二人で暑いねと言って
河原まで歩いて
サイダー飲みながら
思った以上に美味しいね
とか話した
随分前のことで
空の青や瓶の透明度
それらは覚えているけれど
あなたの顔や
河原までの道 ....
カラスが鳴いてる
何処かで鳴いてる
カラスが鳴いてる
相も変わらない気味のわるい鳴き声で
カラスが鳴いてる
電線の上で鳴いてる
飛びながら鳴いてる
カラスが鳴いてる
車に轢 ....
喧嘩して
言ってはいけないホントを怒鳴り
一瞬凍ってヒビ割れた愛
襟もとに
指を這わせてみだらになれない
狐がコンと啼く指人形
なぜ逢った
思い返してももっと大好き ....
秋の空の
その
一番遠い所で
蒼く揺れていた
あこがれ
片思い
好きだった
だけど
決して
口に出して言わなかった
そばにいるだけで
よかった
それで充分
会って ....
思考 飽和状態
観念世界の住人 ノイローゼ
鳩は挙動不審 ポッポ ポッポ
ハイテンションの後は
ローテンション
疲れたら コーヒータイム
揺れる世界は黙示録
ホットドックにマ ....
秋の夕暮れ
活字食う詩人ひとり
酒を飲む
ああ旨い ああ旨いと
横になる詩人
名月が雲間から
青白く光り
ススキが風に揺れる
秋の夕暮れ
活字食う詩人ひとり
今宵何を思 ....
パッパカパッパカ
お馬が走る
パッパカパッパカ
お馬は走る
お馬とても賢そう
パッパカパッパカ
とっても元気で
人参美味しそうに
食べるお馬さん
ざあざあ
ざあざあ
雨が ....
あたたかい人も、いたよ
やさしい目をしていた
責める人も、いたけど
そんなつまらないものを
書くものはバカだぞ、と
もう、いい加減にしろよ、と
圧倒的なパワーで
わたしを諦めさせ ....
並木道のやわらかな絨毯
ざくざくと二足の靴がふみ鳴らす
転がるように進んでいく
寂しい色したフェンスの影
まるでレースみたいだった
ざわめき
小さな音が重なって騒がしく
虫と ....
けだもの
ひとの声がする
空がなく
土もない
紙の色の月がうすく照らす
このわづかな世界に
やさしく
神々しく
いつくしみ深く
ひとの声がする
《祈りなさい ....
霧のつぶが
ここらに留まっている
セイダカアワダチソウが
しっ
と立ち尽くしている
秋は秋でさみしいから
オルガンを弾く
幼き
亡き王女に寄せたこころを
いつまでも
....
きみとなにかを分け合う様に生きていたいとおもう
からっぽのカゴの自転車のままで自由を走ろう
所有することなしに生きてゆくことも良いのかもしれない
手にするものすべてはさよならをはらんでいるか ....
秋晴れの午後 カメラを下げて ぶらりと 初めての下町へ
坂を上がり 狭い路をぐるぐる ようやく辿り着いた 海に近い丘の上
タイムスリップした様な トタン屋根の集落 周囲の家は新しいのだが ....
あなたは、
寒かった?
あなたは
寂しかった?
あなたは
苦しかった?
過去を振り返って
こころのありかを「問おて」いるの?
じゃあ、
わたしは
そのあなたに、問うわ
....
寂しいとき
なにを
どうすれば
いいんだろう
むずかしい
理性や知性が
犬の役にも立たない
感情まみれの
猫の世界では
もう
只
アッハッハ
と
笑って ....
もしかしたら
ヒトの成分は
血と涙と汗だけで
てきているのかもわからない
喉が異常に渇く
「オーイお茶を」と妻に声をかけた
反応がない 無理もなかった 彼女の両の耳はイヤホーンで塞がれ ....
心、泳いでいる
風が吹いている
いたわりはことばじゃないって
心あたたまる暗示をもらったのは
悪意すべてを認めて受けて立つ
鎧のあいつから
心、泳いでいる
泥まみれの ....
あれはエロスだった
たしかに
燃える炎だった
本能が抉り出され
狂気と悪魔の虜になり
魂を食い尽くされそうになり
眠ることを忘れた
綺麗で 魅力的で
そして
やがて食べつ ....
清秋
空清しとは季語のみで
ここ数年は
雨や風の災いに心痛めたり
意味のない達弁に
うつむいてしまいたくなる
そんなことが多い
それでも
ほんとの清秋が突然にやってくると
....
あたま撫で
られて小さく嬉しくて
目をみひらいてみえないなんちゃら
愛もらい
期限つきでも笑ってる
いつ去る秋に凍えるかんちゃら
ふもとから
登って来たの ....
明るい
化物
佇んで
いる
月が
照る
夜道
街灯
白く
光る
佇んで
いる
明るい
化物
土色
の
こども
たちが
笑い
ながら
夜の
街を
....
鏡に映る自分の立ち姿にあなたの面影を重ねる。
こんな秋の夜長には。
家中の時計が鳴り響く。
おまえは時を刻んでいればよいものを。
ポーの描いた大鴉か、リヒテルの奏でるラ ....
立っている
緑の丘陵の木の下に
落ちた葉っぱが風に舞う
どこからか聴こえてくる
ギターの練習のメロディー
ほんのすこしだけ
オレンジの香りがする
どの山から舞い降りてきた ....
雨が降った夜、純粋な目で
僕はこの街の水底を覗き込む
難しいネットの海の泳ぎ方
自由すぎて、
なんでもいえそうだった
だれの願いが叶うのだろう?
だれかの願いは
叶って ....
音階の果て
蓬の碧
海の藍
空いている台(うてな)
ユニコーン
あなたの後ろ
自在なる
六観音
こいつ分かってるじゃねえか
本能なのか
統計なのか
確率なのか
こいつ分かってるじゃねえか
いじらしい
可憐な花が
崖っぷちで
海からの
風に ....
わたし 娘だった頃 夜歩くのが好きだった
公園の木に挨拶し
のみならずこっそり名をつけて
木の肌に手を押し当てては
そっと名前を呼びかけた
誰もいない真夜中ならば
抱きしめたりもした ....
おくびょうなこころ
ふるえる
ふるえる
いたみとかなしみ
つくろえない
とりつくろえば
道化師のようで
なぜかかなしい
わたしの居場所はない
おそろしくて
はずかしくて ....
一人の女の人のお腹の中に10ヶ月と余りを滞在した
そこから出るまでの間に
私は
何度蹴っただろう
彼女のお腹を
胎児の足で
宿借りの分際で
でも
私が蹴る度に
彼女は自分のお ....
あの日
ポプラはたたずみ
欅は足早に歩いていた
ヤマボウシは落ち着きなく
楠は泣いていた
私は山に向かう
晴れの日に
桜が死んだ
歌う鳥は
誰もいなかった
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