疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け

ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる

 満員電車とすれ違うたび
 何かが足りないような
 そ ....
ゼフィルス讃歌




二月のすこし澱んだ灰色の空に 雪が舞う
掌にそっと受けてみれば
それは はかなく消えてしまいそうなゼフィルス
この道をあまたの白い蝶が翔んでいく

さっきま ....
空の果てを見つけた日
ここから飛び立てないと知った
引っ張り上げる手下りては来ず
空っぽな瞳で見つめた朝
小鳥がぱたぱた飛んでいた

地面があったと気付いた日
一本道の砂利道を
ど ....
 
庭の土を見てる
花ではなく土を
理由もわからずに

そこに横たわる
土の言葉で
言葉などなかったように
懐かしく対話する

知らない時を生きた
土の中に
句読点をさがしたら ....
夜中に目が覚めて
月明かりの中に夫の寝顔を見つけた
よく見ると額にはチャックがあって
少し迷ったけど
開けてみたら
不思議な記号や色や
匂いや音が
チャックの向こうに収まっていた

 ....
檻の中に
一匹ずつ
入っていて
「お家に連れて帰ってね。値下げ、半額!」
っていう
カードがついてる
人懐っこいオマエ
大きくなりすぎたね
そういうことってあるんだ
運が良ければいい ....
友達と二人で
山でキャンプをした
山といっても中腹まで車で登って
キャンプ場にテントを張っただけ

晩飯はカレー
キャンプといえばカレーで
これを食べるためにキャンプするようなもの
か ....
ウエストサイズはミリ単位に決定される 
青シャツはすべてアイロンをかける
携帯ストラップは親友からの贈り物 携帯をもっているのは
当たり前
なので
明日の予定は明日の朝にならないと連絡はこな ....
深夜
帰宅。

部屋に入ると

机の上に
白い封筒

手に取ろうとすれば

それは
カーテンの隙間から
こぼれた いたずら

月光の封筒

苦笑しながら
ベットに瞳を ....
お前を水族館に連れてってやる
そしてお前の性根を叩き直してやる
水槽をよく見ろ くまなく見ろ
いろんな魚がいるぞ 種々雑多な魚が同居してるぞ
でもどの魚も悠々と泳いでるぞ
お前はどうだ? お ....
消費のエスカレーションが混沌とする夜
言葉もまた例外ではなく
鋳型で生産され無闇に消費され
資本主義万歳 であるような夜
漁火を灯し 沖合いへ
地図もなくあても無く探す
群れ集まる言葉を捜 ....
まったくもって
さみしく
一人ぼっちの道程ですので
こうして
毎日 毎日
つー てん
つー てんてん と
ヘンゼルが石を置いたように
言葉を書き置いておるのですよ
いつでもそこへ戻れ ....
 
孤独の森に迷いこんだなら
出口を見つけることは
容易ではなかった

孤独の森を
歩き続けることは
苦痛でも
それは森のせいではなかった

森は伐採され
孤独は終わりのない
 ....
伝えたいことは
何を言っても
何を書いても
伝わらなかった

伝わったのかもしれないけれど
わからなかった

幸せは文字の中にはひとつもなくて
生活の中に
ぽっと膨らむ湯気みたいで ....
あたしは どうしょうもなく嘘つきで
他愛もない嘘をついちゃあ
信頼をなくしている

約束を守るのもできやしない
決めた時間に来たためしがない
社会人も失格だ

マニキュアを塗った指が好 ....
命の回転速度が速くなりすぎた夏
季節はわたしだけを残して行き過ぎ
熱を持て余した歯車は少し空回り気味で
もう いいんだよ って
誰かに肩を叩いてもらえるのを待っている
秋の入り口
ウツムイテナメルアシが玄関先まで来ているらしい。
夜だからなと思いながら玄関の灯りを消し、
錠をかけて小さな覗き窓に片目を当てる。
何も見えない。
明日の朝、ウツムイテナメルアシの、
いつも ....
熱帯夜から放たれた八月のあなた
雨戸もガラス戸もカーテンも開けて
短い髪に風を受ける
シャンプーの香りがよせてはかえす
秋の虫が聴こえる
蝉の絶えそうな羽音も渇いたように
風がはためかせた ....
空が高い

空が溢れそうなほど膨らんでいる
今日の地球は いつもより ひとまわり大きい


白い跡をつけながら
西から東へ飛行機

ただ青い中を
東から西へ滑る 白い翼もあって ....
 
夏期講習が終わる
子供たちは飛行船
坂道を駆けおりていく

誰かの夢のように
安らかにうち上げられた
深海の魚を見るために
 
それから少し遠くにある
犬の耳を覗き込んで
ま ....
 
ニュースを繰り返す
缶蹴りの午後
配線のため

テレビを消す
敗戦が聞こえる
空に花が咲いてる

母はアンテナ修理する
一人しかいない
父を受信するため

カランダッシュ ....
{画像=080831113523.jpg}

私の中に
醜いなにものかがあって、
私が私であるようにしている。
私の中にあるなにものかを
しっかりと掴みだして、
目の前においてみよう。
 ....
憶えてないくらい前から僕は
屋根裏部屋の
喋らないラジヲと古雑誌の間で
首を傾げてる
別に忘れられたことを
恨んでるわけじゃない
淋しさのように埃は積もっていくけど
僕は元気

 ....
「伝説の勇者よ、さあ目を覚ますのだ」
 連日の残業で疲れ公園のベンチで寝ていた俺は、変な男に突然起こされた。
「なんだよ」
 サンジャポに出てくる画伯みたいな顔の男だった。
 腹が立ったの ....
からからと
言葉は生まれ

ぐんぐんと
手足が伸びて

我が身の一部と気づく前に
可憐にはじけ とぶ


やわらかな旋律は ことのは
彼女の心に慕う ことのは
 ....
空から
落ちた日のことを
おぼえていない


海を
ながめることを海として
その浅きをのがれる
すべにおぼれる


太陽はもう
ことばではないけれど
確かにぬくもる
 ....
観察室から
病室に戻った日

夕方
鉛色の空に
虹が出た

儚く
でも色鮮やかで
ガラスのような

こんなに
美しいものが
あるなんて

消えるまで
見ていた

鉛色の空に
滲んでいく
虹を

わたし ....
星になろうか
蛍になろうか

骨壺と帰郷してきた
あぜ道の先に鉄塔の里山
夏は盛りで
田は青くそよぐ
懐かしいともいえないぐらい
生家はそのままで
特に変わらない父が
特に変わらな ....
ちょっとだけ焦げたトーストに
マーマレードを丹念に塗りつけながら
行間が欠伸している新聞記事を
接続詞のように眺めていた

かなりぬるくなったコーヒーを
スプーンで執拗にもてあそびなが ....
足踏みをしていたら
後ろから吹いてきた風に追いこされてしまった

きっとわたしは
まだ夏のままでいたかったのだと思う

だってまだ海にも行っていないし
夏服の気に入ったのも見つけていない ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の終わりという駅で- 皆月 零 ...自由詩18*08-9-3
ゼフィルス讃歌- 飛鳥 彰自由詩308-9-3
- 猫目自由詩308-9-3
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チャック- 小原あき自由詩9*08-9-2
こいぬ- チアーヌ自由詩708-9-2
山で- ふるる自由詩10*08-9-2
今日のウエストは53センチと3ミリ- リーフレ ...自由詩308-9-2
月光の封筒- Lucy.M.千 ...自由詩508-9-2
水族館の教え- 新守山ダ ...自由詩408-9-2
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孤独の森- 小川 葉自由詩3*08-9-1
てんごく- さだあい ...自由詩408-9-1
Drive_me_crazy...- うめバア自由詩308-9-1
九月一日- 明楽自由詩408-9-1
ギラギラの爪- 佐々宝砂自由詩408-8-31
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夏、最後の日- 北大路京 ...自由詩28*08-8-31
ペーパー・シープ(講習)- たもつ自由詩508-8-31
カランダッシュと電波- 小川 葉自由詩4*08-8-31
なにか_/_私が私であること- beebee自由詩20*08-8-31
木偶のボー- nonya自由詩5*08-8-31
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休日- nonya自由詩14*08-8-30
そうやって終わる夏- タマムシ自由詩12*08-8-30

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