観葉植物の
光のなかで
ゆったり
籐椅子に
腰掛けて
読書でも
できたら
できれば
珈琲なんか
飲みながら
燦々 ....
私の髪は
とかく荒っぽすぎる
寝癖を通り越してはねまわる
渦巻く
からまる
もつれる
おまけに白髪が混じる
二十歳前からそうだったが
問題なのはこの白髪で
黒髪よりも荒っぽくひねくれ ....
ほら今日もラインは元気に流れてくる
あなたよりあたしより元気に
たぶんこの工場の中でダントツ元気に
あたしは箱を広げる
あたしは箱に折り目をつける
あたしは箱を組み立てる
あたしは箱に ....
曇ったガラス窓のむこう
泳いでくるのが金魚なら
雨が降りそうで降らない
薄墨色の空が割れたなら
いつも言い損ねるさよなら
君にはすっと伝えておこう
僕は人と人の間にいます
AさんとBさんの間にいます
Aさんからの伝言がBさんに伝わらず
BさんがAさんにしてもらいたいことを
Aさんにさせることができず
僕は壊れていくのです
こんなことで ....
あなたがここを去るとき
わたしはなにもいえない
かんじんの瞬間に、そっとだきしめたり
なみだを流すこともできない
なにも知らないまま
ただ 目を覚まして
朝食をたべて
どこかへで ....
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
雨雲の上は晴天だ
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
いま世界のどこに雨雲はあるのだ
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨 ....
詩を書くのをやめて
そのまま後ろに倒れて
ねむっている
子猫によっかかって
逃げられたらシーツ、君と話す。
きみと、
シーツ、きみお化けみたいになってぼくについてこい
そうしてぼくが振り ....
くすり指がちびた人の
ひんやりとしたリールから
がっしょがっしょと妻が走った
シッポー トト ト (朝は隣家も装い ふれるの
深呼吸のドレープの波に乗って
腕で掻き分 ....
あの人は頭にツノがありました
ある日
頭にツノがあって大変ですね
と言うと
あなたはツノがなくて大変ですね
そう答えました
あれを初恋と呼んでいいものか
今でも戸惑います
ただ、あ ....
両腕でバランスをとりながら黒鍵を渡る。ちろちろとつま先から炎、揺らめくモディリアニ。白鍵
は床上浸水していて、溶けてしたたるたびにじゅう、って、しずくの結晶なんだ。映る、壁に体と
もうひと ....
モウレツな猿が異星人のように
人間社会にもぐりこんでいる
そうしてわれわれの情報を盗み取っている
もう体毛は退化しほとんど人間と変わりない
モウレツな猿は早 ....
(詩人ギルド・レビュウに投稿したものを、一部削除、若干訂正)
私が、あるひとつの詩をとても好きになったとする。しかし私でないあるひとりの読者はその詩が好きでない。むしろ大嫌いだと言う。また、先 ....
山のお坊さんはおじいさんでした。
いつごろからおじいさんになったのかは覚えていませんが、いつのまにか山のお坊さんはおじいさんになっていたのでした。
山のお坊さんは、誰もいなくなった山の里で ....
おなかが痛くなって
道のはじっこにしゃがんでいたら
知らないお兄さんがそばにきて
だいじょうぶ?
と聞いてくれた
わたしは顔を上げた
なんと言おうか迷ったけれど
「おなかが痛いんです」と ....
14歳の冬
生理が1ヶ月近く
止まらなかったことがあった
わたしは学校で倒れ
保健室に運ばれた
どうしたのと先生に
やさしく聞かれても
上手く話せない
自分でもわからない
母親に病院 ....
きょうはぼくの誕生日
62歳になった 年齢はワープする
きのうまで27歳 パリのカルチェラタンを歩いていたのに
きょう ぼくのスニーカーは田舎道の ....
きのうタクシーのおっちゃんが
この世に寝る、働く、食うの他に何があるんだろうねぇ。
と言っていた。
歳を取るごとに
楽しみなんて
無くなってしまうのにねぇ
と。
....
結局僕らは、手を繋ぐことも恐れていたから、きっと、人間なんて外枠は、どうでもよかったんだね。感覚で繋がる、思いは繋がっている。「繋がる」なんて言葉の嘘を、僕らはとうに見破っていた。不器 ....
谷川俊太郎さんと酒を飲んだ
谷川さんが酒を飲むとは知らなかった
鶯谷ではない近くの酒場だった
朗読会か出版記念会のかえりだった
何度か同席したこと ....
あれから
どれくらいの時が過ぎたのかなんて
思い出せないけれど
わたしは夜の11時頃
仕事帰りにひとりで
国道4号線沿いの
びっくりドンキーで
ハンバーグディッシュを食べていて
つい
....
おんなじくらい跳ねるなら
砂漠の町を飛ぶときだって
氷を振りかけたい
出してくれって叫びながら
ドンドンって窓を叩く人の
汗ばんで 黒い 顔に
乗り移れば流れ出す
私の水
くだ ....
朗読会の打ち上げで
ポテトサラダを
よそって、
くれた
きみ-
き、きききみリルケが好きだといったきみぼくは
きみの言っていることが
ぜんぜん分からなかった
魚民で
となりの席で ....
触覚の先端ではもう無くしたての繊細な産毛
幾千とおりの声が転回を始めている
その閃光は深く深く脳を焦がし
僕の両手から溢れるハチミツを虹色に染め
やわらかく着地 ....
私は大地だなんて今更そんなこと歌いながら歩いてゆく
まひるの高速道路さすがにちょっと危険
でも引率する彼女の後ろにはぞろぞろと娘たちがついてくる
娘たちは美しかったり美しくなかったり
あるいは ....
落とし穴に落ちている人たちはいつも助けてという
手をさしだすと隠し持っていたナイフで傷つけられる
ロープを降ろして「これをつかんで上って来い」というと
落とし穴のなかでみつけた五円玉 ....
思い出は美しかったと過去形で静かにきしめ回転木馬
さようならまたこんにちわ結局はどこにも行けない回転木馬
夕べから眠れませんという君に回転木馬の歌を聞かせよう
ほら
きょうは もう
ひ がおちる ね
と いいながら
遊歩道ぞいの木々は
うでいっぱいの
はっぱ を
するするとみまわし
だれが いちばん
きいろいか
えらぶのに
いそ ....
今すぐお前はひざまずいて許しを乞え
そう言いたげな世の中である
巨大でどう猛な牛が血を飛び散らせ
倒れる姿が見たい
そいつは知力と情報を角に蓄えて
ひたすら暴れ駆け回る
俺を目ざとく見 ....
母国語を持たない人々の
差し出す別のコトバが
手渡されたそのとき
息吹の記憶をよみがえして
ひとときある音色をなす。
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