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さざなみは
優しい顔して
ぼくらをつかまえる

数え足りるくらいしか
ぼくらは夏を
めぐっていない
それなのに、
ぼくらは
もう
夏のなかでしか
生きられないような
生 ....
この腕に
守れるものなど少なくて
そのくせなにかを
守ってみたくて
だから
たとえば
波打ち際で
きれいな貝殻を
探してる

きみは
きれいな貝殻を
よろこぶだろうから ....
 水に
 突き刺さることができるのは
 真夏のひかり

 真夏、という
 ひかり



湖面にそそぐ陽光は
銀のうろこの魚に変わる

気ままに歌うぼくたちは
それを統 ....
わたしは
風をおよぐのがすきだから
太陽との相性は
とてもいいのだと
思う

汗ばむ腕と首筋に
水の匂いがたむろして
わたしをいっそう
およがせる



 夏にはもと ....
昼下がりの海水は
まだ少しつめたくて

その
指先につたわる感覚が
はじめてのことに
思えてしまう、
いつもいつも



腕を
すべってにげる潮風は
いつか、と同じ
 ....
煮物の味は
素朴であるけれど
素朴であるがゆえにこそ
むずかしくて
奥深い

ごらんなさい、
たけのこと
さといもと
しいたけと
なんの疑いもなく
一緒くた


わたし ....
逃げ道は作るものだからね

そんなことに
労力を費やしたくはないからね
逃げ道づくりはごめんだね

あたしゃ職人には
ならないよ



罪も作るものだね

そりゃあ ....
透明なきもちになりたくて
見あげた空は青だった

よく晴れた
雲ひとつない青だった


春の匂いはまだ冷たくて
透明な
青の真下は
なお冷たくて

見つからない意味の底 ....
うすべにの桜を頬にほころばせ
ふゆを咲くのは
あどけない、春




さむい夜
機関車さながら息をして
笑っていたね
星くずの頃


転んだらふわふわでした新雪は
 ....
これからぼくは
いくつのことばを殺すだろう

それを
知らずに生きぬいて
いつか必ず殺されるだろう

ことばへ死にゆく
ぼくなのだから



これからぼくは
いくつの ....
コンクリートの隙間へ
手をひたすとき、

かなしい人魚の
ほほえみが
過ぎる

その、
行方を追いかけやめた目の
放ってみせる空には
青のにじみが
よく似合う



 ....
一枚の葉がふくむ記憶は
みどりにそまり
やさしく香る

かぜは
ときおり険しいけれど
その手をのぞみ
樹木はそよぐ



 世のなかに
 なごみの満ちた
 晴れ間がつ ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
希望はいつも闇のなか

ひかりを見つめて
底にある



たとえはぐれてしまっても
上手にわらって
すむように

すべての虚言を
やさしく包み

希望はいつも闇のな ....
空の名は
曇ることが ない

大雨だろうと
快晴だろうと
空は、空

不純なものの一切を
それとは知らずに
ながらく含み

おそらく とわに
静止をしたまま



 ....
傷つけられた一言を
あとから何度も
思い出す

{ルビ酌=く}むべき意味が
あったのかもしれない、と
一人でそっと
思い出す

けれどもそれは
あらたに痛みを増やすだけ
やっ ....
不自由は
ひとつの自由の答えだろうか

迷いと混ざり
散りゆくひかりを
なつかしく嗅ぎ
瞳をほそめる

夏の滲みの
あふれるかたわら
両手にかぜを伝わらせ



海 ....
迷いや憂いが
くもらぬように

目から
胸から
耳の奥から
にごりに満ちて
澄み渡れ、




 愛するべきと
 かなしむべきと
 つつしむべきと叫ぶべきとに
 ....
風を
くぐりぬけると
また新しく
風がある


ときにあばれて
ときに乱して

かろやかだったり
微かであったり


あらゆる表情を持ちつつも
ひとつにまぜた
名 ....
春のおとずれは
やわらかい

ことばの身軽さと
陽気がとても
近くなる


鳥たちの鳴く声と
色とりどりに
咲く花と

寒さをかき消してゆく
波のかさなり
しろい音 ....
山の背中にあるものは
いたずらからすの
帰る家

山の背中にあるものは
遊びつかれたきつねの寝ぐら


山の背中にないものは
枯れ葉やつぼみを
こばむもの

折れた枝に ....
微笑みがこぼれると
それをよろこぶ
ひとがいます

わたしにはのぞけない手紙が
おそらくそこで広がるのでしょう



愚痴をこぼすときも、
そう

溜め息は
誰かのな ....
ページをめくると
とおく、の定義がお辞儀をみせる



わたしだけがみえない
わたしの仕草の輪郭が
えらばれた文字列のなかで
呼吸をしている
整然として


あきらめの途中 ....
天を問う声に季節はすみついて羽はだいだい地を駆けめぐる





おのが目に降り積むものを焼き払え隔たり持たぬ点灯のため


くらやみにうごめくものを虫と呼ぶひかり求めて ....
ひとり暮らしのテーブルに
しばらくぶりに野菜がいます

使い古された
タッパのいろと
サランラップのしわくちゃ加減

レンジひとつで済まされる手軽さは
とってもチープで笑えてし ....
ふたつの手のひらを
使いこなせない昼下がり

耳を澄ませてわたしは
しずかに風を
遮断する


すべては
それとなく遠い気がして
けれども確証はなくて
言えずに続いた
 ....
かじかむ理由は
雪ではないね

それは
雪のなかでこそ
探せるものだけれど

雪そのものは
寝ているだけだね



 てぶくろは
 つかのまの嘘だと思う

 夢だとか ....
肩を
すべり落ちてゆくものを
不可能なくらいに
拾い上げるから
忘れておけない
まなざしの青

つないで
必死につないで
自分の口から出た言葉が
たとえ終わりを決めるもので ....
きみのバスが遠ざかり
ぼくはちぎれて
半分になる


照れくさいぼくを
きみが思い出すとき
薄闇はきっと匂うから

けなげに告げよう
離れた場所で
あすの名を


 ....
{引用=


一 ゆらゆら、尾ひれ



  いい匂いがしたもので
  いい気になって
  追いかけて

  できないことは
  どこにもない、と
  一目散に
  忘れも ....
ひよりさんの千波 一也さんおすすめリスト(89)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さざなみ- 千波 一 ...自由詩8*09-8-29
貝殻- 千波 一 ...自由詩6*09-8-25
レイクサイド- 千波 一 ...自由詩6*09-8-21
夏を漕ぐ- 千波 一 ...自由詩5*09-8-20
海辺のしおり- 千波 一 ...自由詩5*09-8-17
煮物- 千波 一 ...自由詩6*09-7-28
絶滅危惧種- 千波 一 ...自由詩4*09-7-16
五月の教室- 千波 一 ...自由詩2*09-7-16
◆ふゆを咲く- 千波 一 ...短歌6*09-3-2
これから- 千波 一 ...自由詩8*08-8-13
水の扉- 千波 一 ...自由詩7*08-8-12
葉月- 千波 一 ...自由詩6+*08-8-12
プロミネンス- 千波 一 ...自由詩24*08-8-11
希望はいつも闇のなか- 千波 一 ...自由詩7*08-7-11
空の名は- 千波 一 ...自由詩9*08-6-23
リピート機能- 千波 一 ...自由詩6*08-6-19
波音- 千波 一 ...自由詩7*08-6-18
澄み渡れ、春- 千波 一 ...自由詩7*08-5-9
風のくに- 千波 一 ...自由詩8*08-5-7
笑うお日様- 千波 一 ...自由詩8*08-4-30
山の背中- 千波 一 ...自由詩5*08-4-30
切手- 千波 一 ...自由詩7*08-2-20
日記- 千波 一 ...自由詩7*08-2-18
◆てんとうむし- 千波 一 ...短歌3*08-2-17
ゆたかな食卓- 千波 一 ...自由詩5*08-2-12
青い鳥- 千波 一 ...自由詩26*08-2-3
白い冬- 千波 一 ...自由詩10*08-1-27
睦月橋- 千波 一 ...自由詩6*08-1-26
ばいばい、がーる- 千波 一 ...自由詩6*08-1-16
小詩集【にゃお。】- 千波 一 ...自由詩7*08-1-15

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