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  ここで)ソラヲミヨ      ここに) ....
「そうなのです。わたしも、エランドル様にそのことを言いました。
 ですが、彼はさらに高いものを目指しているようです。
 世界の再編です……」そう言うヨランの言葉は、震えていた。
彼が素人ながらに ....
「分かった。その魔法石は、わたしが預かろう。
 しかし、ヨラン。お前はリグナロスとも通じていたのか?」
「盗賊の情報網を軽く見てはいけません、エインスベル様。
 あなたの傭兵団の長、エイミノア様 ....
そして、エインスベルの牢獄の鍵が開けられた。
エインスベルは、左手首をさすりながら、牢を出る。
エインスベルは、牢獄で自らの身を傷つけていたのである。
それは、自らが生きているということを確かめ ....
「ヨランよ、アイソニアの騎士よ、どうしてここへ?」
「ここまでの衛兵は、全て騎士さまが倒しました。しかし帰りは……」
「何だと? 良くやったな、ヨラン。そしてアイソニアの騎士……。
 ここにいる ....
エインスベルは壁を見つめながら、沈黙していた。
先ほどから、リグナロスがエインスベルのもとを訪ねてきていた。
「エインスベル様。助けはたしかに参ります。それまで、
 どうかご辛抱なさいますように ....
「ところでヨラン。今は何月の何日だ?」と、アイソニアの騎士。
「俺たちは、ハーレスケイドで長い時間を過ごした。
 エインスベルはもう処刑されているのではないか?」
「心配はございません。今は、リ ....
二〇二二年四月一日 「ホークスビル収容所」


 SF傑作選『ホークスビル収容所』を、ヤフオクで、送料込みで760円で落札。これで、しばらく本を買うのをやめるつもりだ。けれど、1冊、別のシリーズ ....
「分かった、ヨランよ。お前はエインスベルを救えるのであろう?
 わたしは、そう出来なかった。今は……いや、言うまい。
 今回の遠征のこと、俺は誇りに思うぞ、盗賊ヨラン。
 お前は、龍族と交渉し、 ....
「なら、お前のことは信用できるな。ヨランよ、
 この地下室からの脱出通路を、俺に教えよ!
 今すぐにでも、エインスベルの救出に向かう」
「はっ。御身が思いますままの良きに」と、ヨラン。

ヨ ....
「今は龍族のことなど、放っておいて下さいませ。
 エイミノア様のことに関しては、残念でございました。
 ですが、今はエインスベル様を救う時です……」
「そうだった。エインスベル……」と、アイソニ ....
きみの教室はいつも水浸し
ぼくの上靴にフィンが生えてきた
きみを追いかける足は上手く回らない
きみは息継ぎが苦手でいつも口ぱくぱくで
そんな間抜け面もとても可愛くて
ぼくの教室も常に水浸しで ....
乾いた感覚で日曜の夜の表面を滑っていく
音楽やアルコール、色のない浸透でゆらゆら浮かぶ
希望、のような、淡い文学を
手に入れたい、と
思っている


言葉は、薄く切っ先を重ねてい ....
悲しいかい って 聞いてくれて

さみしいかい って 聞いてくれて

そんな 言葉を 夜に 手に入れて

満足なのかなあ

いやいや そういうわけでもない

ただただ  ....
朝起きて
窓を開け
詩を書きます
って言いました

そしたら俺は詩人になった
遠くで老婆がこっちを見ていた

階段を降りて玄関を出て
虹色に輝く木刀で斬り裂いた

あの老婆の
 ....
(───パトカーのドアを開ける。振り向きざまに笑みを浮かべた少年が、後部座席へと乗り込む。

(少年は振り向き、笑みを浮かべ、パトカーに乗り込んでいく。

 ───厄介な事を起こしたの ....
気がつくと、そこはオスファハン邸の地下室だった。
ヨランとアイソニアの騎士とは、頭を振る。
(一体、何がどうなったのか……)
「アイソニアの騎士様、わたしどもは現世へと帰ってきたようでございます ....
「死んではなりません、エランドル様!」オーマルが叫ぶ。
「あなたは、我らドラグネイアスの救いでもあらせられます!」
「ふふ。我は託す、そこなる道化師へと。……虹の魔法石を、
 よく使え!」そう、 ....
「汝はドラグネイアス。我に仕えるものである。
 そして、汝自身が生きた意味も、やがて分かるだろう」
エランドルの言葉に、オーマルは首を垂れたみせた。
「殊勝だな、オーマルよ」──と、アイソニアの ....
おててはクマさん
つめたいお水でお米研ぎ研ぎ
あ、あまり研いじゃうと
えいよう、が損なわれちゃうよ

「お父さん、ちょっと黙ってて」

はい
すみません

だって、お前の初めての、 ....
窓の外のそらはどんよりしていた。
インドのモンスーン由来の雲が流れ着いたらしい。
「光のない練習曲」を聴いている。
「エランドル様。本当に大丈夫なのですか?
 このオーマルは、貴方様の身を案じております……」
「心配するでない。あそこを見よ、あそこには、
 虹の魔法石が陣座しておる。我の代償としてだ」

 ....
そして、中空に光が放たれた。三人を、七色の光彩が包み込む。
「エランドル様!」オーマルが、別室から叫びながら現れた。
「心配ない。オーマルよ、我がこの者たちに、
 虹の魔法石を渡したことは、忘れ ....
「今さら救世主の顔など、お前には似合わないぞ?
 お前は、ドラゴンどもにエイミノアを殺させた。一人の殺人者だ。
 そして、多くの人間の命を奪ってきたのだ。そうであろう?」
「そうだ。わたしは救世 ....
{引用=愛するもの


この世で

わたしが愛する


生まれてくる

一粒一粒の

見つめつづける


崇高な存在

あふれている

美しいことを知って ....
 

ゆっくりと 静かに 並木道を歩いていると 

道の 向こうから 木々の間から 

おおきな青い空の 向こうから 流れる白い雲の 間から 

時間と 空間の隙間から 

時 ....
「ドラゴンが自然な姿? どういうことだ?」アイソニアの騎士が尋ねる。
「お前は考えてみたことがないか? 人はなぜ争い、殺し合いをするのかと。
 人は愛する者のために生き、時には家族のために犠牲を強 ....
「一体何が起こったのだ?」アイソニアの騎士とヨランは、驚き、叫んだ。
「案ずるのではない。奴らが暴れ始めたのだ」
「奴らとは? ドラゴンたちのことですか?」
「そうだ。今奴らは、怒りの最中にある ....
「ずいぶんと高飛車に出たではないか。『エインスベルを救え』とは?
 人にものを頼むのであれば、まずは膝を屈するべきであろう。
 ましてや命令など……。俺は、アースランテの千人隊長だ!」
「頼んで ....
友よ、と言った君の声をこの耳は聞いた
この耳を大切にしたい
けれども声はすぐに去っていった
彼方へ、とあの人も言った
あの声をそっと眺めていたい
けれどももうここにはなく

日々打ち上げ ....
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