季節の冬ではなく
神経の冬がやってくる
いつの間にか肉も骨も失って
外界に直接神経で接触するようになった
神経は少しずつ削ぎ落とされ
細く細く、極限まで細く
硬く硬く、張り詰めてしまって
....
この骨格を焼いてくれるな
使い慣れた体なのだから
大体の様子はわかっている
柔らかな肉に閉じ込められた結晶を埋めないで欲しい
おれの血管とホクロを知り尽くしたおまえだけが知っている ....
ヴィーナスのマリッジブルー花の昼
花曇り口に広がる鉄の味
さくら散る見果てぬ夢は見続ける
桜より母を大きく描く理屈
フィアンセがいるなら言えよ姥桜
視界にはたくさんの目がある。
開いた画面に浮かぶ目玉は、
口になって牙を剥き出している。
口になった牙を生やした目玉が
私の目を喰らおうとする。
瞬きひとつでページをかえると、
今度は ....
ごろごろごろごろ ごろごろごろごろ
(肉ガ欲シイ、肉ガ欲シイ)
灼熱の太陽の光さえ届かない、
湿った森の奥で、
ごろごろごろごろ ごろごろごろごろ
(肉ガ欲シイ、生キタ血肉ガ)
喉を鳴 ....
ぐだくだにやろう
花びらとがくと新緑で
透明になったさくら木みたいに
叶わないことばかりだけれど
ぐだくだにやっていこう
悲しくない
情けなくもない
ここ ....
親友の浮気調査や夕ざくら
E.YAZAWAタオル一枚花の宴
女性型ロボットの髪花明り
砂漠を歩き続けながら
一輪の花を見つけたのは
千里を歩いた頃だった
水を飲みたくて
飲みたくて
彷徨ったあの頃
ぼくは渇きとともに
飢えていた
一輪の花をさがすために
酒 ....
いっせいにソメイヨシノが笑う夜
花をのせ喜ぶ風が吹き抜ける
ツーと紙飛行機曲がり花明り
頻繁に人にであうでもない
この生活にあまり不満はないのだ
ベランダの脇の雑草がどう伸びようと
有る意味僕のそとの世界のできごと
疲れている意識もなるべく解消しようと
優しい母や鬼嫁も ....
160411
ゲーテがなんか書いているよねと
忘れた記憶が囁くので
要求された色のことかなと
言い飼いス
買われてみたのは
いつの日か
薄い記憶が戦いて
遠い昔 ....
夜桜が続く言い訳も続く
にらめっこ好きの女や花月夜
花盛り青信号に気づかない
明日の海には
溶けてしまう
希望や光は
海溝に沈み込んで
もう帰らない
君がこのコミュニティの中で
過ごしてきた時間は
もう戻らないし
違うコミュニティの中で
同じように ....
厚揚げを肴に一杯やろうと思い
小銭入れを握りしめて
商店街へと向かった
近道をしようと団地の公園を横切ろうとしたところ
厚揚げに似た薄茶色のぽってりとした猫がニャァと誘うので
ぼくは猫のあと ....
ぬるい肩ら、
いまは{ルビ抱=いだ}きあう
あたたかな那由多に
{ルビ細雪=ささめゆき}、
うす燈り
耳のなかの馬にのり
ぬるい肩、はなれていく ....
温かな陽射しを浴びて
細い腕の静脈が
緑色の葉脈となってしまったのは何時のことだろう
そう
苦しみのない世界に来てしまったのだ
父が死に
母が死に
弟が死に
妹が死に
失うものはすで ....
跳び越えた水たまり花咲いている
誰だと言う指の隙間から桜
花びらを浴びて生け贄になります
「思春期」
疎ましく膨らんで
悩ましく弾けて
狂おしく奔って
暑苦しく押し黙って
思春期なのか
四月は変拍子
狼狽える前髪で
躊躇う指先で
彷徨う吐息で
蹌踉め ....
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