すべてのおすすめ
くずれおちて 波に
さらわれても いつか きみの渚に
ながれつき たちあがる 砂の城で
愛のために そして死のために
おなじひとつの 星座をうたう
もしも喜びが 木に咲くなら
摘んで花束にすると クリスティナは
かいているけど ぼくなら喜びが 実るまで待つ
そしてそれが 葡萄の房のようなものなら
ひとつぶずつ みんなとわけあう
化石を みがけば
ふかい 睡眠がひらく
いちども とぎれずに
わたしへ つむがれた
塩基配列の ざわめき
めざめるには あまりにながく
ねむっている おとこの
みみもとで しんみりと
おんなが うたっている
うしなわれた ことばで
詩とは何か。その問いに答えられない。何十年もやっているのに、わからんのだから仕方がない。その問い自体が、名づけられない詩のようなものだ。じっさい詩は問いであると述べた詩人がいる。たしかに、そのような ....
風船が 空を
ひきつれて 砂漠を
わたってくる
へんぽんと 春が
ひるがえる
毎年、盆と正月の休みに、妻は子どもたちを連れて新潟の実家へ遊びに行く。その日から私は自炊をはじ
める。結婚以来の習慣である。それにはいくつかの理由があるが、もっとも大きな要因は私の特性を、妻
がよ ....
ところで きみたちは
母国語を 愛しているだろうか
もちろん わたしは
愛されているのだが
なんのお返しも できない
鏡の迷路で
みうしなったら
うしろむきに 夜の
斜面で 滑ってみましょう
こわれたのが わたしです
とおくの星はみんな
他人のものでいいさ
宇宙を すくいとろうとして
ふかい裂け目ににおちた
自分の物語を 遍歴したから
遠くまで 届きたい
おもいが 橋となる
その たもとから
深淵を のぞいて
たちすくむ
どこにでも
だれにでも
あるのに
ぼくにだけ ないことの
ほこらかさ
少年少女たちが つどって
いっせいに 深呼吸をする
青空に 結節性陰影もなく
きよらかで わたしには
死ぬほどの 毒である
いたいとき くやしいとき
かなしいときの なみだを
のこらず 如雨露にうけて
ともだちの 庭という庭で
しあわせの 花を育てます
●関連作品
ガーデニングの話→ http:/ ....
遠くばかり みていると
いまを みうしなってしまうけど
遠くをみてないと じぶんを
うしなってしまうから
いつでも星を さがしているんだ
ただよって ふかく
抱かれて ひろがり
水となって しかし
すべてを忘れ 風の
かなたで あふれる
かわべりで おにぎりを
たべているとき ライオンがきて
たてがみをはずし じゃぶじゃぶ
あらいだしたら まちがっても
めをあわせては いけません
苦悩のあたらしさを
うしなって 道がおわる
そこに はこんできた自分を
泣きながら捨てると
また道が はじまる
あさまだきかわぎしの
いしをひろってなげた
うすくきられたみずに
えせおとこのまがおを
おそるおそるうつした
しきたりにそって やりすごそうと
しちてんばっとう しているうちに
かどがとれて しあわせなんですが
まんまるなので さかをころがりだしたら
もどってこれないきがして こわいんです
時間とともに わたしは
うしなわれる だから未来を
待ち望まない というのは嘘だ
明るいうちに できるだけ早く
きみのところまで たどりつきたい
前へ どこまでも進むのが
希望の原理です
その道は きみ自身の
背中の扉まで つづいているから
いまは ふりかえるな
ハッピーエンドから
はじまる ほんとうの物語
それからそれから どうしたの
うれしいときに いやというほど泣いて
かなしいときは ふつうに笑っていたさ
銀杏の枝に 月が
ひっかかって ゆれているから
それとなくわかる 風の道を
じぶんのいない 未来のことまで
しのんで あるいてきた
て の ひら
かぜ に なび いて ひ かって
え くぼ を ゆび の はら で
おせば こぼ れ ....
帰ってきた さらに うすく かるく
まずしくなって これが ほんとうの
わたしだ まだ少量の毒をもつが
いつでも風にふかれて とんでゆける
きみのもとへ そして きみの彼方へ
荒野は祝福されている
たおれるな ふりかえるな
魔がさせば
魂をぬかれるから せめて
くるしんで詩をかくな
わが友 きみも
魚が水のなかで
生き死にするようには
空で暮らせない鳥です
しっかり地に足をつけていますか
明日をうたがい おそれながら
大審問の つらい夢からさめる
また朝の
灼金のひかりのなかに立ち
荒野のひつじのむれを見る
紙の船 砂に
海を ひらいて 進め
ためらうな そうしなければ
みえない ものばかりを
愛したからには
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