日射しはキツイが
風は涼しい
もう夏も終わる
哀しみが深ければ深い程
喜びは大きい
いっそのこと大声で泣くことができたら
あとはさっぱりするかも知れない
もうすぐ夏も終わる
蝉時雨 ....
あの青い森のなかで、鳥達は囁き、
微かな木漏れ日がさしこむ時、
ふいに蝶が風に揺られ
木々から滴る水は
ぽたぽたと地面に円を描いていた。
水槽の中の海月のように、
ゆらゆらと揺れ ....
二〇二一年四月一日 「時のいたみ」
ロマンティック時間SF傑作選『時の娘』の5作目は、バート・k・ファイラーの「時のいたみ」10年の歳月をかけて時間旅行したのだが、それがあまり役に立たなか ....
あ・だむを、つくりました。
あ・かねで、ころしました。
あ・りすが、とりをやいてる。
あ・もんが、ひとをたべてる。
あと・むと、ばはなりました。
モササウルスに喰われた記憶なのか、
中生代にも自分という現象は何らかの、
身体をもってそれに賭したのだろうか…
二〇二一年三月一日 「生きていた火星人」
ロバート・シルヴァーバーグの『生きていた火星人』を読み終わった。火星人が生きていたことがわかったところで、物語は終わる。主人公の10歳の少年と9歳 ....
舶来産のまがいもの、これ幸いとばかり抱え込み
国を挙げてのばら撒きショー、さながら非加熱製剤のごとく
テレビプログラムで胡散臭い、司会者と博士のプロパガンダ
いかに安全で素晴らしいものか ....
朝から蝸牛に じーじー
せみ時雨
けだるさに ぼーぼー
しょげかえる
…一雨ほしいな
撫でてみようか
なつ時雨
まばゆい夏制服の午後をも
陽はゆっくりと、やがては暮れ
あれほどまでに心の通じた学友とも
いつの間にか、もう間に合わず
酷暑の中、日傘もささずにこの村を歩く者がいる。
正午の鐘が鳴る。
家々の窓は固く閉ざされている。
黒いマントを纏ったこの男は、片手にステッキを持ち、長い石畳の坂を上ってゆく。
....
おかえり
やってくるものたちよ
君らのことは
昔から知っていた
真っ赤な顔して
小さな手足をぐーぱーしていたころから
思えばそのころ
宇宙のすべてを知っていたはず
だんだん忘れたわけな ....
二〇二一年二月一日 「ルミナス」
『90年代SF傑作選』下巻の8作目は、グレッグ・イーガンの「ルミナス」数学の話で、なんのことについて書かれてあるのかはわからなかったが、小説を読む楽しみはあ ....
そして私は
静かに
狂う
小径で すぅと
鬼やんまとすれちがう
ありがとうが
口ぐせの私だが、
礼も過ぎれば
無礼になる
それでもさ
誰もいない
林の陰で ....
あなたの
ありがとうに
ありがとうさま。
あなたと
会えて良かった
涙雨
さあさあと降る
私
さようならは
言えないまま
雨は上がり
ウマオイの
すいっ ....
病室の窓から
夜の空を見つめる
何もない
何も起こらない
ただ黒いだけの空を
病院の灯りが反射するなかを
幻想の円盤が立ち止まる
意味ありげに
知性を持つもののように
私にその姿を見 ....
バイエルの教本の新しいまま
ピアノを辞めてしまった日の夜か
右手、指番号の1番2番にて
恐る恐る、亀頭の皮を剥いたのは
いまとなっては
最大のチャンス
「下関名物毒フグ」で
ウラジミールを
暗殺しちゃえば
核武装なんて
物騒なはなしも
なかったろうにね
ついでに
街頭演説なんて
するときには
....
二〇二一年一月一日 「わが愛しき娘たちよ」
『80年代SF傑作選』上巻の4作目は、コニー・ウィリスの「わが愛しき娘たちよ」女子寮にいる女の子が主人公。そのモノローグで語られる話がちっともおも ....
夜を越えてぼくらは生きてきた
いくつもの世界をたずさえながら
時を言葉に変換してやっと生きてきた
ぼくの笹舟は銀河のどのあたりまでゆくのでしょう
ぼくは僕であることが面倒くさくなって
....
精神が折れている
水道のカランの水漏れを修理するのを
交換の必要な内弁と
修理の為の工具を買ってきてから
二週間以上も先延ばしにしてしまった
確としたやる気が起こらない
明日野郎はバカ野郎 ....
指に指の毛が生えていること
永いあいだ、すっかり忘れていた
まだ僕に夢も希望もあったころ
いつかの祖父らと田植えをしたのに
チーズ
雪解け
かりんとう
未舗装の砂利道の上、うろ覚えの英語でルー・リードのWalk on the wild sideを口ずさもうとするんだけれど、あらぬ方向へ跳ね回ってどうにも様にならない
緩んだままのスニーカーの靴紐 ....
目をつむり
こころの
闇を見つめると
聞こえてくる
光もある
どこを見るともなく
宙を
ぼんやりと
見ている時がある
どこかのここで
宇宙が生まれてからずっ ....
人間は一人立つ余地があればいきてゆけるものだ
人間は愛するものをうしないつづけてつよくなれる
だれもふりむかない路地裏の暗闇のなかに人生があったり
戦場を迎える兵士は誰に誕生日を祝ってもらえ ....
二〇二〇年十三月一日 「学園紛争」
ぼくは同志社大学の1980年度生だ。1980年度に入学したって話だけど、ぼくの大学一回生の後期の授業は、学園封鎖で潰れた。後期テストはレポート試験だった ....
その人の思い通りに
ならないからって、
私が気に病むことはない。
遠雷
今日も私を生きる
いろいろと会話したら、
他の存在のために七割位
自分のために三割位の
力などを注ご ....
さんがつに
ひさびさ
にほんのつちを
ふみしめた
あなたは
とてもあたたかかった
いっしょに
ふとんに
はいっていると
ゆたんぽつかおう
なんて
おもいもしない
だから
そ ....
いろんな事が
次第に
しまわれていく
いろんな事が
くすんで
薄まっていく
病むこと
悩むこと
立つこと
断ちきること
見ること
省みること
言葉を ....
もしもの時も
何とかなるよ
だめな時はだめになるだけ
だけど終りが来るまでは
またね
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
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