僕は
駅で列車を待ち受ける
サラリーマンを見ても
線路に突き落としたりはしない。
スーパーの工具売り ....
あおぞら
シーツが風に舞っている
ひとり
取り残された午後
しろい夢は
触れても何も感じえない
ただ繰り返す呼吸
紋白蝶がふわりと
青に透けて
ひらりひらり舞 ....
【さかくだり】
あの懐かしい橋を渡れば
蛙のひしめく道がある
いきものを ころさないように
体が傾むく川下にむかって
足をゆっくりと あるく
あの懐かしい橋を見下ろせば ....
点と点を線で結んだ
点と点の距離は彼方
いつの間にか近づいて
星座が浮かび上がったように
君がそこに立っていた
(二回の手拍子)
感電したかのように痙攣
静まり返った0.5秒、そ ....
{引用=片想いをしていたころ、よく浜辺に行ってわたしを砂にうめました。
潮の満ち干をかんじながら、血をながすからだをはずかしいとおもいました。
恥ずかしかったのです。ひとばんじ ....
ある夜
死んでしまつた
畳の上に食べかけの芋がころがつてゐる
その横におれがころがつてゐる
目をとぢることも
ひらくこともできない
お迎へもこない
月の光 ....
滅びという
言葉を使う失恋の
カルフォルニアより青い青空
あたいより
明るい青を空に見て
そんじゃあそれで幸せになれ
ここよりも心揺さぶる真実の
ねじ曲がる意志 ....
ぼくが居間のコタツで遊んでいると、ママが台所からやって来て
言いました。
「お外で遊んでらっしゃいな、寝てしまうわうよ。」
「嫌だよ、外は寒いから。」とぼくが答えました。
「レゴで探検隊ごっ ....
苦を重ね悲を束ねて寒を耐え
その末路散って腐った花を踏む
空高く地に果てがなく日は一輪
ブランコを揺らして哭いた木枯らしが
ただの振る舞いを その仰ぎを
何だろうこの世と
無駄を無駄と処理して
ただ風を切って 空の色をぼんやり眺め
無意識に歩きだした魂に魂を意識せず
阿呆でいい のっぺらぼうでいい
奥行きのない ....
夜道
突然何かがヘッドライトに浮かび上がった
猫だと直感した
避ける暇もなくブレーキを踏む間もなかった
瞬間、タイヤが踏んで ぐしゃり 鈍い感触があった
が
そのまま通り過ぎてしまった
....
今のあなたは、自分を否定したくなるくらい悲しいんだね。
涙も出ないくらい、つらいんだね。
でも、わたしはあなたが好きだよ。
わたしの心に、あなたが花を咲かせてくれたよ。
あなたがあなたを傷つけ ....
{引用=月の夜
時計がこわれている
わたしはおなかがすいたので
きれいなおとこの子を食べている
(妹はきたのくにで
いまではむらさきつめくさです
こおった風にゆれて ....
・・・波飛沫陸離する
バランコの寂れた海浜で・・・
海のように、
僕はあなたを崇めよう、
日光を飲み込む海のように。
空のように、
あなたを崇めよう、
隠された宇宙に包まれた ....
飾らない言葉を使って
詩を書きたかっただけ
言葉の洪水に押し流されたくはなくて
言葉の香水をこの身に纏いたいだけ
とても重要なことは
とても簡単に言うことができるから
言葉遊びいが ....
返り咲いたマレーシアのマハティールさんも
いってたけれどやっぱり戦争放棄だけは
死守せんとあかんな。
其れと非核化の徹底やろうな。
《平成》はこの意味では終わってない。
国連で核の傘 ....
五月のゆうぐれ
堤防をゆく人を塗る
黄色のエンピツをカンヅメから
選びとって
カッターナイフで
削りました
削って
削って
削り終えたら
妙に嗤っている
自 ....
霜、踏む、朝
青空をバックにしても
こころが壊れて寒いとき
こんなまんまじゃ屍人じゃないかと
泣きたくなってもこらえた見栄でも。
その夜更け。
弓張月を仰ぎ見て
心に舞う蝶、静かに回る
....
人並みに生きるって案外難しい
スプーンにいっぱい分の幸せを測るより難しい
パンひときれ分の幸せがあれば満足
それとも地球一個分なければ不満足
欲望が煮えたぎり
吹き零れそうだ
....
*
{ルビ黝=くろず}んだ緑色の風景が{ルビ錆=さ}びてゆく
流れる光の寂しい{ルビ故郷=ふるさと}の未来は
今だけ{ルビ微=かす}かにほんのりと盛り上がって
けれども
断えず推移し ....
{引用=いまひろいひろいお花畑にいます
だれもいないので寝ころんじゃいます
ぺたんこのわたしの胸に
とんぼがとまります
わたしのいきもとまります
(むかしはまきばに花をつみにきた少女を牧 ....
オガワが 拙宅に来た
相変わらずの巨体だ
顔もデカい上に 声もデカい
台風の夜の鳴り止まない雨戸の騒音のような男だ
「 キタねえ部屋だな 」
「 ....
「合掌」
時が合掌すると
測りがたき遠方の地平は白む。
赫きは天から天へ、
高く響きあふ鐘の音色。
この果てのない寺院に
しかし動くものはなにひとつない。
「透明 ....
おはよう
みどりの季節が
とても好きです
新しい顔
懐かしい顔
笑顔と同じで
世界は花であふれている
だけど
私はくるしい
失ってしまった笑顔を
私は知っている
つい昨日まではそ ....
ねぇ、明日、君がいなくなったら
世界はどうかわるんだい?
ぼくは、今、白い頁をにらみながら
ない答えを考えている
夜明けの先に
まっている、明日。
薄氷をちりばめたアパートの屋 ....
グッバイ
雲間から差し込む光が
ガラガラと大気を破壊しながら
明けて壊れてゆく
今はの極で
これまで積み上げてきたものは
皮膜のように薄くて硬質な
コンタクトレンズ
の
ように睫 ....
サイパン島にも近年、大型の台風が
来るそうである。旧日本軍の墓守を
されている方がいて、このままだと
島の地形も変わり、洞窟なども破壊
され遺骨などを守れなくなるとtv
のインタヴューで ....
長い階段をゆっくりと
転がり落ちていく乳母車には
誰も乗っていません
あなたたちが見たくないと
目をそむけたから
あの子は最初から
いなかったことにされました
だから
母の悲しみも ....
聞き取りにくい小さな呟きだったが、それは明らかに残り少ないわたしの寿命を確信させるには充分な囁きだった。
娘の笑い声に眼を覚ました。今日という日が何年の何日なのか、わたしの記憶のなかでは平成の ....
自分は日本語を話すこの地で生まれた。
この地で生きている人は生まれた
時代の《元号》を覚えている。
ただ単に誕生日を覚えるのに便利
ぐらいのことで知っている、自分
にとってはそんなもんで ....
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