なにか寂しく思ったら
あははと笑っておきましょう
いまこのときは荒れ狂う 心の波は高くとも
5秒後もたてば気付くのさ 笑って済ませた幸せに
街を漂う 水蒸気
誰か ....
暗い道を
歩いている時に
出会えた
光は
あたたかいやさしさ
・
日なたぼこ
ぽかぽか
お日さまありがとう
いのちが
よろこぶ
表皮を焼くような冬の陽射しの下で蛇玉のようにうろついた焦燥は冷蔵庫の中で鎮魂歌を求める、その下の段で賞味期限を数日過ぎたグラタンが世界を呪いながら変色していく、何も食べたくないと思いながらボ・ディ ....
季節は関係なく
よくいつもの丘に来る
私を待っているかのよう
冷たい風さえも
心地良い風に感じる
あまり都会ではない
自然が多くて
眺めていると楽しい
雪は降らない
今年 ....
ことしは喪中はがきが多い
きょう、八通目が届いた
古い友人
映さん、七三才
わたしの姉と同い年なのに
映さんの本名は、恵子だという
知らなかった
詩友とはペンネームでのお付き合いだか ....
楽しめ 味わえ
と いのちが
ささやいています
毎日が初めての
いのちだから
深緑の
葉は
光を
反射している
静かな息で
黄昏に
金の雨降り
幼子へ
みどりの壺に
骨を入れよと
泥沼に
もがき苦しむ
指先で
届かぬ糸を
手繰ろうとする
ブランコを
二人でこいだ
姉さまは
浴衣すがたで
....
ころころ、ころころ
肌触りの悪い紙に包まれて
ずいぶんと劣悪な道を転がされて
半年を終えました
半分寝ているような覚醒しているような
まるで白夜のようでした
作業所のピノキオたちは寝静 ....
人も時代も変わっていく
私は無常を越える
常住の法を求めて旅をする
哀しみも苦しみも幾年月
最も苦しかった日々は
最も輝いた日々だと感謝する
人も時代も変わっていく
私は無常を越 ....
新嘗祭歴史の重み深くして
熊穴に入るわたしも休もうか
冬の海名付けるならばマドレーヌ
曇り日がいや増しにする寒さかな
天に上る白鳥のごとこころ消ゆ
今夜は独りウオッカをあおっている
他に客はいない
棚に飾られた真鍮の潜水ヘルメットを眺めながら
海の歌をくちずさむ
ララル ラララルララ~ ラララ…
何時だったか
黒いドレスに赤い ....
神秘色冬の月には魔力が宿り
木星とともに歩むは冬の月
冬の雨降られる前に買い出しへ
小春日の道の遠きは定めとて
白鳥は魂を乗せて夜の空へ
風邪を引き辛い時季にも幸福はあり
まどろむ君のてのひらに
ワイン色のガーネットの大粒をそっと転がした
ぼくたちの明日はどうなるのか占う
危うい…
ぼくたちの関係はとても微妙で
紙一枚でやっと繋がっている
君 ....
愚痴などは言わぬと決めて冬の月
姦しや冬寒の月は上弦で
冬ざれの野には野の想いがあり
乾かない髪に触れて確かめる冬
冬苺口にほおばる我と父
狐火を追いかけてなお過去の時
はじまりのおしまいのはじまりのおしまいのは(じ)まりのゆくえ、わかりませんとか云わないで
ゆくえ稜線のかなたまで染まってゆく、葉緑体のベンゼン環おしまいのは(じ)まりへ
まりみたいな月はど ....
棚田見て昔の人の努力知る高い場所から見れば絶景
プロ野球感動的な試合続く選手たちの自信のプレー
缶詰が美味しくなったと母は言う昔のことをしみじみ語る
地図を見てその街を知り興味湧く地 ....
空気が
しびれて
蒼く透けた色を
している
夕方の私と
鏡よ鏡よ鏡さん、この世でいちばんの愚者はだぁれ?
鏡よ鏡よ、この世で一番の愚者は、その質問をする者かもしれませんね。
ありがとう。おやすみ。
おやすみなさい。良い夢を。
今夜は君の言葉が妙に沁みる
何時も暖かかったり
冷たかったり
眠れないぼくは
あっちに行ったり
こっちを行ったり
何時も君は
ぼくの部屋にルビーのピアスを置いてゆく
無口な ....
東の風が吹いていた
醤油工場から醪(もろみ)の匂いが漂う路地
ぼくはスニーカーの紐を堅く締め直し
重いザックを背負い直した
遠くに行ってしまう前に白い灯台を訪れたかったのだ
乗客は三人だ ....
──おいでなさい。よい星回りです。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳、罫線加筆)
畳の湿気った奥座敷、御仏壇を前にして、どっかと鎮座する巨大なイソギンチャク。
(座布 ....
足元に電気膝掛けなお震え
手足荒る冬場のきつい水仕事
風凍る空の晴れ間は眩しくて
山茶花の香りだになく時は過ぎ
宙天は神秘の趣き冬の宵
木枯らしの吹く ....
#WHO(フー)
聖樹になり仰せた大木も
世代交代の意味を知り
朽ちても若木の行く末を
あんじては身を粉にして
樹木は時代を乗り越えてきたの
世界樹があればいいのに
成人にも ....
北斗七星が傾いて 絵葉書をこぼす
ひらりと指でうけとめる なつかしい君のことば
仙女の写真にうすく 桃の果汁の染み
あいかわらずの筆跡に 白い歯を思いだす
君よりずいぶん遅くに 僕は生まれ ....
・遠く
離れたままで
わたしたち
白い季節を一まい隔てた
(冬の華は六角形に受粉する
その周りを
星の子どもたちが手をつないで
ぐるぐると回りながら
白を蘇生させようとしている
(か ....
光と闇
有と無
生と死
男と女
出会いと別れ
プラスとマイナス
それらは刹那と那由多に螺旋を描き宙を舞う
遠い過去から遠い未来まで
縁は空の先まで永遠に続いて往く
今頃お ....
青空が大好きだ
遠い
色なのに
近しい
さびしみ
枯芒今日も見たよ幽霊を
{ルビ天=あま}冴ゆる我は天使を空に見し
寒さに負けじとの思いが我を推す
たま風や遠い亡霊を訪ねおり
燗酒をあおる父の背は寂し
....
静かな夜に独り酒をあおり
訳のわからぬ経を読み
華を散らし
伽羅を焚いた
想い人に手向ける夜だ
今となっては届かない俺の声は夜空に消えてゆく
あの時
こうあれば
ああすれば良かった ....
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