すべてのおすすめ
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている

いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
{ルビ箸立=はしたて}に
ひっそりと立っている お箸
いのちの橋渡しを行うもの

せつなさをとおりこして
うれしさがあふれそうな
いのちの輝きの
道のりを
真っすぐに
みおくって ....
いつくしむ
いつくしむということを
忘れ去ってしまったならば
それは つながりのもつ距離が
不鮮明にとまどっているの
けれど立ち止るな
そこは業火の唸る 底無しの淵だ

それでも振りか ....
濡れはじめた空が
歌をくりかえすのに
私はピアノを弾けないでいる
雲が沈み雨音が遠くなり
やがて射しこむだろう光に
伸びた髪をさらす
地上が反転する雫のなかで溺れる
鳥の影が風に波打つ
 ....
私は、私の内実を永久に出ることはない、だ
ろう。私の子宮では、無意識下で鋭くえぐら
れた、いつまでも分裂している彼方の翼が、
黒曜石の暗さで果てもなく胎動し凝縮と膨張
を繰りかえし自らへと表裏 ....
冬の空のしんとした質感に
しなだれる肺のたおやかなこと

木枯しに枯れていく太陽のもと
不透明な雪の結晶となる重さを
熱く呼吸して火照る

湾曲している波に共鳴する
空との境界で
風 ....
ひとり立ち姿

死んでいるように
つぶやく灰の後ろに映る
星の塔が旋回してから
七色のアーチをくぐり
一瞬する視界の腐蝕する太陽へと身を焦がす

失えるものなら失ってみなさいな
零の ....
そのひとは
ひっそりと
木漏れ日の中にいた

何かおこりそうな空だこと。
そういえば、このあいだの鳥は、
どうしたかしら。
陽にひらめいて、
虹を食べて、
七色になって、
空へと消 ....
すき。
つらつらと
窓硝子に透明な静脈
いつしかの雨
ちいさな胸にけむり
せつなさ響くぬけ殻の
透過する自殺

すき。
その精神
クシャグシャにくずれそうな
物理的に映らず視覚さ ....
じんわり汗ばむ首筋を
ハンカチーフでそっとふき
夕陰草をみつめる手許

無風の文字は ただれてしまい
あてどなくもたれかかる
夕影の一輪挿し

やがて雨薫り
境界 薄く煙る
雲の流 ....
黒髪の視線が伸びてゆき


瞳が羽化をすれば


艶やかに空を含み


風と交わる
月が冴えわたる冬の夜
田園の雪の波が
月光に青白くきらめいて
をんなの肌に深く映ります
あぁしんど
酔い醒ましにちょいと表に出てきたけれど
伏し目がちな月影は
わかばにマッチをすっていま ....
どういう
ことかしら
丸い物を転がすなんて
何も転がさなくっても
わたしは、ひとりよ
自転する内臓が
閃いて

新陳代謝している
ぷふ
それも
わたしの限界を

諦めず
つ ....
視線をゆきます。

ひっそりとした
鋭角な色のない
告白にも似た存在の道

とぎすまされた意志の果てには重く輝く種子が宿る

涙で
洗われた深い瞳
そこに秘密を映す

答のない ....
真夜中の
骨の色素が熱を帯びて
暗く
暗く蒸発してゆくのです
未だに守れぬ約束へと

恐ろしく白い
わたしの骨は
いったい何を支えている
夢か幻か否現実か
未来は己で決める

 ....
黒いドレスの少女の目差は
夢を射貫いて遠く羽撃く

永遠に透けた墓場へと
涙のあとが堕ちてゆく

約束のための雨垂れが
含んだ土へと帰る

私は時を経て
最果てに芽吹く

お早 ....
アスファルトの上に落ちていた
虫の亡骸を
土の上へと
いつかその身を
風にゆらす花へと
帰すまで
この身のゆらぎを
諦めに似た憂うつで
{ルビ現=うつつ}にゆらします

回転する
 ....
透過傾向にある
あこがれを{ルビ禁=いさ}めて
風と{ルビ心中=しんじゅう}
(危うげに傾倒する風脈)
距離は
あこがれを侵食するのか
もう発生です
雨天決行よしなに

風はどちらか ....
(行ってらっしゃい)
宇宙の森で生まれた あなたと

あなたは今頃どの辺
七丁目の角かしら
目的は果せた?
わたしは洗濯をすますところ

留守のはざまで
不透明な静けさを淹れて飲むと ....
響いた翼はためかせて
風の声へ飛び続ける

閉ざされた約束の傷
脈打つ光へさらして
こえられない私をみつめる
罪色の翼に歌う

{ルビ現在=いま} 解き放つ時
押しつぶされそうな空へ ....
時は無常にも過ぎてゆきますゆえ
おおきな流れを知って
現在地の私を知らなくてはなりません

息を静かにして
痛みの在りか
涙の在りか
かなしみの在りか
在りか
ひとときの微笑
つた ....
しらないのですか

 しらないのですか

わたくしはもはや
すがたなきもの

たいしゃはすれども
かれはのしたの
つち
とおなじ
からだをもっているのです

しこうはすれども ....
乳白色の
血を流す
草の名を忘れてしまい
野原にからだをうずめた

満天の星の鎮魂歌を
あすの朝の火に{ルビ焼=く}べて
壊れた時計の可燃率とともに眠る

忘却は
時を経るごとにや ....
一篇の詩に洗われて生まれてきた

風のかおりにつつまれて
身をさらし風化して
たわむれの声を聞く

{ルビ盲=めしい}た愛を引きずって
無欲な耳は
{ルビ戯=そばえ}を咀しゃくする
 ....
ひよりさんのこしごえさんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鎮魂歌- こしごえ自由詩15*08-3-8
お箸- こしごえ自由詩10*08-1-19
群青を連れて- こしごえ自由詩27*06-12-24
予感- こしごえ自由詩24*06-4-6
羞恥心のアポトーシス- こしごえ未詩・独白10*05-12-25
しおり- こしごえ自由詩16*05-12-6
空の原- こしごえ自由詩12*05-12-2
白い顔- こしごえ自由詩12*05-11-29
好き- こしごえ自由詩9*05-11-28
白紙- こしごえ自由詩6*05-11-27
序(黒髪の視線)- こしごえ自由詩10*05-11-27
密約- こしごえ自由詩16*05-11-22
反逆- こしごえ自由詩7*05-10-19
- こしごえ自由詩15*05-10-18
虚空の骨- こしごえ自由詩16*05-10-15
上陸- こしごえ自由詩7*05-10-9
仰ぐ亡骸- こしごえ自由詩8*05-10-9
運転- こしごえ未詩・独白7*05-10-8
お留守番- こしごえ自由詩12*05-10-7
限界飛翔- こしごえ自由詩9*05-10-2
在りか- こしごえ自由詩10*05-9-28
ユウレイ_ノ_ウタ- こしごえ自由詩14*05-9-13
忘却曲線- こしごえ自由詩15*05-9-11
詩子(うたこ)- こしごえ自由詩13*05-8-21

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する