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物憂げな予感に満ちて
黄昏時に立ち止まってじっと
夕日を見ている人がいた
空が暗色に沈んでいく
目に丸い陽の跡が残って
月の横に暗色の太陽が浮かんだ

空に色を付けるのなら
赤しかない ....
 
昔、{ルビ通=かよ}っていた中学校の屋上に
天体観測の丸いドームがあった


天体望遠鏡を覗き込むと
こころの暗がりがみえた


こころはどの星だろうと
それから何十年も探 ....
意味もなく
手探りで歩いてゆく
情ない
情ない
こんなことしかできないぼくは
とぼとぼと歩いてゆく

言葉が百枚の枯れ葉になっても
この身が化石になっても

崩れない何かがある
 ....
暗示を拾いに
街に出る
見えない関係性を
確かめる

あらゆるものの
在りようは
偶然的必然か
必然的偶然か

不本意ながら
隠れた欲求は
すべてが繋がっているように
 ....
わたしは
みかんのきせつが
すきだ

ひとがうずまるほどの
おおきなはこに
みかんをいっぱいにつめて
わたしはそのなかによこたわり
おしつぶされたみかんの
あまいかじゅうは
みぎめ ....
白い障子紙とおしてひかりチラチラ散らばって
立てなくなったばあちゃんをやさしく照らしてる

「食べとうない もう入らへんのや」
「そんなこといわんではよ食べて
愚痴いったらあかんよ
おかあ ....
赤い太陽との抱擁を済ませ
黒い月のスポットライトの下に潜り
透明な音譜に髪を靡かせながら


白い台本の世界の 夜の扉をひらく


ヘッドライトが生み出す一瞬の星座 ....
今はまだ、ぽっかりと空いたボトルが海を漂い
手垢のついたじかんが終わりを迎える

真新しい窓を覆うひかりは
星の空をはだかで漂う不確かさで
黒く塗りつぶした本にときを刻みはじめ
風吹が ....
生まれてきて
その時に寿命を告られ
生きてゆく
それは秋の日に感じること

冬が来る前に
毎年告げられる言葉

来年も生きていられるのか
誰も知りはしない

もうすぐ正月がきて
 ....
私の耳
補聴器の電池に支配されている

あなたの足首
ソックスのゴムにしめつけられている

そんな風に
みんななにかに支配されている
おおげさに言うと戦っている

会話せずに繋がっ ....
 



冷たい指先から
ありもしない温もりが
すべて消えていくようだった




愛用していた
小さなティーカップは

一秒もしない内に
床への着地を成功させる事も ....
いけてる おばあちゃんでした
特筆したエピソードはない
けれど

名前が 池 てる

唯一無二の
おばあちゃんでした

寝言でドロボー!と叫んで
夜中におふくろを
震え上 ....
           

 あなたは夏をみる人だ
 うつむいたレースのカーテン越しに
 あなたは白い夏をみるひとだ
 窓辺にもたれながら、口をすこし閉じて

 
 花模様のレースの ....
 
 物語はいつも唐突に始まる。
 ある日の僕は緑の森の中にいた。
 突然の驟雨をやり過ごし、気が付くと教会の前に立っていた。
 初めて自分のもの以外の神の声を聴いた。
 それはまるで音楽の ....
もう
花を摘まない
それが素敵だからといって
紫に心を奪われた時があった
あれはいつだったのか
井の頭線で下北沢に向かう途中だったのか
定かではない
そういえば
最近虹を見ない
きみ ....
こたつたつ
少し歩く
猫を呼んでみて
夜が笑う
震える身体
注ぐ月
少し酔ったふりをしながら
夢見る団欒

こたつたつ
少し歩く
転がるみかん
時計がつぶやく
じっとして
 ....
母猫が事故死して母乳の味を覚えることなく、
共に産まれた兄妹が運ばれた行方も知らず、
ただ何となく頭を撫でてくれる手を信じて、
呼びかけてくれる瞳の輝きに返事して、
春はご主人様たちと ....
Without knowing anything, but not do anything, the bomb is dropped, children are blown off.
という英語のT ....
秋の日に
ポタリ ポタリと
蛇口から水が滴り落ちる

秋は寂しいから
そんな滴の音さえ美しく
暇を紛らわしてくれる

停滞した思考を蘇らせ
滴は止まない

ポタリ ポタリ
秒針 ....
詩の尾っぽを見つけて
しまったら
原稿用紙の海へ
すぐさま舟を出したくなる
昼だろうが 夜だろうが
凪だろうが 嵐だろうが
あくまでも
must、って感じで

置かれた受話器から ....
まとまらない
まとめたくない

心 自由に泳がせて

瞼の裏の水辺に浮かぶ
貝殻は過去のぬけがら


まとめる気がない
今日という一日を
どんな糸もすり抜けていく ....
          161103
そこに
あったはずのものが
見あたらない
そんなことが続いて
数十年
子どもから大人に
そして老境を迎え
あの世に戻るのだと
人はいう
横町を挟ん ....
葉が咲いている
膨大な緑素の内側に隠されていた
すがすがしい高熱が
いま葉をじりじりと焼いている
葉を継ぐものたちへと自らを遺すため
いま葉は美しい自殺を持続している
葉は世界の画素と ....
わたしに命をふきこんだのは
横須賀の廃屋のようなうちに猫と車と住む
がんこなかんばん屋の男だった

かんばん屋と猫と車はそのうちで
消えたがる女をなんにんも生かし
わかれをつげてきたという ....
うちのワイフは
言ったら伝わる
と思いこんでいる
だからよく言う
「さっき言ったでしょう!」
「その時言ったでしょう!」
雨はやわらかく弾けて
あおいビー玉となり
ひとみに触れてとけてゆく

風は産毛をなでながら
うすい絹となり
はだに濡れてしみこむ


きみの発するパルスは
聞いたこともないのに
 ....
その黄金の旋律を聴け
何と斬新で鮮やかなのか
人間の成せる究極の構造をそなえ魅了する

頭蓋を瞬時に捉え
胸の鼓動は高鳴る

彼の骨格も偉大で
石棺に横たわり永遠に眠り続けながら
我 ....
わたしの舌に、消えない火傷
あなたの魂を舐めたとき

廃屋のような体に、光る痛み


もし、あの青い林檎をもいだなら
神はわたしの性を奪い
燃えさかる海に放るだろう

わたしは赤く ....
その森は 迷う為の場所で 






正しさや真っ当さ

綺麗な水 清潔なもの

そんな美しさを含むものが

自分の中で過剰に飽和した時に

一旦総 ....
商店街を薙ぎ倒してゆく
あげたてコロッケのにおいがする
かぐわしい爆煙が
頭の中の大事な部分に触れている気がする
夕方17時には戦車に乗って
ブリキの通学路を蹂躙する
夕方17時には戦車に ....
ひだかたけしさんの自由詩おすすめリスト(7334)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空は二十キロの渋滞- 這 いず ...自由詩516-11-8
天体とこころ_Ⅲ- 白島真自由詩21*16-11-8
日輪- レタス自由詩316-11-8
生まれたての詩- シホ.N自由詩516-11-7
みかんのきせつ- 村乃枯草自由詩9*16-11-6
やせほそる銀色のおひめさま- 田中修子自由詩7*16-11-5
舞台の中で生きるように- 葉月 祐自由詩2*16-11-5
_再生_- 小林螢太自由詩6*16-11-5
晩秋- レタス自由詩416-11-4
二人ぼっち- 朧月自由詩116-11-4
砕け散った- 葉月 祐自由詩4*16-11-4
いけてる- もり自由詩8*16-11-4
夏をみる人_- 白島真自由詩21*16-11-4
森の教会にて- ヒヤシン ...自由詩6*16-11-4
下北沢- 5or6自由詩3*16-11-3
こたつたつ- 灰泥軽茶自由詩516-11-3
白猫語り- 為平 澪自由詩7*16-11-3
Without_knowing_anything,_but_ ...- 5or6自由詩1*16-11-3
秋の朝に- レタス自由詩216-11-3
詩人の彼は- もり自由詩4*16-11-3
ほどいてしまおう- 葉月 祐自由詩9*16-11-3
みあたらない- あおば自由詩15*16-11-3
紅葉- 葉leaf自由詩416-11-3
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伝わる- ホカチャ ...自由詩216-11-2
変調少女- 小林螢太自由詩6*16-11-1
バッハに捧ぐ- レタス自由詩316-11-1
火のように- 印あかり自由詩12*16-11-1
解放の森- 葉月 祐自由詩11*16-10-31
こたつと戦車- カマキリ自由詩416-10-31

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