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彼は十代が終わりに差し掛かる頃に
初めて
お酒と女性が売りの店に入った

入口の重たげな扉は引いて開けると鈴が鳴る仕掛けになっていた
照明が落とされて暗くなってる店内には
酒の匂いと酒を呑 ....
{引用={ルビ襷=たすき}がけの
やわらな眼にて
なぞるのは
左岸の萩
たれては
波にことごと
忘却をすて
むらさき色した瞑想
その
ひと房の
ながれては寄る


にぎ ....
うす氷
白鳥の軟着がぴりりと亀裂をなすと
冬の尺が
沢の身の丈となり
沢そのものの理性が一新する
松の常緑は
健全なストア派だ

たとえば平安
あぶれた
熊のような炭売りが
{ル ....
不眠で
記憶を整理できないと

死ぬことも
あるらしい

眠ったら

脳は
その日の記憶を
整理して

記憶の倉庫の
いろんな抽斗に
しまい込む


昨日
久しぶ ....
すっかり落ち込んじゃってさ
というか
その、落ち込むって
今更な感じが
すごくする

厳かな
って言葉つかいたい
ほぼ、じぶんの脳に
まい落ちない

どろん

本を開く
 ....
彼は。男の子だった。
十一月も残り少ないある日。ペットショップの。ゲージの中で。
怠惰な昼寝をしていた。彼は。失業中の。Kと。眼が合った。彼
は。生後四ヶ月の。赤札の付いた売れ残りだった。が。ど ....
穂のゆれる
夕方まえ
ゆれてるね といい、
すわったまま
夜をむかえる

つめたい月をちぎっては
たべ、
いくつかの
物語で暖をとり
ちらばった行間をたばねて
舟を編んだ ....
産んでくれなんて一度も頼まなかったのに
よけいな真似をしてくれた
母さん

何言ってるの
母さんだってあんたみたいな子供に育つと分かっていたら
死ぬほど痛い思いして産んでいなかったわよ
 ....
ひさしぶりに
ぶたまんたべました
白い皮に
黄色いねりからしぬりました
ふと小さいころが
再現されたようです
一口するほどに
ほどほどに
時が過ぎていって
くれればいいのに
幸 ....
{引用=とてもかなしいので
{ルビ直喩=シミリ}です
花はだからみんな
そういう詩想の末裔です
すずらんのひと房
指で弾けば
千とひびきます}
夕方のまちの紅葉が
きれいで
きれいで
どうしようもない

思い思いに家路を急ぐ人たち
帰ったらきっと
紅葉の話するんだろうな
日常の
何気ない一コマ
ああ
あんまり良いものは
 ....
水を吸って
重たくなった

スポンジのような

どんよりと
ひろがる雲


北国の
曇り空は侘しい

落ちてくる
雪は
雲の涙の粒のよう


となりで読書しているきみ ....
靴下がみあたらない
だから
みぎあしの土踏まずでひだりあしの甲を
ひだりあしの土踏まずでみぎあしの甲を
交互にあたためていた
入替えて数秒だけ
どちらも暖かい
じきに片方の甲は冷えてしま ....
{引用=けれども
私には私がいません
不透明な秋のなかで
落とし物のように透過されたから

風は銀河を
みだりにはせず
根の調べに
いそいそと弾むばかりで

川魚のことや
難読地 ....
光一つない
山の中で
炭をおこした

闇夜をほのやかに
照らす燠を見ていると
忘れたものが
思い出されたものが
くるくると
火花のように
散っていった

刹那!
火が燃え上が ....
一つの岩の裂け目から
ふた筋の源流が
滲み出すように
詩と生活とが
互いにあらそうことなく
ゆるやかな
斜面を
下っていけたなら

むねにわく
幾たりかのものは
雲のみとし
う ....
「フルートを吹く女」

席替えされた感情は
放課後のアコーディオン
音符に躓き
無意味へ倒れる込むあたしは
音楽室の虜
いない恋人との連弾は
なぜかいつも
夕陽に染まっている
あた ....
晩秋の北国の

大空を舞台に

しぐれ、
みぞれ、
濡れ雪と

三変化する水の舞い


秋雪を
飽きもせず
眺めてる

きみのうしろ姿が
愛おしい


コーヒー淹 ....
こんなに怒っているのは久方ぶりで
自分自身の感情をもて余している
昇華できない恨みの念
殺意さえ覚えるほどの
赤黒い怒り
荒れ果てた大地に立つような
荒んだ狂気

この怒りを忘れてはな ....
未だに不老と不死の薬は開発されていない

絶対的な幸福を欲しがってはいけない

生命は
死の尊厳が優先されている

自由と平和を愛していても
いつなんどき
平凡な日常が壊され押し潰さ ....
いつかどこかで彼女に許されたことがあったのだろうか
約束された自由から疎外されたまま生き続けることが
人生という名に値しないとしても

未完成が日々の完成である人生なんてね
小学生の頃から疎 ....
床屋のおばさんが
すき鋏片手に{ルビ十六夜=いざよい}の月を吟じたから
ぼくは
十三夜の栗や豆の風情で{ルビ鼓=つづみ}を打った

この惑星の住人の間ではどうやら
天体への個人的感慨が
 ....
心のさまが
容姿である惑星
風のいろが
機敏に変わる大陸
ここは
にほん国のドノアタリデスカ
制約の屠殺場に
朝やけ

神経を千代紙に包んで
ギアをRに入れる
みえない雨
瀟瀟 ....
実家の方角から、炊き込みご飯の炊ける薫りのしたような。
晩秋の寂しそうな母の背が、硬い根菜を刻んでいたような。
往路で道に迷いだしているんですね
それは誰にでもある事です

でも
通り過ぎた道は戻れない
有効な未来への地図はどこにも見当たらない
ですよね

幸福の鐘はいつだって遥か彼方で鳴ってい ....
僕は横たわる
頭は学習机
手は洗面台
お腹はキッチン
お尻はトイレ
太ももは窓から出て
木漏れ陽で
あたたかくなり
つま先で雲の先っぽに触れる
部屋は大地に続いていく
湖まで続く長い道を
杖をつきながら歩けるわけもなく
途中でギブアップするのが目に見えている
命の賞味期限はもうすぐ切れて
私を置いて旅立ってしまう人
あんなに愛していたのに
おそらく涙も流 ....
季節があわただしくすぎてゆく
いま、どこにいるのだろう
さっぱり わからない

わからないから歩いている
ながいあいだ歩いてきたような気もするし
ついいましがた歩きはじめたような気もする
 ....
 途中で無性にカップヌードル食べたくなった。
 コンビニの駐車場に車停めて店に入ると一個だけ買った。
 店内で直ぐに開封し蓋を開けて備え付けのポットからお湯を注ぐ。
 熱いそれを持って寒い外に出 ....
冷たい雨が降る
十月のはじめ

肌寒くて
理由もなく悲しくなる

今年初めて
ヒーターのスイッチを押して

人生は幻だと思った
ひだかたけしさんの自由詩おすすめリスト(7334)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
彼は十代が終わりに差し掛かる頃に- こたきひ ...自由詩420-11-8
立冬と幻の岸- 道草次郎自由詩420-11-7
冬の兆しと安寧と- 道草次郎自由詩120-11-7
夢の抽斗- st自由詩420-11-7
うすらいだ猫のきもち- 道草次郎自由詩120-11-6
終の犬_1。- たま自由詩7*20-11-6
川辺- はるな自由詩1720-11-6
産んでくれとは- こたきひ ...自由詩420-11-5
ひさしぶりに- ナンモナ ...自由詩6*20-11-5
すずらんの花- 道草次郎自由詩4*20-11-5
紅葉がきれいでどうしようもない- 道草次郎自由詩320-11-5
天使たちの羽化- st自由詩520-11-5
転がってる糸口を逃すのはその思考だ- 道草次郎自由詩2*20-11-4
愁思と不在- 道草次郎自由詩9*20-11-3
晩秋- Giovanni自由詩5*20-11-3
水のような願い- 道草次郎自由詩2*20-11-3
フルートを吹く女__その他の人々- 道草次郎自由詩1*20-11-3
クリスマスの幸福- st自由詩220-11-3
この怒りを忘れてはならない- 無限上昇 ...自由詩420-11-3
未だに- こたきひ ...自由詩420-11-3
ひとつの約束- 梅昆布茶自由詩420-11-3
月のトレード- 道草次郎自由詩320-11-2
さよなら地球- 道草次郎自由詩2*20-11-2
炊き込みご飯- クーヘン自由詩12*20-11-1
詩人にはなれないから- こたきひ ...自由詩320-11-1
部屋- フリーダ ...自由詩4*20-11-1
現実- 無限上昇 ...自由詩320-10-31
記憶- 草野大悟 ...自由詩820-10-31
_無性にしたくなる事- こたきひ ...自由詩620-10-31
神無月- ガト自由詩2*20-10-31

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