鏡合わせというけれど
人は鏡合わせ
納得いかず ひとり ぽつんと目を細める
素直に幽体離脱しているかの如く 自分を見るんだ
魂に名前をつけて 空が紺色のところまで行くんだ
私は怒り ....
生結晶の鏡面に反転写するゾーエー
黄昏どきの海と空に黄金のビオス
アナトミーとして天使の羽を嗤うプシュケー
伝染病なんて死語かと思っていたのに
ドラキュラのごとく復活してしまった
復興五輪と名打ちながら
一向にフクシマの復興は見えてこない
株価は下がり続け
日銀の異次元金融政策は破綻す ....
眠れぬ夜に
月から地球を眺めて俯瞰した
私は強かった
まだ今も人間であるが 愛に飢えているのか
錆を吐き出せず 溢れている 磁気も強烈に
男と女の創りの誤差如きに 己で己の ....
窓の外は春らしい春の日
郵便配達員などもいつもの時間どおり
うちの中では冬を生き延びた一匹のハエがお試しフライト
楽しそうだ
でもあまりはしゃぎすぎるとウィルスにやられるかもね ....
厳しい夏の終わり
ずぶ濡れで見上げた黒雲が
不意に吹き散らされ
見る間に西日に
真っ直ぐ照らし出された
濡れて光る道の先に
垂直に
虹
誰かへ知らせよ
バッハのポリフォニー
....
スペースコロニーの波に乗って 見上げている
この星だけが生きている訳ではない 知っているよね
宇宙に一粒 私の一本線 神経の経由
死を迎える前に見てみたい 価値を置く最上段からの景色
人 ....
夕暮れの柳新田
家路の車窓から
不意に
更地になって
更地になった場所に気づく
確かに低木を植えた
黒板塀の民家か何かが
あったのだが
家路を辿る人たちを見て
娘がたどたどしく言 ....
こんな春
まとまった
雨が降った
そう 無人
静かに墓石を掘り起こしに
目やにが
重ね合わさって
混ざりあって
黄色い洗面器に
雨だれ すくって
....
午後が落ちている
歩くのに疲れて
坂道を歩く
人だと思う
エンジンの音
やまない雨の音
降り積もる
昔みたいに
曜日のない暦
夏の数日
確かに生きた
覚えたての呼吸で
....
人間なんて
生まれりゃ 死んじまうわけだし
今更うろたえてもしょうがない
旧式だの 新型だの
湯沸し器でもあるまいに
見よ
ぶた食い野郎らであっても
....
口だけじゃんと言われても、何度も、何度でも
1
祈りを忘れてしまう夜がいくつもあります
誰かが亡くなったことを耳にしない日はないというのに
ハンバーガーを食べながら
我が ....
窓のカギが開けられると
蜂が入って来た
村一番の美人である
グドルーンは
普段はスライディングタックルを
決めて男を倒してから
アド(広告)ばかり出していたのだが
今日は違った
蜂が入 ....
空にぶちまけられたビタミン剤の
人工的な着色がキレイでキモい
今年のトレンドは太陽の皮膜で
詩人なら必ずネタにしないとね
偽りの価値観が崩れたあの日は
テーマとしては申し分なかったの
....
人生の負け犬も
人生の勝ち犬も
最期は一緒だよ
ダスターシュートに落とされて
焼却炉まで運ばれて
燃やされるのさ
果たして俺はどっちだよ
負け犬か
勝ち犬か
人生の負け犬 ....
月見さんのお葬式に行くために
月見さんと一緒にいる
彼女はただ薄目で虚空を見つめながら
静かに手をのばしている
僕は凪いでいる
泣いてはいない
晴れてもいない
月見さんのお葬式に ....
騒々しい球体がずっと頭蓋骨のあちこちを転がり続けているみたいな目覚め、ふやけた景色が見覚えのあるものに戻るまで起きていないふりをして憂鬱をやり過ごし、生存確認のような慎重さで身体を起こし気温の低さ ....
この狂った騒ぎが終わったら
君を港区にある物流博物館に
連れていこう
正体の見えないウィルスで
恐怖に駆られた人達が
狂ったようにトイレットペーパーを
買いあさるドラッグストア
「工場に ....
過ぎてゆく疾風が眼を切った冬、春を信じてただ走る君
見られるのが嫌だなんて言わないで正しい片恋なんて知らない
あの雪で転んで笑われやけくそで手渡したチョコでも想いは ....
たぶん自分は「ある」物ではなくて、「いる」者にすぎない。
いま・現れている世界は、ただ・「そう」慣れ親しんでいると、
自分の知に基づいた、ただ「そうだ」と思い込んでいるだけの世界にすぎない。
....
なぜ、
必要なものこそ
この手に入らないのだろうと
真夜中、
血走った眼から
絶望を垂れ流しながら
いつも
わたしの中に
手前勝手な
愛情だけが残る。
さみしかなんか
....
私は何者此処は何処
私の存在理由
私の正体
それを聞きたい
確かめたいのは此方だ
何てったって
誰も招待していない
かってに来るな
迷惑この上ない
さっさとあっちに行け
....
{引用=(*昨年書いて現フォに投稿せず忘れていたもの。アーカイブ目的で投稿。石村)
}
しつこい梅雨が明け
夏がはじまつた
はず であるのだが
ひさびさに傘を持たずに
散歩なん ....
里山の風景
置いてきたもの
忘れたつもりの
うろこ雲
世界は
えまるじょん
溶けるものと
溶けないものと
愛したものと
愛したもので
愛するこの世を
生きてゆけ
....
風にしたがう
空にかしずく
夜によりそう
日にひらかれる
そうして青山を
求めて歩く
それはおそらく
至るところにある
青山に立つことは
眠りか覚醒か
....
天体望遠鏡で垣間見る宇宙は逆さまで
ときどきのぞくだれかの素顔に似ている
必要のない事と
必要があってもままならない逆さまが
混在している毎日が好きです
僕たちの情報はトイレ ....
さいきん気づいたことに、
この部屋のちっちゃな冷蔵庫は、
ぼくのビールよりも君の野菜ジュースで
埋め尽くされている。
バルコニーのおっきな金魚の風船も、
ゆらゆら揺れているけ ....
揺らぐ感情も理性も
鼻歌でかき消された夜
音量を絞るほどに
主張は心に傷をつける
カーテンを閉めても
光は朝は告げるから
今夜は白湯で乾杯しよう
酔いが回れば
世界も私もど ....
そういえば
この土地に海はないのですね
水平線に沈む夕陽は遠い記憶のかなた
フリージアの花もストレチアの花も咲いていないのですね
トコブシは今でも獲れるのでしょうか
塩焼き、味噌漬け、煮付け ....
仕事で疲れ果てて休みを取った日、君は仕事に出かけ、そのまま遠くの病院に行き実家に泊まってくる予定だ。僕は仕事からも君からも離れて、独身の頃のようにワープロソフトを開いている。人生は端的に切ない。そこに ....
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