空洞の快楽
ひだかたけし

千切れ雲広がる
夕空を
ベランダから眺めている、
私はすっかり空洞だ
目を閉じると
銀の粒子が飛び跳ねて
網膜に映る六角形
ゆらりゆらりと
眼窩を舞う

)壊れていく、壊れていく
)何かが無音のうち
)壊れていく

目を開けると
夕焼けには未だ遠く
千切れ雲だけ陰っていき
私は笑いを押し殺す

空洞の快楽、一瞬突き上げ















自由詩 空洞の快楽 Copyright ひだかたけし 2019-11-25 21:49:20
notebook Home 戻る