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ミイラ男だったころ
身体は包帯を巻いてひっかけるための
ものでしかありませんでした

歩けば犬が吠え、親は子どもを隠します
皮膚が引き攣るのでよたよた、していると
見知らぬ人たちが不幸だ、 ....
毎日が同じ事の繰り返しだから厭になるね。
と、人に何気なく言ってしまった。
ら、その人は「え?もし毎日が違う事の繰り返しだったら、私なんか一度に磨り減って擦りきれてどうにかなっちゃうよ」と言われた ....
閉じた目をあけたとき
私は一個の月となり
孤独な三日月の
寒さに凍えたのでした

ふるふる震える
突き刺さった星の旗は
悲しみから遠く離れて
無関心なあの丘の上で
風に吹かれ ....
嫌なことがあった

再入院だ

土日くらいは帰りたい

嫌なことがあった

死ぬことと比べたら

いや、どうせ皆みんな死ぬんだし

比べるまえからつまらない

嫌なことなん ....
忘れ去られ、蔦が這い
色褪せくすみ、ねむったまま
死んでいく、そんな佇まい
そんな救いのような光景を
横目に朝夕を、行き帰る
遠くのタバコ屋の廃屋まえ
どんどんとカメラが引いて行き
エン ....
駅から続く桜並木
だらだら坂のドン詰まり
君がいた病院があります。

桜並木の木の下には
死体と狂気が
埋まっています。

もう四年も前の想い出ひとつ
今年も桜の木の下で
散りゆく ....
風にまかせて
砂がまう
レインボーホログラムに映るは
バルゴンのトゲに憩う未来
事象は変えられず
繰り返すは
血と髪と肌
頭の質量を自覚できる者だけが
キリンとなった
そうだ ....
穴があったら誰か埋めてくれませんか
リモコンの不具合に
いちいち強迫的に反応し
ビジョンから見れば 滑稽なのは
十分承知している

生活に支障のないものの
家族には目障りな光景に見え ....
ゆるしておねがい
何か舞う
かけらかに
かけらに
花びらよ雲よ私よ
そして私たちよ
ゆるやかに
ゆるやに
月が満ちて帰ろう
明日から
そう明日から
新しいよ
僕たち
もう
陽がくれる

とつとつと
西へ西へと歩んでいくと
孤影は東へ歩み去り

すれちがうのは

ひとつ、ふたつの足音と
みっつ、よっつの息づかい
いつつ、むっつのさみしさよ

 ....
「家族は唐揚げ」
どこからともなく
湧いて出た
その一句
そのしゆんかんから
なにゆえか
俺の心を とらへて離さぬ

幾百万もの言葉があり
百の何乗だかの組合せがある中で
天使 ....
水ぶくれに縫い針を刺した
ねずみ色の朝 そうだ、サラダでも食べよう

人参を千切りにする
かなり細く綺麗にできた
玉ねぎの生食は胸焼けするから
レンジでチンして、水にさらして
レタスをち ....
風俗以外の女性は知らなかった。
不潔かな。欲望が一人で歩き出したら抑えきれない。男子の体の仕組みはそうなってる。
そんな時は誰にも迷惑をかけられないからマスターベーションで欲望を鎮める。
不潔か ....
メノウのような波
渚にかききえる泡たち
たゆたっているのだ

だきとめたかった
欠けてしまったからだを
小さく、小さく、まるめて

原石の真珠
秘められたままでいい
このまま眠るか ....
女性の必需品買い忘れました。
六十四歳父親です。
いくら父親と言っても娘に頼まれた生理用品一人で買えるほどの強い心臓兼ね備えていません。
買い物はいつも十歳年下の嫁と二人です。

女三人と暮 ....
強剪定された関節に
盛り上がる傷
そこから
見えない指を差し伸べる
しなやかな風に 

小鳥が飛んできてとまる

どれほど春が虚しかろうと
生きている限り
痛い 悲しい 嬉しい 怖 ....
さかなのひれが走り
海はのどかに青い石をのみこむ
くじらのせなかに白い
かげがえんえんと生えている

むろん海だけじゃ
生きていけないから
あたたかなほうようをおこなうのは
水平線 ....
姉の家のミィが死んだ
二十年生きて死んだ

遠い町に就職した甥が結婚して離婚して
ミィを連れて帰ってきた
甥はまた遠くの町へ行き
ミィは姉の家で暮らすことになった

ときどき別れた嫁が ....
出口のない部屋に閉じ籠められて
私は腐敗してしまいそうだ

流浪の眼では
天井を突き破れないから
大腿骨の壊死した足では立ち上がれない

天界は遥か彼方
黄泉の国で待っている人の
す ....
数日前の冷え込みは
さらりと積もった雪とともに
あっさり流れて消えた
今日はぬるい雨が降る
冷えては弛んで
今年も確かに春は

令和は五月からだとさ
準備期間がどれだけあったって
あ ....
ぼくの朝は完結しないつめたい夜を引きずってはいない
ぼくの大腸は閉塞して夜をためこんでいたけれどもね

カーテンを引くと天使はねぼけまなこで羽ばたいている
窓からのぞくと景色のはじに満開の桜の ....
終電にゆられて、風の強い歩道橋を渡り、またビールを買って帰る

テレビ通販の明かりだけの部屋で、あしの爪を切りそろえて
膝を眼窩にうずめた


いつになく緊張してた官房長官がその昼なん ....
花かごに
ゆったり
あしかけ
たっぷり
ゆられれ
まなこに
うつるる
えだの黒
首筋から這わせた指先が
胸の先にかすかに触れる
少し切なそうな顔をしてあなたは
そっと目を閉じた

夕暮れ
カーテンを引いた部屋に
隙間から少しだけ
黄色い光が差し込む

言葉で伝 ....
防波堤に打ち付ける、波
全てをさらっていく
泡沫が少し、澱みに残るだけ

日がやけに低い昼下がり
人の姿もなく
旅の友は、おねだり上手なカモメ
行先不明の私は
いつだって
迷っている ....
  
  
  私は今日、父になった。
  
  
  娘が産まれた時
  
  妻は命を懸けて母になり
  
  命を懸けていない私は
  
  父を、演じ始めた。
  
 ....
洗濯機の中で汚れた衣類が回る。
夜に洗って朝に干して。そんな生活繰り返して繰り返して。
何だか寂しくなって、その寂しさに苛立って。

人に産まれて女に育ち
人に産まれて男になった。

洗 ....
 花瓶の近くに置かれた姉の唇が燃えてゐる。

 うす紫色の炎が小さく上がつてゐて、読んでゐる文庫本に今にも火が移りさうだ。

 目を細めて見ると、表紙に「菜穂子」と書かれてゐた。
 ....
静まり返った夜に人々は固唾を呑む

意表を突く歌詞を並べたて 
繊細で微妙なメロディーラインで攻める

艶っぽい声にガードされた瞳
おまえは吟遊詩人

魔力のような鳴き声に引き込まれ
 ....
茅葺き屋根に鳥が舞っております
舞い降りてくるのは雲雀でしょうか
春を尾に引く雲雀でしょうか

茅葺き屋根に陽が舞っております
待っているならススメと云います
陽は待たずススメば夜が来ます ....
ひだかたけしさんの自由詩おすすめリスト(7334)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わたしがミイラ男だったころ- 帆場蔵人自由詩519-4-12
惰眠- こたきひ ...自由詩419-4-12
ハムエッグの月- 秋葉竹自由詩1019-4-11
ぐだぐだと- ペペロ自由詩419-4-10
唯一の友だち- 帆場蔵人自由詩10*19-4-9
鬼と桜- ……とあ ...自由詩12*19-4-9
命令である!- ナンモナ ...自由詩4*19-4-9
滑稽な球根- 朝焼彩茜 ...自由詩619-4-9
贖罪的な明るさのように- 腰国改修自由詩2*19-4-8
日暮れをゆく- 帆場蔵人自由詩11*19-4-8
家族は唐揚げ- 石村自由詩19*19-4-8
_- 印あかり自由詩8*19-4-8
ネット詩人は- こたきひ ...自由詩719-4-8
真珠- 新染因循自由詩6*19-4-7
地元で一番の安売りスーパーで- こたきひ ...自由詩419-4-7
街路樹のうた- Lucy自由詩8*19-4-6
すなはま- 秋葉竹自由詩719-4-6
火宅の猫- たま自由詩419-4-6
果たして私は誰ですか- こたきひ ...自由詩219-4-5
春雨- 世界世紀自由詩6*19-4-5
夢路- 梅昆布茶自由詩1419-4-5
新たに- DFW 自由詩6*19-4-4
花見- ナンモナ ...自由詩2*19-4-4
このまま- 高林 光自由詩419-4-4
送春の詩集__- 長崎螢太自由詩4*19-4-4
【_父になれた日_】- 豊嶋祐匠自由詩4*19-4-4
心に愛がないから- こたきひ ...自由詩319-4-3
菜穂子- 石村自由詩19*19-4-3
井上陽水- あおいみ ...自由詩419-4-3
茅葺きの郷- 帆場蔵人自由詩419-4-3

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