ころころ、ころころ
肌触りの悪い紙に包まれて
ずいぶんと劣悪な道を転がされて
半年を終えました
半分寝ているような覚醒しているような
まるで白夜のようでした
作業所のピノキオたちは寝静 ....
人も時代も変わっていく
私は無常を越える
常住の法を求めて旅をする
哀しみも苦しみも幾年月
最も苦しかった日々は
最も輝いた日々だと感謝する
人も時代も変わっていく
私は無常を越 ....
今夜は独りウオッカをあおっている
他に客はいない
棚に飾られた真鍮の潜水ヘルメットを眺めながら
海の歌をくちずさむ
ララル ラララルララ~ ラララ…
何時だったか
黒いドレスに赤い ....
まどろむ君のてのひらに
ワイン色のガーネットの大粒をそっと転がした
ぼくたちの明日はどうなるのか占う
危うい…
ぼくたちの関係はとても微妙で
紙一枚でやっと繋がっている
君 ....
はじまりのおしまいのはじまりのおしまいのは(じ)まりのゆくえ、わかりませんとか云わないで
ゆくえ稜線のかなたまで染まってゆく、葉緑体のベンゼン環おしまいのは(じ)まりへ
まりみたいな月はど ....
棚田見て昔の人の努力知る高い場所から見れば絶景
プロ野球感動的な試合続く選手たちの自信のプレー
缶詰が美味しくなったと母は言う昔のことをしみじみ語る
地図を見てその街を知り興味湧く地 ....
空気が
しびれて
蒼く透けた色を
している
夕方の私と
鏡よ鏡よ鏡さん、この世でいちばんの愚者はだぁれ?
鏡よ鏡よ、この世で一番の愚者は、その質問をする者かもしれませんね。
ありがとう。おやすみ。
おやすみなさい。良い夢を。
今夜は君の言葉が妙に沁みる
何時も暖かかったり
冷たかったり
眠れないぼくは
あっちに行ったり
こっちを行ったり
何時も君は
ぼくの部屋にルビーのピアスを置いてゆく
無口な ....
東の風が吹いていた
醤油工場から醪(もろみ)の匂いが漂う路地
ぼくはスニーカーの紐を堅く締め直し
重いザックを背負い直した
遠くに行ってしまう前に白い灯台を訪れたかったのだ
乗客は三人だ ....
──おいでなさい。よい星回りです。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳、罫線加筆)
畳の湿気った奥座敷、御仏壇を前にして、どっかと鎮座する巨大なイソギンチャク。
(座布 ....
#WHO(フー)
聖樹になり仰せた大木も
世代交代の意味を知り
朽ちても若木の行く末を
あんじては身を粉にして
樹木は時代を乗り越えてきたの
世界樹があればいいのに
成人にも ....
北斗七星が傾いて 絵葉書をこぼす
ひらりと指でうけとめる なつかしい君のことば
仙女の写真にうすく 桃の果汁の染み
あいかわらずの筆跡に 白い歯を思いだす
君よりずいぶん遅くに 僕は生まれ ....
・遠く
離れたままで
わたしたち
白い季節を一まい隔てた
(冬の華は六角形に受粉する
その周りを
星の子どもたちが手をつないで
ぐるぐると回りながら
白を蘇生させようとしている
(か ....
光と闇
有と無
生と死
男と女
出会いと別れ
プラスとマイナス
それらは刹那と那由多に螺旋を描き宙を舞う
遠い過去から遠い未来まで
縁は空の先まで永遠に続いて往く
今頃お ....
青空が大好きだ
遠い
色なのに
近しい
さびしみ
静かな夜に独り酒をあおり
訳のわからぬ経を読み
華を散らし
伽羅を焚いた
想い人に手向ける夜だ
今となっては届かない俺の声は夜空に消えてゆく
あの時
こうあれば
ああすれば良かった ....
寒風、
常緑樹の生垣が吐く
銀白と やがて溶け
やさしげに揺れる
山茶花
気温が高い
紅葉しているけれど
ゆっくり紅葉している
そこまで厚着しなくても
快適に過ごせている
冬の入口が見える
もうすぐ気温が下がり
寒さがやってくる
紅葉の眩しいぐら ....
雨の子になってみたいな 魂が渇くことなく笑えるでしょう
レインツリー 逃げ込んだなら枝の下 母に似た君に会える気がする
さぼてんが奏でる音色レインスティック 何かと問う声ふるえは止まず
....
草紅葉の
風色を
みつめる
ほほ笑みのかげりは
遠いこの横顔
これでいいのだ
と
言えばぶっ飛ばされそうな
木枯らしが吹く
秋の夕
僕は掛け値なしに
いいやつだった
それを知れただけで
俺たちは
満足なんだ
でも生活の問題は
据え置 ....
農園を好んで巡る生徒たち農業学ぶ鋭い視線
真夜中の静かな時間を満喫し眠れなくなり朝焼けを見る
お土産をどれにしようか悩み中良いもばかり旅先の宿
良い宿と言われていても温泉も料理もイマ ....
無化した言葉は理解しやすい。
だがその本意はほとんどわからない。
本の中には、見る本もあれば、読む本もある。
なんだかねむたくなる。
柔らかなフランスパンをはんでいる歯茎のここちよ ....
乾いた大気
緋色砕けて心臓響く
天上は真夏
大柳
烟り散る冬の湖面
少年は待っていた。
雨が降っている。
少年は待っていた。
雨が降っている。
少年は待っていた。
男は来なかった。
少年は待っていた。
雨が降っている。
少年は待って ....
アフターダーク 影は踊るよ
張り詰めた宙 小声で歌うよ
月 星 現れ 宇宙 火花 生まれ
暗くなってゆく 本当の内証…
天高く月が昇ります 白銀の女王よ
夜の風景に溶けてゆく呪 ....
鍵をなくして
座礁した無人島の浜辺から少しせりだした夕日の淵で
釣りをするたびに地球を釣ってしまい
きれた糸の先に針をつけて
昨夜捕まえた痩せた月を餌に
じっと
新月を待っているような
....
「食卓」
サラダの皿の色どりに
執着しつつ
缶ビール グラス注げば
勤めの愚痴がついと出る
貴方との白いテーブル
「霧の朝」
冬が来て
裸木ば ....
退廃的な茶色い風景は一掃され、どこも白いベールに覆われている。嘘のような本当の話、のような風景がある。
雪にまつわること。たくさんあり過ぎて語れないほど。雪を心待ちした青年期、悩まされた中年 ....
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