唐突だけど。

死ぬ真際に何を言おうかっていうのは、だいたい考えてるんだ。この人には、これって感じで。

死はとても唐突で、残酷なものだ。美化する勇気を、自分は持たない。

  *  *  ....
びっくりするほど似ている流れと色があって驚いた。

くりかえしくりかえし
「無理だ」
「もうやめよう」
が寄せては消える気持ちの流れと、
そこから逃れられない縛りのようなものがとても似てい ....
寂しい川面をゆく鳥たちが泣いている。
呼吸する都会の爛れた果実の奥で、生きる者の哀しい涙が漂っている。
世界の涙の尖塔が、青い空を突き刺している。

時間の感覚すらない。呼吸している感覚すらな ....
団地の掲示板に 
吊り下げられたままの 
忘れ物の手袋 

歩道に
転がったままの
棄てられた長靴 

{ルビ棚=たな}に放りこまれたまま
ガラスケースの中に座っている
うす汚れた ....
ばあちゃんは、今年七十五歳だ。十人ばかしの小さな老人ホームに住んでいる。亭主の残したラーメン屋を売って、ここに移ってきた。ばあちゃんは、天涯孤独だ。亭主は、十数年前に、息子は、それよりももっと前に .... 声がする
そこに

手をささげる

声がする

うつくしい声

うつくしい瞳

うつくしい日
  「ルイーズの空」

    ルイーズはいつも空っぽだ
    ルイーズはいつもとんがっている、山高帽の
    だらしない紳士の椎骨あたり
    途方も ....
大きな口を開けたワニが
天気の真似をして
すっかり晴れわたってる

魚の数匹は遠ざかり続け
それでもまだ
誰の指にも泳ぎつかない

沢山の羊を乱雑に並べて
さて、どれが正解で ....
 

  しろいけいこうとうのしたで
  あなたのはだはとてもすきとおってきれいにみえた
  あなたのはだのふくらみやくびれをがいねんでなぞりながら
  わたしはしずかにしゃせいをした
  ....
とてもすきなものが多すぎる。

しかも、そのすきなもののひとつひとつが、あまりに強すぎる。
わたしは身体に支配されたかと思うと次の瞬間には音に支配されていて、
その次の瞬間には色に支配されてい ....
このじきにだけ あらわれるから
春の妖精ともよばれます
すぐにおわるけど ちゃんと悩んで
泣いたりしないと 花ひらきません
ゆっくり急げ きみたち 
あなたのしあわせを願うその端で
あなたのしあわせを
憎んでいる

あなたが誰かに
かきよせられるその事実を
感じないように努めている

あなたが傷つけばいいとどこかで思ってる
地球が ....
耳たぶを
どうか
噛みちぎってほしい

此処から出られなくていい

私が誰で何処から来たのか
なんのために生きているのか
なんども問いかけて
なんども見うしなう

歌なんか
 ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り




透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢




あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
喫煙所に近づき
しゃがんで声をかける

「 調子はどう? 」

{ルビ煙草=たばこ}をふかす R {ルビ婆=ばあ}ちゃんは眉をしかめ 

「 調子悪いねぇ〜・・・
  明日は歯医者
 ....
歩く すきまだらけのからだに
すぐさま
圧倒的に
言葉の貝がらが入ってきて
それは ひとのにおいがして
たいそう悲しい春先の光となる

光だけだと寒いから
あなたは空と ....
春が

     はるが

傘の水滴に溶けて
声も密やに
幼いまるみの春の子に
子守唄を聴かせる


まだ固く木肌の一部の様子で
繚乱、を隠した蕾は
雨にまどろみ
陽射しに背 ....
切り刻め
春を
芽吹きを
生え初めたばかりのあわい下草を

切り裂け
よく研いだ鉈で
大地を
老いぼれた大樹を
枯れながらまだ生にしがみつく老骨を

一刀両断されたきみの住まいに ....
蔦の絡まる瀟酒な鉄骨のアパルトマンの朝は姦しい

おくにことばが行き交って
美味しいゆげが湧いてくる

毎日どこかのお部屋から
喜びのうたがあふれ出し
ある部屋のかた隅からは
 ....
体じゅう
寒気が
激しい朝
詩がとどく
さむいのに
雨なのに
書いたひとの気持ちが
きれいな色が
入り混じって
ここまで
とどく

チョコレートを
私はスペインの
よく冷え ....
君が煮びたしをつくっている
キッチンは包まれている
昨日僕が割った皿は
既に片付けられてる
君の右手と
黒子のある左手によって

どこかから漏れてきた西日が
ステンレスに反射し ....
“死にませんよ”


春の夜明け
川ぞいの土手を歩いていると
魔王と出遭いました
鼻水をずるずるとすすっています
まだ寒い中僕を待っていたようです
とりあえずティッシュを渡すと
魔王 ....
夢を見よう!夢は見るためにあるって誰かが言ったから。

アル晴れた雨の日わたしは大きな憂鬱に口を塞がれて目を覚ます
はいっ!元気に返事をして起き上がれ空は今日もマッキイロ
それは末期色の暗示? ....
あーやだやだ
まったくもう
早く戦争終んねえかな
もうどうせ負けなんだからさぁ
とっとと終わらせてすっきりしようぜぇ

今度空襲来たらどうしよう
こないだは運良く逃げられたけど
次はや ....
 覚え書きの前提となる、万里の長城よりも長い語彙から
盗み出された建築方法。そのいくつかを私は知っていた。
例えば シベリアのスーパーマーケットの駐車場で
荷物をしこたま載せたカートを押す老婆の ....
真冬の動物園をゆくと、不思議な光景に遭遇する。
例えば、インド象が、真剣に雪を、おいしそうに競って食べているのである。彼は、はたして象なのだろうか。生きている象は、熱帯のサバンナの赤い夕陽を背に咆哮 ....
ちいさいお魚 池の中にいて
緑の葉の下 見え隠れする

山茶花が咲いて 悲しい日だから
私 うずくまっているの

寒いお魚は 貝で出来てる
寒い山茶花は じくじくこぼれる
寒い私 傘を ....
そのとき私は
この上なく上手に手を引かれ
視界は薄紅と肌
幾度瞬いても
ある薄紅、と、ある肌の


指の届く範囲に全ての指が在り
与えられた視界に全てが揃い
あの薄紅、あの肌 ....
ぼくたちはもう
損ばかりして生きていこうよ。

二頭のかばが
インダスの河辺に大きくよりそい
美しい夕焼けをみた。

たかる蝿さえ静かになった。
はなれていくひとびとの足も止まった。
 ....
あなたが大人買いした
その食玩達は
誰もが寝静まる真夜中
遠い国の鳴き砂に耳を澄ます


肺の奥まで吸い込んだ
着色顔料の青色は
どこまでも鮮やかで
いつまでも少女の心と身体を蝕む
 ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
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