみ
咲き始めた花さえ枯れてしまう
止める声も聞かずに
天使は氷の大 ....
人命は尊いと言うよりも
他人の生命についてはさておくと言うのが皆さんのホンネなんだよね
俺も正直そうなんだよね

命については自分第一主義
そして家族親族友人知人
だよね

見も知らな ....
現実とはと彼が切り出したので、言葉の続きを待った。
現実とは道だ。それも廃線だ。草が茂り、傍らにゴミが散乱し、どこからかガソリンの匂いがする。吐瀉物や廃棄物のシミが至る所に散らばっている。線路は錆び ....
古代はひがないちにち風を吹かせて
日捲りはやがて春を忘れてしまうだろう

肩甲骨のあたりの憂いは上等な娯楽あるいは
ながれついた憎しみをも拭い去ってしまうのかもしれない

あの娘はときどき ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(8301)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ロザリーはスクラップ工場の外れで- ホロウ・ ...自由詩7*21-3-14
ついーと小詩集4- 道草次郎自由詩4*21-3-14
トロイメライ- Giovanni自由詩421-3-14
この命にはぬくもりが- こたきひ ...自由詩321-3-14
葉っぱ- 道草次郎自由詩6*21-3-14
おはよう詩集- 道草次郎自由詩2*21-3-13
詩の鏡- st自由詩421-3-13
私の嫌いなあなたへ- 無限上昇 ...自由詩521-3-12
あの日地面がおおきく揺れだしたから- こたきひ ...自由詩921-3-12
春の本- 津煙保存自由詩7*21-3-12
詩の日めくり_二〇一五年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15*21-3-12
夕焼けの記憶- 道草次郎散文(批評 ...5*21-3-11
海底99メーターの孤独- 梅昆布茶自由詩1121-3-11
祈る命- 津煙保存自由詩4*21-3-11
置き場のない置物- 末下りょ ...自由詩6*21-3-10
詩集1- ナンモナ ...自由詩3*21-3-10
人魚のリボン- 鳴神夭花自由詩121-3-10
しん- 入間しゅ ...自由詩421-3-10
春のハレーション- 道草次郎自由詩5*21-3-10
うらら- 道草次郎自由詩2*21-3-10
2011年の詩から- ナンモナ ...自由詩4*21-3-8
天文少女のうた- 梅昆布茶自由詩1321-3-8
黒豹- 大町綾音自由詩3*21-3-8
啓蟄と芽ふき- 道草次郎自由詩6*21-3-8
ついーと小詩集2- 道草次郎自由詩11*21-3-7
今日と明日の隙間によせて- 梅昆布茶自由詩621-3-7
天使は踊る- 無限上昇 ...自由詩321-3-7
人命は尊いと言うよりも- こたきひ ...自由詩521-3-7
廃線- 入間しゅ ...自由詩321-3-6
誕生日のきみに- 梅昆布茶自由詩1121-3-6

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