昔日の月が散って惜しいと思う
神さまはいつも夕暮れ時の夢
晴れた日を青いレターに貼っていた
膕で摑んだボール(或いは月)
空っぽの私ひとりじゃ笑えない
....
「では、一つの情報があります。騎士様。わたしが、
どこからこの情報を得てきたのか、ということはお問いになりませんことを。
イリアス・ナディは、このカラスガラの北方にある、
バルケスの塔とい ....
「わたしはてっきり、あなた様がアースランテへ残る理由として、
イリアス様をでっちあげていらっしゃるのだと、思っていました。
すなわち、クールラントへは傾がない理由として。
わたしは、あ ....
「万が一……そんな期待が何になる。ヨランよ、
クールラントには、我が国におけるような秘密の組織はないのか?
例えればだが、ヒスフェル聖国におけるアーゼン・クラウトのようなものだが?」
「ござ ....
ルシフェル?
ルシファー?
堕天使
サタン
大魔王
神に叛しもの
蛇
神に次ぐ力を持ったもの
最強最美な天使長
蛇
....
つらいな
お別れはつらいな 空間の不安定さ
つらいな つらい
こんなに辛いなんても思いもしなかった
申し訳ないな
心配する人に いじけた態度なんかとって
つらいな
それでもずっと ....
同調圧力は弱いようだ
承認欲求も薄いよ
ところで
耳かきと詩作は似ていると思いません?
ふとした快感・・・ 「ふと」 いい響きだ
情報と金が大海原で泳いでいる
ぼくは釣りはしない
そ ....
なんなんだろうね
きがつけば
あせってばかりして
どうせ自分には
どうすることも
できないことばかりなのに
書いているんだけどね
ワラっているんだよ
「アかい目の男」がね
声 ....
雲間から
ひと筋の光が射し込む
いつの日か
君とならふたりで居られる
そう信じていた
いつかの日のこと
心とは裏腹に
涙がはらはらと舞う
こんなにも冷徹に
君の行く末を見ていた
....
冬の日差しを背に受けると暖かでした
布のブックカバーはザックリとよい手触りです
賑わう道の際にある私の影の中で
詩集のページを開いてみました
ある詩をゆっくり二度読みま ....
そのころ、アイソニアの騎士も、盗賊ヨランとともに、
イリアスの捜索を続けていた。
もう、イリアスが消息を絶ってから、二か月の時が過ぎようとしている。
アイソニアの騎士は焦慮した。それをなだめるヨ ....
戦士エイソスは舌打ちをした。ウルム・ルーランテの言うところも、
もっともなことだと納得しながら、それを突き崩せない、
己の無力を思ったのである。祭祀ウルム・ルーランテは、
やはり、知謀と術数にお ....
そこにある
あの砂浜で拾った貝
潮の匂いがちょっとしていた
手軽なゲームと云い放ち
強がってみたあの夏の恋
目が合った
数だけあなたを好きになる
隠し ....
「安泰なものとなるでしょう」と、戦士エイソスは言った。
しかし、ウルム・ルーランテは懐疑的である。
一人の人間が表に立ったところで、政情や国是は変わるまい、
といった一般的な人の持つような、感想 ....
戦士エイソスは、エインスベルを何としても、国家の表舞台に立たせようとしていた。
エインスベルは影で行動する人物ではない。その魔導をもって、
国家を率いていかなければいけない立場、そして能力を持って ....
戦士エイソスは少なからず落胆した。この度の企図に、
エインスベルを取り込めれば申し分ないと、思っていたからである。
しかし、オーバ・ニーチェの反クラース側にとっても、
エインスベルは敵か味方が判 ....
無理をせず好きな仕事に精を出す好きだからこそアイデアも出る
あと少し時間が経てば冬になる気象予報士くしゃみ三回
遠くても買いに行きたいクロワッサン直ぐ売り切れる人気のパン屋
ダム底に ....
●ぼくの金魚鉢になってくれる●草原の上の●ビチグソ●しかもクリスチャン●笑●それでいいのかもね●そだね●行けなさそうな顔をしてる●道路の上の赤い円錐がジャマだ●百の赤い円錐●スイ●きのう●ジミーちゃん ....
「はっ。今この時にも、我が国の臣民はドラゴンたちと戦っております。
しかし、それは他国も同じこと。どうしてこの時期に、
ドラゴンたちが降臨したのか、どの国の政治家も分からずにいます。
それ ....
「申し上げたいことがあります。それは、アースランテに関することです」
戦士エイソスが、話の口火を切って言った。
「アースランテは今、ファシブルの領土の四分の一を併合しました。
このままでは、ア ....
そのころ、戦士エイソスは偽名を使って、オーバ・ニーチェに潜入していた。
彼が名乗ったのは、ハンザガリア・ユー・アリガルトという名である。
秘密機関であるオーバ・ニーチェでは、その会合の際、
誰も ....
都会の夕景
ガタガタに崩れた
スカイラインの隙間に
陽が沈んでゆく
何も残らなかった
意味のないことの繰り返し
恨の意識が根を下ろし
成長をはじめる
如何してなのか
転げ落ち ....
肌と肌
擦れ合い
デコルテに
爪痕を残す
なんてことのない
ここは魂の坩堝
外は風が冷たい
冬の終わりに
また交われた歓び、哀しみ
背中にまとわりつく
不快な重み
正体は知ら ....
人の意思の脆さだけでも
掌で掬うようにして
指の隙間からすべらかに
流れ落ちるその煌めきが
瞬く間に意識とともに
漆黒の澱と成り果てる
それは己の消え掛かった
慕情のようでもあるのだと
....
不定形の想いの
崩れるその先には
俺にはまだ解らぬ
謎だらけの轍が
埃を被っていた
誰にも知られぬまま
涙枯れ果てて
叫んでみたって
誰も追いつけぬ
肋を急くだけ
何故だろ ....
神さん仏さん達が
その人の口を借りて
私に注意をしてくれた
と思えば腹も立たないかな
でも悪口は嫌いだな ふふ
感謝を忘れ去らないこと
感謝をすることを
誇りに思うことと
ある ....
●ゴホン●ゴホン●ある日●風景が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの風景も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにある風景まで●最初に咳をした風景に似てきて●ゴホン ....
キーを!
ストローを挿しただけの痕を
理解できる人は限られている
子どもたちが見つけたキーを!
円筒の穴凹に差し込んでみた
ぼろぼろと
剥がされていく
ユダヤからやって来た乗 ....
「それはまるで、貴女様が受けた仕打ちを、
そっくりそのまま祭祀クーラスに返すかのようですね?」
「それはそうかもしれない。なるべく穏便に済ませたいのだ。
わたしは、必ずしも祭祀クーラスを殺す ....
リグナロスは、カラスガラの中央広場に転移させられていた。
突然現れた人影に、通行人たちも驚きの表情をする。
数分遅れて、エインスベルも彼の元へとやって来た。
「無事でしたか、エインスベル様……」 ....
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