ワンピース 末路
杏っ子

まだ、会える可能性があったとき、このワンピースを作ろうと思い立った。
その勢いでクレジットカード決済で、この布を買った。型紙も買った。
そして、1か月以上放置し、裁断してあったものを昨日今日で形にした。
会えるという希望は日に日に薄まり、今ではもうほとんどない闇夜を抱き、
明日も生きなくてはならない逆風に心を晒しながら
どうにかしたこのワンピースを着る機会は、果たして、もう、ないのだろうか。
このワンピースは希望としてつ吊るしておこう。


自由詩 ワンピース 末路 Copyright 杏っ子 2019-11-24 22:09:08
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