夜のとばりに彼女は歌う
恋人と喧嘩をした日は
シャンソンを
雨の降る日は
バラードを
街明かりも遠い川岸で
風に吹かれて歌を歌う
彼女は時々サックスを吹く
声のトーンに似た音色
....
目の前のものを見ていようと思う
目の前のものを見ていたいと思う
見ていたいと思いながら見れていないと思う
そうして気付く
必要なものほど遠くにあると思いたかったことを
そうして気付く
遠く ....
空は何色?
君にたずねる私は幼い頃をおもい出していた
今は青色だね。
暗くなると黒色だよ。
率直な感性がすこし眩しくて
私のこころがほぐれていく気がした
....
詩のことを考えながら
エアコンのファンを掃除
ファンの羽根に手が届かない
割り箸でちまちま
カビがぽろぽろ
夏は皿洗いが楽しいとされる
水遊びみたいという理由
明日は分かりにくい詩を ....
ちいさく頷きながら君が去ってゆく夢を見た
現実はそう変わらなくてなにもたくらみは仕掛けられてはいない
年老いた少女はいつも夢の花をアレンジメントしているのだろう
丘の上の孤独な愚か者はさらに ....
空に落ちて行きながら君の夢を見ている。
「あなたもちゃんと笑って生きるのよ」
君はそう言ってかなしく笑った。
さようならが嫌いな少年は無言で下を見る。
どんな本でも ....
調子の悪い日が続いて
隠しきれなくなる
心が悲鳴をあげて出口を求めている
抑え込まれた感情の嵐が 出口を求めて叫んでる
作り笑いもできやしない
今すぐ魔法の薬を飲んで
お布団の中に逃げ出し ....
いつもの公園で待ってるから
ガラクタみたいな行進曲
ツギハギだらけの人生だ
くるまに轢かれてもラチられても
なんともならなくたって
なんとかなったって
悪意しかない ....
栗おこわ祝いの膳や敬老日
柿食べて今年の秋よこんにちは
野分晴銀杏拾いの人集う
臭うから踏むのはやめて銀杏の実
避けながら歩くのキツいからいっそ銀杏拾いかな
うろこ雲恋しやしふねき残暑去れ
....
それは自然淘汰、群れを成していた僕たちが、気性の荒い一匹のおれに住みかを奪われ、そのおれは省みるに主人公などでは決してなかった人生、謙虚に生きなければならぬと道を譲り、 そのうち私になり、そもそも自我 ....
雨の匂いに誘われて
傘もささずに外に出る
空を仰いだ瞳には
雨の涙が降り注ぐ
雨音のリズムに誘われて
身体が勝手に踊り出す
靴を脱ぎ棄て アスファルトの上
裸足でダンス ダンス ダン ....
数をかぞえて川まで来たよ
回転木馬は考える
きみはガリガリ苦しくて
きっと神さま軽蔑だ
かんざし付けた観光ガール
カード片手にガイドする
こちらにござるは金華山
来る日も来る日も ....
うまくいかないことばかり
悩んだり 愚痴ったり
戸惑ったり
なさけないけど
こんなもんさ
今夜も酒のんで
よっぱらって
憂さ晴らしてる
まあいいっか
愛する家族に ....
テンションの上がらない朝
何をやっても上手くいかない
ルーチンワークを片付けるのも面倒くさくて
気乗りがしないまま時間だけが過ぎる
心臓の鼓動も聞こえない
ビートが足りない
ビートが足 ....
少し広めのベッド1つ。
どこかの旅先。2人の初めて。
2人のひみつ、分かち合って
それは、とてもとても
変な別れ歌。
と寒い波にさらわれた、
始まりに(しずく)が
落ちたら、堕ちてい ....
いくつかのブラックホールを超えて
僕の船は宇宙を漂っている
星はきらっと輝いたかと思えば
それは一瞬のきらめきであり
あとは黄銅色の鉱石が漂う空間だった
宇宙に風はないというが
少しだけ風 ....
味噌ラーメンには
ウィンナーとナスが入っていた
土曜日の昼餉に
私はシークァーサーの枝が
伸びに伸び
増えて行った葉も
揚羽蝶の幼虫に
大半は食われてしまったと
思い知らされた
コー ....
フローレンスは白い陶磁器
なんと滑らかな白い肌
すぼめた唇は赤い苺
さらさら流れる黒い髪
愛しい 愛しい フローレンス
フローレンスは甘え上手
喜ぶ姿を見るためなら
いとも簡単に愚か ....
1人では決められない優柔不断な彼女は
そんな自分に嫌気が差して
不機嫌な顔で黙り込む
サイズの合わない靴でダンスをするから
優雅には見えないステップを踏んで
足はボロボロ
断ればいいのに断 ....
強い光は孤独だろう
強い光はまわりを焼き尽くす
強い光は頑張ってる
ひとは思い通りにはならない
だけどひととしか生きていけない
無人島で生きるのも味気ない
....
{引用= The Evening Prayer}
だんだんみじかくなる
{ルビ滴=しづく}よりも
もうきこえません
うけとつてく ....
いつも混んでいる待合室
予約時間はとっくに過ぎて
いったい何時間待ちだろう
いい加減疲れた頃に名前を呼ばれる
挨拶もそこそこに
現状維持が出来ているなら
いつものお薬出しておきます
はい ....
苛立ちはマーブル模様
切り取って星の形を作ってみる
残った苛立ちをひとまとめにして
今度は三日月の形を作ってみる
想像力を働かせて
テンションは高めに
苛立ちをまとめて
好きな形に切 ....
テロリストが何か言ってる
大声で喚いてる
何を言っているのか
理解できないけれど
許されることじゃないよね
テロリストによって
何の罪もない命が奪われ
世界は恐怖に震えてる
平和な ....
無知者には憐れみすら与えられない
たとえばシンポジウムの場で
松岡正剛にダメ出しされたり
生まれる前から決まっている
救われないことが決まっているのだ
三一論的に
....
朝一番の太陽が部屋を黄色く染め上がる
眩しさに眩暈を覚えながら
コーヒーをいれる
簡素な朝食
これが孤独の始まりの儀式
誰も振り向いてくれないのは
自分のことで精一杯だから
余裕がな ....
画家になりたいって言ったら
馬鹿にされた
詩人になりたいと言ったら
嘲笑された
それでも下手くそなりに
詩を書いて暮らしてる
なりたい自分は見つからないけど
詩を書く自由は手に入れた
静かに静かに雨が降る
私の中にも雨が降る
しとしとしとしと
しとしとしとしと
塗れた体は冷え切って
髪から落ちる水滴が
場違いなリズムを刻んでる
バスタオルにくるまって
ほんの ....
まだインパールやガダルカナルみたいなことやってる俺たち
アメリカから見れば日本列島すべてが要衝だ
べつに沖縄だけが地政学的に要衝であるわけではないのに
あの基地の多さ大きさを放ってお ....
シンセサイザーに蜂蜜を塗りながら
いろいろと申し込む
雨も降って来たから
タートルズに写真を現像しに行った
星々が行く天球の下
みなしごハッチになっても
肘を汚しても
大きさを比較しなが ....
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