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谷間に
爆撃のように空が落ちてきた
カラン、と音がして
貧しい僕らは 拾いたくて
枯葉のまえでうずくまった
捜すこと
幻視すること
かんがえることが
小虫の群れになり壁を走る
たんに叫びだった声に甦れよ、
すべてのおちぶれた動詞たちよ
波間で
花びらを
持とうとする
すごい 忘却の速さで
水のように
貴方の部屋にいた
そのことのすべてを
分かろうとするけれど
とても ....
なにか次の出来事を準備していた
裸体たちは 敢え無く 黒炭の
テクスチュアの内にほどけて
やわい鹿も
二頭ばかり居る
私 という語は ざらりとした
塗料を風に削がれて
あおい粉塵だ
詩を拒むので或いは詩を映すので
建物はこんなにもあかるい
蒲鉾型の
窓枠のむこうが 硬い冬だ
そして瞳の内壁にそって
置かれた ひそやかな暖炉に
母らしき女が辛抱強く火をくべている
うたわないディランと
自殺をしないカート・コバーン
ビー球の 転がりのなかを
夕焼けが駆け抜ける
きみにあこがれる
いつか人生に
椅子を失くす日、
....
晴れた
青い ひかりたちのなかに
つくえが 落ち葉を待っている
いりくんだ緑にはずむ
からすうりのかなしみは
朱く 苦く あまく
なんども 熟れ ....
形の整った
トートロジーを枕に
おまえはねむっていた
安普請の 階段をのぼる
ハラハラと、曙光が、火山灰のように
壁に留まる 蛾を擦って……消える
....
忘れた後、
しずかに思いだした
ひかりのように笑って
銀色の並木道を駆けていく
なめらかで黒い髪の毛
もう 振りむかず、
ひとふさの歌に ....
湿りけのある
くれないの緑の葉、
あしもとに踏みしめていく
いつの日か わたしは何故か
あなたに抱かれていた
撃たれるように
撃ちころすように
....
なにかに 置いていかれてしまった
わたしらがわたしらでなくなるまで
ひとかけのクラクションは膨らみ
小さなまま大きくなった
波を待つ肢体のような
五月蝿さ ....
かたい骨のなかの
やわらかい骨にふる
いっしゅんの雨にうたれて
街はくずれた
犬たちはしんだ
わたしがほろびた
そうして きみへの優しさが
只 ....
枯木のまえに坐り
わたしは次第にあなたになる
滲む
たくさんの色たちのように
あなたも次第にわたしになるのか
河のかげにうつろう赤茶色の葉
昼の ....
脳内で柿の実など解れた
歩道橋に立って私たちは
水を飲み 青い街の影を観る
幾つもの眼から切除された
さびしい視覚をもちいて
時折、ひとの心から
とおく離れてわたしは
砂利道に迷い出たとかげになる
枯れ葉の屑どもに隠された光の粒が
もっと大きな金色の光に攫われていくのを
わたしは見る ....
父や母 子や孫 兄や弟 姉や妹
と書いて もう私にはわからなくなった
これから一生かけて 目の前の壁だけをみていたい
しろい苔がいつまでも魂の表皮から剥がれそうにないから ....
ずっと雨がふっている
私たちは 灰色になって
果物のようにすわっている
かたい音をたてて郵便が届く
この場所に生活があるから
バイクがぬるい水を撥ねて ....
朝靄の しんとした公園で
ゆりかごが一頻り揺さぶられ
あかるい 幾つものさびしさが
同じ数のむかでに変わるまでの間
わたしたちは決して変わらないだろう
....
栗色のながい弧が
私たちの耳にふれてから
鱗雲の向うへ塗れていった
秋の街をならんで歩く
ふたり 着古した服を着
透明な壁の群をすりぬけていく
....
薔薇の花をおくるよ
ふかく悲しませたあとに
気にしないでときみは言うけど
鋭いナイフをおくるよ
歓びをわけあったあとに
面倒な人、ときみは言うけど
....
ぬるい肩ら、
いまは{ルビ抱=いだ}きあう
あたたかな那由多に
{ルビ細雪=ささめゆき}、
うす燈り
耳のなかの馬にのり
ぬるい肩、はなれていく ....
ひだかたけしさんの草野春心さんおすすめリスト
(22)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
貧しい僕ら(2024.12.09)
-
草野春心
自由詩
3*
25-1-9
虫、動詞たち
-
草野春心
自由詩
5
22-2-15
波間へ
-
草野春心
自由詩
10
20-1-26
烏瓜_3
-
草野春心
自由詩
4
18-12-23
烏瓜_2
-
草野春心
自由詩
4
18-12-23
烏瓜_1
-
草野春心
自由詩
4
18-12-23
転がり
-
草野春心
自由詩
5
18-11-20
すばらしい秋
-
草野春心
自由詩
4
18-11-17
蛾
-
草野春心
自由詩
3
18-9-30
あふれる
-
草野春心
自由詩
4
17-10-8
いつの日か
-
草野春心
自由詩
3
17-8-20
遅行
-
草野春心
自由詩
3
17-7-17
滅び
-
草野春心
自由詩
2
17-7-15
滲む
-
草野春心
自由詩
5
17-3-12
観る
-
草野春心
自由詩
2
17-3-12
砂利道
-
草野春心
自由詩
3
16-12-6
しろい苔
-
草野春心
自由詩
4
16-12-2
傘
-
草野春心
自由詩
3
16-11-19
むかで
-
草野春心
自由詩
8
16-11-19
栗色の弧
-
草野春心
自由詩
3
16-9-25
花束
-
草野春心
自由詩
4
16-9-24
nayuta
-
草野春心
自由詩
3
16-4-10
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