あなたは世界をかくすほどの傘をさして
しのび足のような雨のなかを歩いている
ひらひらするくるぶしまでのスカートはすこしだけ濡れて
きれいにふちどられたショートケーキのようだ

つばめは果 ....
夕刻のアパートで青年は自らの胸板にニスを塗る。
それを急いで乾かし、稼ぎのために夜へと出掛ける。
つきあかりに
しろい骨をならべた
おし黙っている

伐りきりと
張りつめた鋼の向こう側で
黒鍵がひびく
弔うことも
ながれるように
仕舞って血はあおく
冷めたまま、ほほを伝う

 ....
真っ白な正方形の紙の真ん中に
万年筆で花、と書いた

そうすると花という字が
何もない所から颯爽と現れたように見えるが
よく見ると白という空白に押し出された
花という字の形をした
歪みの ....
気楽に生きられない性分です
なぜなのだろう
こんがらがった感情を見つめている

楽にリラックスして
くたびれた躰をいたわったり
細胞の隅々に油を足してみたりして
ほんのひと手間で楽になる ....
電飾が外された夜に
一層輝くイルミネーションが
虚実入り混じる世界に
一つの答えを教える

冷えきった世界を精一杯に彩り
幸福を志した夜は過去のこと

暖色の光に温められたつぼみは
 ....
兎色の
小鉢にヌタ
白みそに
いかと
わけぎとを
あえた
もの
味見の
母の手が
ぴょんと
わらう
今日のぼくは
地獄に居るみたいだよ
でも、
地獄ってのが、天国の手前にあるとしたら
ちょっぴり希望が沸くよね
問題は、
地図がないってことだろ?
だからさ、
散歩みたいなものだよ
人 ....
ある朝
目が覚めたら
周囲の環境はがらんとしていた

それで
まばたきした
耳をすませた
火がついたように泣き出してみた

その時布団の上に寝ていた私は
明らかに幼い子供だった
 ....
「今日から
ここで
空手を習います
それはとても
辛いことでした
私の中で整理したことは
たくさんあります
言葉を述べることが辛くなりました
そうしてたくさんの花冠を
君の頭に戴冠さ ....
涅槃にはいけない
ただの凡人だから

命は尽きるのであって
けして
滅びるんじゃないと思ってる

どんなに崇拝しても
神の側にはいけない

でも
死んだら
誰だって
仏にはな ....
きみの空にはいくつもの風がながれ
きみの血流はいくすじかの未来につながっている

まいにちは規定された演技をたずさえて
きみをいざなってゆくちょっとだけ厳しい教室

でもさ きみの壁をとり ....
このやるせない 怒りは
この俺の やるせない怒りは
伝染病の恐怖の 最中にあってさえ
執拗に くりかえされる
社会病理に向けられている
理性の壁など いとも単純に破壊し
ものやかねに群 ....
御簾をあげてください
ああ桃の花が咲いている
今日の風はいい匂い
あしたは庭に行けるかしら
もう一年も経ってしまった
夢を見た人形と遊ぶ夢を
紙雛が私を囲んで笑っていた
病は治るよと ....
寒い窓みとったら
みとったばかりの
顔が浮かんでくる
ずる ずる
おうどん おいしいかぁ
ええ音だして
ずる ずる
いわせやんなあかんで
泣く子も
泣き止み
すう すう
寝入 ....
星々が名のない列車に乗ってゆく
それを透明な駅員だけが見送る
自分たちがどこへゆくのかもわからないまま
疑問さえも忘れて

月明かりというのは
死んだ星の遺言だよ

誰かがそう言った
 ....
灰色の空を見上げて
最後の雨を待ち続ける間に
きっとアタシたちの歴史は
色褪せてしまうのだろう

気がつけば無音になった街で
みんな空だけを見ている
鳥の瞳で、犬の瞳で、猫の瞳で、
( ....
ま〜えに、ある(尊敬するに足る、ホンモノの)詩人さんに褒めてもらった(?)言葉に、(詩想が)『無尽蔵』ってのがあって。
そんな、無尽蔵だなんて人間、いるわけないじゃん、とか思いながら、詩を書いてきた ....
 
 
水に濡れたまま
雨にうたれている
妻が傘の下からタオルをくれる
いくら拭いても
濡れタオルだけが増えていく
妻は可愛い人
こんな時でも傘には入れてくれない
濡れタオル屋でもや ....
青いタイル張りの
浴室で
貼り付けた鏡は不可逆にまで曇り
あたしの顔が見えなくて
泣いているのか
笑いをこらえているのかも
わからない
灰色がたちこめる世界だ

湯をかけてや ....
亡骸の幻影を抱いて
流木の間を
記憶を縫い取るように歩く

靴底を受け止める
砂浜の感触は優しく
けれど
優しさというのは
時折
無関心と同じで

巡回機のようなカモメたち
薄 ....
直観を疑うとき そういうときには 必然的に
他人任せの あやふやなデータや あやしい話に
乗せられているのが わかっている自分が
よく見えている自分が 自分に見えるときがある

古本屋の ....
無音の暗闇
五感の皆無
呼吸も鼓動もなく
思考だけが生きている

身体も
脳さえ物質

いま
物質の有る世界とは
別の次元にあって
質量のない
電位だけが走ってる

 ....
柔らかな薄桃色の掛布団
夕暮れの雲に覆われた空
真っ白なシーツをふわりとまとう敷布団
おやすみなさい
積み上げられた徒労を包み
疲れた笑いを
しずかにほどいて
瞼を透かす朝のことなど
 ....
とても良い朝には
きみに電話をして

かわいい化け物の話とか
食べきれないピザの大きさなんかを
評論してみたいんだ

ときどき売りにゆく
柱時計がボーンと鳴り

寺山修司が競馬新聞 ....
((蒼穹を飛んでみせてよ))

    ((そんなのいやだ))


((どうして?))

      ((だって、「蒼穹」なんていう言葉は古すぎるもん))

 ((じゃあ、「青い空」 ....
凍りながらかけてゆく
つま先の音が
まぶたの裏でひかっている
薄むらさきの血液が花を
さかせていた
降ってはかえる雪の
野は
斑にはるをくちずさみ
ついになった色から透けてゆく
した ....
瞬きのように
古い明かりが
点滅を始めて
一日のおわりの
非常信号みたいに

すべての支度は終わった
あとは眠るだけ
眠りなどしないだろう
往生際は悪いほうが潔い
ほんとうに美徳と ....
日曜日の午後に雨に濡れていた
雨が滲み込んでいく土地は
いつしかインフラ工事も終わり
街が産み落とされようとしている

興奮と鎮静の狭間で理性を失うことは身体に良くない
すこし海の底まで堕 ....
学校の教科書には書いてなかった事が
この社会にはふんだんに転がしてあって

それを意図的に転がしているのは
先に社会を歩いている大人たちでした

自分が足を躓かされたからという理由で
後 ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(8290)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の日、うつくしい使者と- ホロウ・ ...自由詩8*20-3-1
ニス- クーヘン自由詩1*20-3-1
羊たちの夜- むぎのよ ...自由詩120-2-29
- きみのて ...自由詩220-2-29
しょうがない- あおいみ ...自由詩7*20-2-29
三月のイルミネーション- TwoRivers自由詩8*20-2-29
ヌタ- ナンモナ ...自由詩7*20-2-29
散歩- たま自由詩320-2-29
目が覚めたら- こたきひ ...自由詩320-2-29
花の支度- 這 いず ...自由詩320-2-28
彼岸- こたきひ ...自由詩220-2-25
教室- 梅昆布茶自由詩720-2-25
良識を取り戻せ- ナンモナ ...自由詩4*20-2-24
桃の節句- 丘白月自由詩2*20-2-24
うどん修行- ナンモナ ...自由詩13*20-2-23
名のない列車- きみのて ...自由詩620-2-23
最後の雨を待ってる- もとこ自由詩9*20-2-23
ごめん。私、『無尽蔵』なもので。- 秋葉竹散文(批評 ...120-2-22
濡れタオル屋- たもつ自由詩13*20-2-21
浴室の鏡- 秋葉竹自由詩520-2-21
今夜、この砂浜に座って- ホロウ・ ...自由詩6*20-2-20
充足的な理由- ナンモナ ...自由詩3*20-2-20
生きる- シホ.N自由詩120-2-20
空を突き刺す魔女の箒のような裸の並木- Lucy自由詩8*20-2-19
あさ- 梅昆布茶自由詩12*20-2-18
蒼穹(青)- 大町綾音自由詩5*20-2-17
pinhole__fish- むぎのよ ...自由詩9*20-2-16
アラウンドアバウトミッドナイト- ホロウ・ ...自由詩4*20-2-16
なんて考えてる- あおいみ ...自由詩320-2-16
学校の教科書には- こたきひ ...自由詩120-2-16

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