うすずみ色の空はひくく 
ピアノ線を地におろし 
哀しみという歌をかなでる 
さえずる鳥さえもいない 

こんな午後は 
暴かれてしまうことをおそれて 
いくどもたしかめた肌の  ....
庭に落ちた夕焼け、それだけじゃ
君を好きになる理由にはならないけれど
よく挨拶を交わす新聞配達夫がいつもよりも少し急いで
豆腐屋のラッパがいつもよりも何だか妙に心地良い
ご無沙汰だった静寂を内 ....
旅をしたい
計画のあるものではなく
行きたいと思った時から
電車に乗っている
どこで降りるのか
わからないけれど
どこか遠くへ行ってみたい

旅をしたい
目的のあるものではなく
感 ....
なぶられて大鼠の尾やはらかに冬の地を打つ死してなほ打つ



むざむざと引きずられゆく鼠の尾 師走の道をけものが渡る



人並みにもの{ルビ購=あがな}ひて心安し師走の街の世 ....
 息を飲む
 この瞬間にもハイエナは
 俺の蜜を奪おうと目を光らせている
 人と人との出会いの物語
 いずれエピソードになり
 別れが待ってる
 一粒の涙を残し
 静かに愛する人と過ごせ ....
それはかすかに透きとおっているので
向こうの景色がいつも滲んでいるのでした

朝霧を 食み食み
押し殺されたような時間を過ごし
まれに降る雨のために山裾で低い警笛を鳴らしたり
青い ....
沼にヘラブナがいるのだ
帰って来るなり兄は言った
それから棒切れのようなものに
糸と針がついただけの貧しい釣竿を手にし
友達と少し遠い所にある沼に出かけた

数時間後、兄だけが帰っ ....
僕がなかなか寝ないので
ママが「おやすみなさい」の森へ
行きなさいと言った
僕はしかたがないので
安心毛布を引きずって
「おやすみなさい」の森へ向かう

森は暗くて静かだった
誰もいな ....
チャルメラとネコが横切る二十五時



世界だって戻せるctrl+Z(コントロールゼット)



鈴の音がさみしさ誘う大晦日



白鳥や帰る頃には黒鳥や



寅さん ....
目覚めると電車の中だった
よく見てみると、この電車には扉がない
ただ小さな窓が、青い空、やたらと高い空を映している

私は初めて乗る電車だな、などと思いながらも
もしかしたら乗りなれている中 ....
灰色を塗りこんだ
空しい心の底に
降れよ 積もれよ

与えてくれた言葉
忘れたわけじゃない
閉ざしていた扉
少しだけ開いてみせたのは
君だったのだから

問うてくれ
責めてくれ
 ....
ラウリ・ラパラは
松の木を削ったらしい

そいつから比べれば
なんてことない
作業の筈なんだが

   気がつきゃ
   にらめっこだ
   また
   やんわらかい
   バル ....
 忘れる。人だとか物だとか、さまざまなものを人は忘れていく。今日を生き延びるために、無理矢理にあるいは自然に、忘れていく。だが、その一方で、忘れないでいるという選択もある。かつて一緒にいたけれどもいま .... オキアミ臭くなった手じゃぁ
硬くなった握り飯を
頬張る気すら薄れちまう

オキアミ臭くなった手を
イソメの汁のついた手を
ごしごしやったタオル取り出し
額の汗を拭いてみるが
あれよ
 ....
終わる、と
ただ巡っていくだけのものに
あきらめにも似た終止符を
打ち続けて僕の数直線は
みっともない
姿をさらして

   次の巡りを待てないほど急いで
   どこに辿り着けた

 ....
そういえば
愛していた名前を忘れました

みっともないなぁって
笑ってました

毎日毎日
ターンテーブルに向かって
韻をふむのです

そしたら
右と左が分からなくなりました

 ....
冬の大雨の日
どこからともなく
ノラ猫は家の庭にやってきた

近所では名の知れた
図々しく生きるヤツらしい
汚いから触るなと
大人は子どもに言い聞かす

力を失いかけながらも
木の ....
飛ぶ鳥の名前などは
どうでもいいことかも知れない


晴天をかもめ、
夕暮れには
からす

一応の名前で
呼んではみるけれど、
きっと何かが間違っている


かれらは一途 ....
戦争のあとにはいつも
殺されなかった死体が転がっている
それが君の言うところの
正しさなのだろう

ぱたりと本を閉じる
車窓の外へと目を移せば
淡い色の田畑が広がっている

「次 ....
そんなに遠くない
あの脚が
空から下がる繰り糸で
奇妙なダンスをさせられる日は

とても近い
あの指が
地下から響く呼び声に共振して
読めない文字を綴り出す日は

きのうわたしを過 ....
しんやか。
しんやなのか。
ほんこんのしんやなのか。

もういっかげつもいるというのに。
このねなしぐさは。

けたたましいさいれん。
――だれかがじゃりをさらっている。

みみせ ....
雨上がりの花壇で
しな垂れた華の名前を
密やかな微笑で保つ
あなたの目は
揺れる天秤の彼方
雲の晴れてゆく影
映す土を見て 滑らかに
細められ 晴天から
いつか 豪雨になり
土を流す ....
ストーブのうえで
かたかたと音をたててお湯が沸く
カルキ臭は抜けたけど元をたどれば水道水
だったそのお湯で
インスタントコーヒーを入れる
(特価980円のエクセラ)
明日の朝は8時から仕事 ....
あたしはただの女だけど

二つの腕があるので
あの人を守ろう思う


あたしはただの女だけど

撃ち込める弾丸はないので
あの人に言葉を込めようと思う


あたしはただの女だけ ....
鳥を姪に返そうと思う。
昨日から預かっているのだが、どうにも相性が悪いので、鳥を姪に返そうと思う。
今日は休日だから、兄の家には誰かしらいるはずだった。

今朝の曇り方は酷い有様で、空全体が何 ....
・cigar(葉巻)とsugar(砂糖)

あ、
煙草をやめようかな
と思った
手を伸ばしたとき
箱の中に一本しか残っていなくて
でも寒くて
買いにゆくのが面倒だったから
五分間
 ....
銃弾、放たれた 円錐 の、描く 螺旋には
Lu、が 似合う (若しくはLuLu、が)
レターナイフ、で 荒野の 黒山羊、其の
美しく、凶暴 な 角に、文字を 刻むなら
Lu、が 似合う (若し ....
二ヶ月ぶりに小田急線に乗った
眼がよく見えないと思ったら
乗客が全員保護色を着用している為
座席に溶け込んでしまっているのだった
水気の多い黒眼だけが幾つも
こちらを向いてぎろぎろ動いている ....
だるまさんがころんだので
うしろを振り返ると
大切な人たちはもういない

草原のように広いものがただ延々と続き
中くらいの動物が
美味しくなさそうに草を食んでる

わたしは組成 ....
ロマンチックにおなり猫
あまりにも淋しすぎて
おまえに何ができるというの
ロマンチックにおなり猫
夕冷えのする野原の中に
ひとつだけ咲いた白い花
おまえのようだと言いたいけれど
ロマンチ ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬の雨- 落合朱美自由詩29*06-12-28
○○○- はらだま ...自由詩6*06-12-28
旅をしたい- ぽえむ君自由詩1006-12-28
師走の鼠- 渦巻二三 ...短歌406-12-28
召集令状- 山崎 風 ...自由詩1006-12-28
まぼろしのけもの- 嘉村奈緒自由詩12*06-12-27
ヘラブナ- たもつ自由詩1106-12-27
「おやすみなさい」の森- 未有花自由詩16*06-12-27
年末年始の候- chica俳句4*06-12-27
中央線- P.B.自由詩306-12-27
雪よ_舞え- 松本 卓 ...自由詩206-12-27
錬金術- 北村 守 ...自由詩606-12-27
忘れること、忘れないでいること- 岡部淳太 ...散文(批評 ...16+*06-12-27
防波堤にて蜃気楼に弄ばれる- 北村 守 ...自由詩406-12-27
巡礼、あなたの髪の- たりぽん ...自由詩13*06-12-26
韻をふむのです- ごまたれ自由詩17*06-12-26
冬の大雨- ぽえむ君自由詩806-12-26
黄金へ向かう鳥- 千波 一 ...自由詩17*06-12-26
1両編成- Tsu-Yo自由詩2006-12-26
未来についてのモノローグ- 佐々宝砂自由詩506-12-26
ほんこんその1- 猫八百自由詩4*06-12-26
観ること- 及川三貴自由詩5*06-12-26
幸福についてのモノローグ- 佐々宝砂自由詩3*06-12-26
ただの女- ごまたれ自由詩22*06-12-25
俺と鳥- 緑茶塵散文(批評 ...6*06-12-25
似ているもの- 吉田ぐん ...自由詩1206-12-25
円錐と「ル」、若しくは「ルル」- 六崎杏介自由詩506-12-25
小田急線で行方不明- 吉田ぐん ...自由詩1106-12-25
- たもつ自由詩12*06-12-25
ロマンチックにおなり猫- 未有花自由詩13*06-12-25

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