犬が休んでる
まるで僕のように

背筋が足りない
何かを継ぎたして
少しずつ毎日の
起立がある

どうしてだろう
お父さんになってしまうのは
瞬間は確かにあるのに
どんなに積み上 ....

朝起きたらまず
しゅろの箒で部屋を掃き出す

すると部屋の隅々から
夢の中で捕まえそこねた小人や
夜のうちに死んだ蝶々などが
硬くつめたくなって出てくるので
プラ ....
左利きの運転手と右利きの車掌
まっしろいホームにおりたつと赤いはた
さようなら
ホームの端のポール
今夜は空が見えない
君の色を思い出せない
今日
左利きの運転手が右手で手をふる
線路 ....
汗にまみれた身体
―働いた後によくもまた

「やってられないよ」
誰かが言った

湧いてくる感傷の ツケを払うとでもいうのか
暮らしとともに流れる汗は

皆口々に言っているよ
身体 ....
焦点をぶれさせるため朝はある 指のすきまに宿る色彩

眠り明け 耳鳴り低く響くので 夢のはしから余白を殺す



むしられる前のつぼみに似たひとの、首をしずかに傾けるさま

唐突に遠さ ....
指をひらくと
きのうの夢がこぼれ落ちた
わたしたちは
月の公転ぐらいのスピードで
どんどん忘れていくのだから
泣かなくてもいいのに
と言いたいが
きのうときょうの
ことばを全部書き残し ....
そう読んじゃった
そうしか読めない と思い込み辞書を引く気にもなれない

黄色い小さな花を綿毛に変えるそれは
いつも 僕のあたまのなかに 生きている
ラブ&ピースという呪いが生まれたのは
それからしばらくしてのこと
僕たち、と言ってさしつかえないのなら
僕たちは
やはり
気づいていなかったのだろう
それが呪いであることに
ではなく
 ....
美しい国が
海岸線を漂う
せつない季節があった
溢れ出す
何度も調整された成分が
朝日でも夕日でもない
光にただ照らされ
そのたびに
つないだ手を
何度も握りしめた
家族による暴力で 
老人ホームに来るごとに 
体中の傷がどす黒くなってゆく老婆 

国も 
市も 
施設も 
ケアマネージャーも 
ヘルパーも 
一介護職員の自分自身も 
手を差し ....
冷やし中華が
静かに終わった奥の方
特別なこともなく
人をまたぎ
人にまたがれ
狭い柄模様のシャツが
時々きれいだと感じられた
入口の貼紙には
かつての文字のようなものが書かれ
それ ....
白い俎板のうえに
水洗いした秋茄子をのせる
遣い慣れた指先でまず、
縦半分に切ると
紫に汚れた
君は構わず
それを乱切りした

その一部始終を
彼らは黙って
観ている
捨て猫に飼われている


私は 捨て猫に飼われている

飼われているから『捨て人』ではない

飼われ人なので
そのしるしに首輪をつけている
鈴もついてるので歩くたびに
リンリンと鳴 ....

コンバインが
おもちゃのように点々と
そこここに配置され

軽トラックが
ちゃかちゃかと走る

収穫の秋がきた

辺りには喜びが
薄い金色に色づいて漂って ....

口に酸素を含んでから
目を閉じて
美しい光景を思い浮かべる

すると酸素は舌の上で
ばらの味の二酸化炭素へ変わる

誰かがわたしに口づけしたときに
いい気持ちにれなるよう
 ....
洒落たカフェを借り切って開かれた
長い付き合いになる友人の結婚披露宴の席で
禁酒中のチナスキーは溜め息をついている
生ハムをかじっては水を飲む

祝辞を読んだ
新郎との付き合いの年数を数え ....
増水の ために

すっかり 荒れはてて しまった

堤の かよって ゆく なかを

猫じゃらしを 噛み ながら

草ひばりの 音が ほそぼそと つづく

すすき野原を  ....
いつか
山の道をとぼとぼと
登ってゆく人影があった

あれは河童じゃ

そう言った父の
背中からもくもくと雲が立っていた

河童は
夏が終わると山へ帰る
そして勢子になったそうな ....
八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめ ....
 炭 酸 ペ ッ ト ボ ト ル の 蓋 を あ け れ ば





 名 前 の な い 星 た ち が 突 然 あ ら わ れ て





 天 ....
誰かが言った
「世界は蜜でみたされる」

私は夢見た
「世界がレモン水に沈んでる」

世界は今
一体何で満たされているの?

私は蜜より レモン水の方がいい
満たされるよりも
沈 ....
 むかし
 海に砂糖を入れたら甘くなるかという事を
 思ったもんだ
 発展した技術屋かなんかが
 科学的に
 科学的に証明したのでつまらない
 詩人が持つことを許されたピースが
 また1 ....
まだ誰も手入れをしていない花壇に芽生えた
幼いクローバーの透き通る葉
働き終えた男たちが
その角ばった手で
その角ばった心で
その柔らかな葉を千切り捨てて
去っていった
二度と見返ること ....
買い物帰り
荷物を抱えて歩く坂道
アスファルトの照り返しに
ため息をつきながら
歩いていると

先の方に
とてもよく似た後ろ姿があった
ひとり
ふたり
足の運びも同じで

似て ....
夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く


九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
 
 
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
 ....
我ガ大日本帝国ハ戦争ヲ永久ニ放棄スル。
国ノ交戦権ハ、コレヲ認メナイ。
他国ニヨル攻撃ニ対シ、武力ヲ以テ当タル行為ハ全テ禁ズル。
ソレニ依ル国土ノ喪失、又ハ国民ノ生命ノ喪失ヲ、国民ハ甘受セヨ。
 ....
ため息の瞬間は
一度落として再浮上させる
ギアチェンジのようだ
うまくいかない
何度もギアを入れ直す
あなたは
うまくギアが入らないねと
やさしく言う
うまくギアが入ると
ギアが入っ ....

コウちゃんはプチ家出中
あるじのいない暗い部屋には
ただ
散乱するユニフォーム

ことの起こりはこうだ
高校生のお弁当タイム
コウちゃんは
意気揚々と開いたらしい
すると

 ....
私たち 午後には散文を開いてエレクトロニカにする どうしても、というなら黒人霊歌でもいいわ だけど、こうして眼を閉じるわね 表通りのニレの木に(嗚呼、もうこんな時間)絹のつやをした鴉が居る 美しい眼を ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
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散文詩- はらだま ...自由詩8*07-9-11

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