永遠なんて信じていないから
今日を懸命に生きている
わたし
だけど
あなたといると
永遠があればいいなって
思ってしまうから
明日のこととか
来週のこととか
今日が ....
悲しみから抜け出せない時は
逆に明るくポップな曲を作ることにしている
あぐらをかいて床に座り
ギターを膝に抱き
最初の指は決してマイナーを押さえないよう
歌いながら
少しずつ構築さ ....
天井の上で暮らしていると、
ほこりがころころと転がってくる
僕もまけじところころ転がって
天井の上を走る配線コードにからまる。
スパゲティのような気分になる。
えんとつのけむりで窒息 ....
腕力と脚力
今はそんなに必要ないかもしれないけれど
地震が起きたり
雷が落ちたり
火事が起きたり
親父が死んだりしたときに
大事な家族を守るため
ちょこっとだけ鍛えておこうと思う母
地の底の歌を聴き
暗がりの言葉をまさぐり
ざわめく井戸端をなぎたおし
しどけなく横たわる絹のストールを引き裂き
ヒリヒリと苛立つ昨日を脱ぎ捨て
ゆがんだ唇を真っ赤に塗りつ ....
一日が終わっていく
きょうは
1/150億年の一日
ちいさな一日
僕の一日は乾いていた
びしょ濡れだった人もいるだろう
途中で息絶えた人もいるだろう
寝過して飛ばしてしまった
....
私はクッキーを焼きたい
できたての甘い匂い
サクサクの食感
それだけで幸せになってしまうような
自分の懐かしさを受け継がせるかのように
子供に甘いクッキーを食べさせてあげたい
それ ....
ラムネのビー玉を
半分あげるの、と鳥かごに入れて
じっと様子をうかがっている
握り締めたもうひとつには
何が映っているの
+
冷蔵庫の隅に
食べちゃだめ
と念を押されたりんご飴 ....
裏木戸を開けると
ひぐらしがないている
あの木の下
薄暗い桜の木の下で
闇間に鼻緒が見えている
そり返った白い足の指が
細い脛が折れそうにのびて
あの時もひぐらしがないていた
....
スガイは或る貧しい村の生まれである
彼は五人兄弟の長男で
下は四人とも妹であった
スガイは十歳のときに夢を見た
光り輝く犬が お前は医者になれ と言う夢であった
スガイには両親が居な ....
音の闇があり
むらさきがあり
白い泡を染め
闇を抜ける
夜の会話が屋根を歩き
窓から入り
まばたきに驚き
再び出てゆく
夜に咲く花と脇道
小さく手を振る気 ....
一粒一粒を
じっくりながめて行くと
一粒一粒が
独立した岩石であることに気付いた土曜日
砂漠化の影響は都会にも広がっている。
あなたの近所にも小さな砂漠がある。名を砂場という。
....
家を
ぼだされだ
わらしが
わらしでなぐなるまで
泣ぐ声が聞ごえだど
おめは
山がらひろってきた
わらしだがら
ほれ、見れ
この柱さ傷がある
熊の爪あとが
オドは言 ....
なぜにこんなに空が美しいのかとか そういう
ことを考えている、ぼんやりと、なにげなく、
どこへ行くのだろうとか、どこへ帰っていくのだろうとか、
たましいはいったい何なんだろう、とか考える おなか ....
もっとあなたを見せて
ねえ 写ってる? ここに 写ってる?
拡大してみても
ただのあなたしか見えない
見えない(見える
見える(見えない
見えない(見えない
性格をよく表して ....
子鬼が
ざくろの実を食べた
僕はひとり
校庭で体育座りをしている
世界が夕暮れていく
どこかでまた
朝焼けをつくりながら
海の肉を食べたら
液体の味がした
フォークとナイフで切り分けようとしたら
テーブルが水びたしになった
海の肉を食べたら
口の中が青くなった
口中に水平線が広がり
のど奥に海底が生 ....
暖かくなると頭に何か湧いている人が出る
とはよく聞くが
暑くなると いっそう頭が釜茹でで
どうでもいいようなことばかりを考える
むしろ思考停止
蛙の輪唱 蝉の輪唱
いや 蝉は臨床
釜茹で ....
マジにミラクルがもうすぐそこをとおるのがわかる
おれたちは
どこに浮かび上がり、
どこに染み込んでいくんだろう
真昼のみずあび
世界で一番きれいな
ひかりのうでが砂をい ....
キツツキがキツツいている
キツツかれた木は
最初だけ驚いて
すぐに
キツツかれることに
慣れてゆく
キツツキは無自覚に
キツツいて
気が済んで飛び去った
インドの人は、眠る前に必ず牛乳を飲むんです
と、先生は言って笑った
まあ、日本人の場合は
摂りすぎると下痢してしまうんですけれど
これは体質的な問題で
別れ際
先生は、右手をひらげ ....
ドクンドクンと
音がして
ゆらゆら この身を
光らす羊水
私の中の躍動は
彼女の鼓動と
重なる夢を見続ける
広大な青空は
昔、海だったことを
思い出し ....
命と
命ではないものが
同じ重さで
釣り合ってる
木陰で呼吸しながら
人はもっと
賢く生きていけた
午後、砂利道は続く
消しゴムでは
届かないところへと
カレンダーに埋まった部屋を捨て
ベランダの柵に腰掛け
昨日から漏れてくる声と対話する
ずいぶん意見の合うやつだ
好きな食い物が一緒だし
口癖もどうせだし
財布の中身もよく似てる
大抵俺の ....
年号は覚えやすいねにせんはち年におこった(できごと)ならば
蛙の降る梅雨も終わって空蝉の降る夏の瀬も埋葬されて
上階に行けば行くほど高くなるベランダに立つ柵の高さは
....
猿の姿をした雲が
夏の夜空をゆっくり流れる
胸の雲間に
今にも満ちそうな月を
光らせて
さようなら、
がこぼれたときに
ついた足跡が泣いている様で
ダンボールから、のぞく
空の目は
ただ無色の息を吐いていた
寄ってらっしゃい
見てらっしゃい
時間に置い ....
「幸」という文字を
鷲づかみしようとしたら
いつまでたっても
この手は空を切りました
全てを手放し
両手をまあるい皿にしたら
今までよりも「幸」の文字が
くっき ....
宇宙は水飴色です
ゆっくりと
ながく
{ルビ湖=うみ}に似た時間の中で
シクリと微笑んで
星は甘い時間を漂っています
例えば恋人のこととか
例えば死んでしまったこととか
そうして
い ....
美しいものをめでる
心のゆとり
育てる喜び
待つ楽しみ
花を愛する
水をやる
暑さ寒さから守り
鉢を変える
蕾がふくらみ
いつ花が咲くか
楽しみに待つ
香り高き花たちよ
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511