すべてのおすすめ
手紙 のようなものを
書こうと おもう
声に してしまうと
儚く 風になってしまうようで
私が
今ここに いることや
この時代に 生きることや
出会った すべての人や
....
鉄の玉が 転がりつづけるように
月が軌道を 描きつづけるように
慣性の法則
君への想いは
林檎が木から 落ちるように
グラスが床で 砕けるように
引力の法則
君への想 ....
えらい人 と えらくない人
の あいだで
ぼくは ただ 浮かんでいるだけ
ぷかり ぷかりと
どちらにも ひかれることなく
ただ 月の引力にだけ
ただ 自然のことわりにだけ
満ち ....
その丘は
いつも 風が吹いているので
僕は 立つことの意味を 考える
その丘からは
遠くの川の流れや 大きな樹が作る木陰
彼方の波立つ海が 見えるので
僕は 立ち続けることの意味を ....
いつだって それは流行りすたりで 忘れられてしまうのだ
多分 何年かの周期で
誰かが 自ら 命を絶つたびに
それこそ 今始めて それが問題になったかのように 騒ぐ
連綿と 続 ....
美人薄命 というくらいだから
女の子は 青白い顔をして 少しくらい体が弱いほうがいい
などと思ったのは 十二くらいまでの話で
ただ ひたすらに 丈夫であることは 尊い
そう 思う ....
打ち切られる命の値段は、いくらなんだろう。
「リハビリテーション打ち切り問題に対する反対ネット署名」
http://www.craseed.net/
僕らは、 ....
「ごめんなさい」の 名刺を
わたし たくさん 持っていた
けれど
ほんとうの 「ごめんなさい」は ほんの少しだったかもしれない
それは とても かなしいこと
隣町の休 ....
吐く息がすぅすぅと白くなるので
ああ そうか と合点がいく
駆け込みで無意味に アスファルトが掘り返され
交通誘導のおじさんは 震えながら旗を振る
工事ラン ....
ただ
ハコベの花のように
ひそやかな 誇りをもって
ただ
ハコベの茎のように
地を這う たくましさをもって
ただ
ハコベの葉のように
しんしんと いのちをもって
本日 ....
昨日 はす向かいの家の犬が
三匹の子犬を産んだ時
アフリカ国境のキャンプで
百人の子供が生まれたらしい
朝 すれ違ったランドセルの女の子が
下駄箱の靴に忍ばされた画鋲で、親指 ....
わたし 嘘を つきませんの
わたし 嘘が つけませんの
嘘のように見えるものは
きっと
嘘じゃありませんの
キライ キライ キミガ キライ
私 嘘は つけませんの
....
偉い人と 偉い人の話は
よく わからないので
ぽつん
私は 蚕蛾で
さくさくと 桑の葉をはむ
ずるい人と ずるい人の話は
よく 聞こえないので
ぱりん
私は 繭 ....
正雄さんは 今日はいらっしゃるのかしら
律儀に今朝も 同じ時間に
サクさんは 二階の詰所にやってきて
繰り返し そう 尋ねる
わたし 頭がおかしいから 心配なんです
杖の先を遊ば ....
ラブホテルに行きたいわ
クリスマスにどうしたいかって訊かれたら あたし多分そう答える
37階建てのホテルの最上階の夜景もそれはそれで良いのだけれど
君の瞳に乾杯するほど嘘なんかつい ....
今夜は
無性に 胸のあたりが苦しいので
闇の中
家の裏山に ドラえもんを探しに行く
おそらく
好物のどら焼きをえさに
すずめを捕るような仕掛けで
竹篭を逆さにしておけばよい よう ....
鉄火巻きをこよなく愛する
あなた
まぐろだったら 握りでいいんじゃないのって
訊いたことがあったけど
海苔が ね
合うんだそうだ なるほどね
パスタなら タラコスパゲッティ
中華 ....
「勝ち組」 なんて言葉があるが
そんなもの
どうでもいい
認めようと 認めまいと
私たちは 間違いなく
「生き残り組」 だ
街路を覆う銃弾の嵐も浴びず
怨恨のナイフに刺される ....
かね かね かね の 世の中ですね
いにしえならば
女郎屋にあずけた お菊さんの身の上
借金のかたの かなしみなど
誰も
尋ねやしないから
時々 忘れてしまいそうになる
....
あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる
昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
土曜日の朝
うすぐもりの駐車場
ねこ が
けむくじゃらの腹をだして
大の字で 寝ている
ねこすけ
尊敬の念をこめて
そう 名づけよう
まるで 王様の余裕
僕ら ....
そうですね
と
いってみる
そうですね そうですね
そう かもしれません
そう いう考え方もあるかもしれません
そう いうものの見方は
ほんとうは
かなしくは ないですか
....