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{引用=昨日の空と、今日のわたしと、明日の凪と、そこに存在しない隙間、}




窓際のプリズム きみと共有し 虹のない冬に射しこむキセキ



近づいてなお遠ざかる逃げ水にかざす指 ....
うすべにの桜を頬にほころばせ
ふゆを咲くのは
あどけない、春




さむい夜
機関車さながら息をして
笑っていたね
星くずの頃


転んだらふわふわでした新雪は
 ....
名前など 関係ないわ 字があれば
あなたの想い 伝わればいい

匂いとか 囁く声も 二次元で
横スクロール 上には行けない

なんとなく ただなんとなく なんとなく
ああなんとなく なん ....
{ルビ山菜=やまな}摘み 岩清水にて 菜を洗ひ
水小屋入りて 蒸し煎じする

トントンと 微かに叩く 音すれど
何人おらず 風の{ルビ音=ね}なるか

煎じ薬 竹筒詰めて 持ち帰る
真暗 ....
 出発を告げる笛の音 闇を裂く 背中押されるままに乗り込む

 さようなら 吐息の窓に書いた文字 消えるころにはすべてが終わる

 逆向きの電車に乗れば初夏(はつなつ)の第一話まで帰れるはずだ ....
遠ざかる夏の約束今さらに水たまりに咲く蓮の鳴き声




失ったものなどひとつもないような ちいさな津波のあとのリセット




くちづけで透明なピリオドを打つ始まらないままの第一 ....
天を問う声に季節はすみついて羽はだいだい地を駆けめぐる





おのが目に降り積むものを焼き払え隔たり持たぬ点灯のため


くらやみにうごめくものを虫と呼ぶひかり求めて ....
笑うとき「にゃん」と音がするでも君は
ビーグルに似たつぶらな瞳

ネイルサロン行ってきたのと手を返し
ピンクノピックで僕を奏でる
朝起きて君に一番におはようを言えた小さな夏の思い出 君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
潮風と過ぎ来し時を背に流すさだめのごとき蒼を開いて

旅立ちの日には必ず響いてた警笛がいまつまさきで鳴る

桟橋に残したサヨナラ遠ざかる振っていた手で面舵一杯

羅針盤果て ....
薄色の文引き結ぶ梅が枝に
  あはれこよひも花の咲くらむ


花に積むはかなき雪の消えしとき
  心づくしの香ぞ立ちにける


東風吹かば北野にかへる白梅の
  ごとにかなしきひとよ ....
帰ります、とメールをしてきた君が向こうから全力疾走で


君の重さを受け止める。お姫様抱っこ?もう少し痩せてからね


人ごみに紛れこむとどうして私だけがここにいないんだろう

 ....
さよならと書けずにsayonaraと書く僕らのポエムは今日も悲しい



鼻のにきびをさっきから気にしてるあなたは僕の大切な人



誰にも食べさせないよと子牛を抱きしめ泣いた従兄弟と ....
凍てついた
道端に咲く
一輪の

花びら見つめ

「もう少しだよ」
きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる








涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感


雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが ....
(ここでは宇宙をスプと言います)
最前列右の左のスプを見た見たもの全て衛星で死亡



(ここでは宇宙をンと言います)
ンの声がロケット破壊しつくしてβ・γ線上の{ルビAir=アリア}
 ....
花ことば常に前進ガーベラよ
         夏の花だとおまえの笑う



すれ違う風の香りの優しさは
         コンマ二秒心留まり



夕闇に街のネオン瞬いて
    ....
日常に溶かしたはずの角砂糖なめてみたけど甘くはなくて

君の手に触れてみたいと思うのは見つめるよりも愛な気がして

目覚めたら全部白紙のストーリー笑わないでよ寂しがりなの

真っ白なあの雲 ....
 
  黄海をはたはたはたと飛んでくる蝶の背中に銀杏のコピー

  燃えている書類の中の拳銃を持って少女は大空を舞う

  ぐるぐると螺旋階段のぼってく400メートルの空中楼閣

  腐 ....
暖色の山の合間の分岐点開花未遂で冬がはじまる


先輩と呼ばれし秋の公園の噴水近くのベンチにも冬


少年が少女に呼ばれ午前二時 雪の黒さを確かめている


ひとひらの雪を蛍とたとえ ....
罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人


森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森


瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
 ....
飛行船はるか下方に点となり僕らふたりは帰れないまま


「ふらわぁ」と君がひとこと呟けば辺り一面芽吹きだす花


明け方に鏡の部屋に迷い込み乱れ咲いてるきみの朝顔


花園で追いかけ ....
夕暮れに花を選べばひまわりが遠いどこかでうなだれている


草むらの茂みに隠れ咲いた花ひとりの兵士 目は閉じたまま


ゆっくりと開いてゆくの花びらがだからわたしは滅んでゆくの


 ....
屋上にスカート揺れてあとは空ばかりが残ってしまう学校


渡される廊下で後ろ振り返るきみによく似た少女が今も


出来すぎた出会いに怖れ隠せない手を繋ぐだけ見つめあうだけ


影追っ ....
縁側で闇を見ている妹の白いうなじが僕を呼んでる


夏野山汗ばみながら駆けてゆくゆくえふめいの妹の兄


鉄塔の錆びた階段昇りゆく100階したから姉とは呼べづ


鏡台に映る妹べにを ....
塵と{ルビ謂=い}ひ 花や星とも {ルビ謂=い}ひかねる

 人は人とは こたえぬものを
諸々と 時の経過と 太陽と

 {ルビ運命=さだめ}を{ルビ衒=てら}う 脳裡が影絵
水鉄砲空に向かって引き金引けば雨とは違うりずむさわかる?


朝露で光る蜘蛛の巣払えども蜘蛛を払わば晴れぬ我が梅雨


魚たちきらめきながら海の底反射の果てのうろこ雲かな


君の名 ....
われもまた さりゆくものか いまはなお

 ゆきついきづく いけどもゆかむ
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