逮捕されたそのオトコには
十億円の借金があったそうだ
四十年のジンセイで
どうやったらその借金が出来上がるのか
そしてそのオトコの数年は
十億円の価値のある
ものだったのか
それとも
 ....
雨は降りそそぐでしょう禁じられても
大地は受け止めるでしょう嘲られても

たとえ何億回囁かれたとて
愛は愛でございますとも
たとえ道端で売られていてさえ
人は人でございますとも

あた ....
うちの近所の橋の下に
ホームレスのおっちゃんが一人住んでいて
橋下さんと呼ばれている

橋下さんは五十代半ばくらいで
よく釣りをしている
釣れた魚は焼いて食うらしい
釣りをしていないとき ....
たとえば 
わたしが沈むとき
くるくるとつむじをなでる
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしがつまづくとき
ついとおでこを押える
てのひら
がほしいのです

たとえば
 ....
  

  河馬が大口あけて
  地球をまるごと
  呑みこもうとしている


  ジャングルでは
  森が伐採され

  酸素はたしかに減少している

  ぼくが気管支炎なの ....
不意に後ろから呼ばれることに身構えている名前のように

わたしは鉄板のように滑らかだと思っていたら 後ろから打たれた
ひどく鋭く尖ったもので ハンマーの音は屋根裏から聞こえるのだ
知らないこと ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う

乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める

 「 ....
ほら、小型偵察隊が来た

黒い6本足と大きなアゴ 列をなしてやってくるよ

大変、飛行部隊もやって来た

すごいうなり声上げて私達の上を飛び回ってる

紫外線のせいか、冷たい風のせいか ....
楕円の踊る 炎の中へ
熱くない驚きよりも
息のできない
もどかしさで満ちる

なつかしいオレンジ色

ちろちろと
溶けだして
 ....
駅のホームに
オクラがひとつ
おはなしは
あなたが考えて

(夜勤前に愛野駅にて)
こうした追悼文をしたためようか、迷いました。きっと誰かがそうしてくれるであろうし、昨日今日の出来事だったから、心のブレを伴うほどの時間であるし、言葉も掬っては零れてしまうだろうと、思いを巡らしていまし ....   

  恋を失って12年
  それでもだれか
  こころのなかで
  慕っているものがいたか
  どうだかわすれてしまった
  『わがノルマンデイ』* もない
  それでも人は生き ....
エレヴェータ に乗っている
ねても さめても いつでも
エレヴェータ の透明なガラスは
都市の骨を映し出して
エレヴェータ は昇る
いき あっても いきたえていても
エレヴェータ は香りに ....
 小学校3年生の時の担任のN先生は、子供に作文や詩を書かせることによって、考える力、生きる力をつけさせるということを提唱し、本も沢山書いている方でした。
そして、授業中やそれ以外の場所で、草野新平や ....
どううぶつえんの檻の前で親友は盤を取り出し
飛車角落ちで良い、と言う
親友の温かい手から飛車と角を受け取り
どううぶつの檻に投げる
どううぶつは隅でうずくまったまま見向きもしない
飛 ....
午後からの黄色い日差しが
薬指を切断して
といっても痛くはなかったけれど
そこからこぼれてしまったから
月はなかなか登場できない

こぼれたものを
みんなが拾って来てくれた
といっても ....
冷え切った校舎の裏
ささくれ立った言い訳をした日
嘘をつくのは単なる処世術ではなく
空気と同じなんだと信じることにした


地球は今この瞬間も律儀に回っている
無数の嘘を繋ぎ止めながら
 ....
触れる息づかいの細かさが、
粉雪となって降りしきる夕闇の皮膚。
染みのように足跡が
水平線に向かって伸び、
従順な獣のようなひとときが、
手ざわりに消えていく。
顔のない人々が、
薄い膜 ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
ありったけの小銭を持って
僕らはオークションに出かけた
実家が火事なんです
と泣きじゃくる男の人に競り勝ち
三匹のサワガニを落札した
一匹は僕が名前をつけて
一匹は彼女が名前をつけ
 ....
誰も住まなくなった家
ロビンソンが住んでいた
天井はピンク
壁はオレンジ
暖かいにおいがした

ぼくの近道
誰もいなかったはず
「ロビンソン」

窓からのぞく
ぼくに気づいて
 ....
暗い道に
落ちているもの

気になるけど
拾わない

これまで何度も
何度も
拾った

それらは拾って持ち帰ると
どれも
黒くなった
わたしは悲しかった

暗い道に
落 ....
せっかくの ためいき

せっかくの ふじょうり

せっかくの りふじん

せっかくの ふこう

せっかくの たぼう

せっかくの すきなひとのよわね

せっかくの すきなひとが ....
鉄の箱の天上に
はりつけられて
どこにも飛ばぬ
翼たち

(境港にて)
大きな家並み
さらさらと消えていく
小さいものは遠い
遠いものは小さい
当たり前のこと
当たり前のことなのだけれど
座席にまぁるく
またひとまわり
小さく白い母
毛繕いする風
瞼の ....
あきらかな
あたたかな
あなたとわたしの
いっときの
うんどう

えんどれす

おともたてずに

かなしいよる
かたつむりがはう



きりのなか

ください
く ....
ゆるやかに弩放たれ、
手のひらが裂けてゆく。
破れていく皮膚がいろいろな声とともに散る。
なにものかを握ろうとしていた形そのままに、
散乱していく限りなく薄い感触は、
体温を残す残像となって ....
先生 この前のテストは100点だったけどBでいいです先生私先生が好きです。


ラメ入りの少年 惚れさせてしまうのは男どもばかり 生理も来ない


触れてとは言わない言えないでも触れな ....
古い倉庫、砂埃に覆われたコンクリートの床は
汚れた床とは二度と呼ばれることはなく
砂埃ごと床として在って
鉄パイプの配置もダンボールの配置も
いつしか放置に変わって


私は ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
十億円コミュニケイト- umineko自由詩904-10-7
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橋下さん- 佐々宝砂自由詩7*04-10-6
てのひら、そのとなり- 望月 ゆ ...自由詩1104-10-6
アース・ワーク- 天野茂典自由詩204-10-5
くされる秋- 黒川排除 ...自由詩204-10-4
かわいい匂い- チアーヌ自由詩7204-10-4
空中列車- 服部 剛自由詩25*04-10-3
インベーダー- びわ自由詩304-10-1
世界(炎)- 湾鶴自由詩904-10-1
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(追悼文)石原大介さん—『だんすがすんだ』を傍らにして- バンブー ...散文(批評 ...904-9-29
渋谷へゆこう- 天野茂典自由詩504-9-29
エレヴェータ_- 刑部憲暁自由詩604-9-28
「詩と私」- ふるる散文(批評 ...12*04-9-27
ゆうううつ- たもつ自由詩28*04-9-22
ふつうの時計- ふるる自由詩7*04-9-22
朝の儀式- 窪ワタル自由詩15+*04-9-20
盲目の贄- ななひと自由詩304-9-20
真空フラスコとティンカー・ベル- umineko自由詩45*04-9-20
サワガニ- たもつ自由詩904-9-18
ロビンソンの家- 初代ドリ ...自由詩2*04-9-18
暗い道に落ちているもの- チアーヌ自由詩904-9-18
あっしゅ- 喫煙変拍 ...自由詩604-9-18
妖怪電車- 佐々宝砂携帯写真+ ...204-9-18
路面電車- バンブー ...未詩・独白304-9-18
あいうえんどれす- 岡村明子自由詩4*04-9-18
展開する身体- ななひと自由詩604-9-17
破壊活動- ピッピ短歌45*04-9-12
愛称倉庫- A道化自由詩704-9-10

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