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ささやきかけるかさのかげ
母音の樹が揺れる

ふたりで歩いていく
丘の上へ 遠くまで

のびていく記憶

いそがなきゃ
走りはじめる
わたしたちを

月が見ている

それを ....
書かなくては、と一年ぐらい思って、書けなくて、私よりも書くべき人たちがいるような気がして、(待っていたのかもしれない)、未明、眠れなくて、アイスクリームを食べたら目が覚めてしまった、薄暗い。こんな朝。 .... 冬の菖蒲園に枯れた茎たち
池には凍ったように鮒が立っている

裾を引き摺り神殿の廊下をわたる
雪は降りながら日の中に溶ける

わたしはリュートを引き摺り引き摺り、山を越える
そこに癒しが ....
彼女が日記を閉じるということを知ったとき、わたしはロンドンにいた。初めて彼女の日記を読んだときに、いったいぜんたいどこにいる人なのかわからない日記で、それは遠い国にいらっしゃることだけはわかったので、 .... 風が吹く。生きなくてはならない。

教会(という名前の映画館(という名前のゲストルーム))に
僕たち読者は座っていて、目の前のスクリーンに、
それぞれ違った夢を見る。

「それぞれ違う」こ ....
アスパラガスさん讃 2


彼女は軽やかだし、あまり恐ろしそうではないではないか。という不如意。

この、デザインできない不如意で多義的なラインを、彼女は、推敲と時間によって作り上げることが ....
ウズクマル子供 白イ部屋ノナカデ
積ミ木アソビ オトモ無ク
積ンデハ 壊ス 
ツマンナイ 他ノアソビシヨウ

立チアガル子供 白イ部屋ノナカデ
段違イ平行棒 イッタリキタリ
ツホルト  ....
空を見上げる
街に並ぶビルディングの上から
きいろい四角い看板たちが
見下ろしてくる
見上げている僕は憂鬱で

あの中に
住むことを考えてみる


  □


今日も地上の人 ....
{引用=
ぼくはスケートリンクにとじ込められた
きみの日なた
日なただよ



          アスパラガス「スケートリンク」より







詩人の書く言葉は
 ....
廊下、というよりも百貨店の通路のような広い
人が通り、買い物などしているような道の真ん中の
売り場の壁の後ろで、仕事に疲れていたわたしは携帯を見ながら休んでいた。午後四時半。
誰かが来て請求書の ....
口の利けないわたしは左を指差して
魚群がそちらへ移動していく

内緒の本棚に三歳からの日記を並べ
旗を振る夕べ

トカゲたちの尻尾を踏もうと遊ぶ
シルクハットの猫とその杖

水道管を ....
大丈夫だろうか
大丈夫ではないのだろうか

つながりたいのだろうか、つながりたくないのだろうか
つながらないでひとりで強がっていたいのだろうか
つよがっていれば何者かであるような気がするのだ ....
僕は僕に必要なものを探して夜の帳の向こうへ旅立ったのだ。
冬山の上の祠にしゃがんでいると、尻の底から冷えてしまったが、
震えているのは僕だけではない、町にちりばめられたフォトンたちもだった。
神 ....
{引用=
(マンホールの蓋、ペットボトルの蓋
(潰れ果てた牛乳パック


あろーん
あろーん


と目覚ましがなる
(おにいさん、おにいさん、どうせ起きたってあろーん
夜の陰謀 ....
「ああ、やんなっちゃうな」
ある日クラウディは早く着いた塾の窓辺で空を見上げて呟いている
こうやってボウッとしてる間にも着実に迫るそれが虹試験なのだ
そこにどこからともなくぬぼっと現れる紳士
 ....
光の壁の向こうに手を伸ばすと、音の河が流れている。手をつけると波紋が広がりあるいは渦が巻く。私が床に寝そべってこれを書いているときにそのことばは私と光の壁の向こうで音になっていて、その壁のさきで、園の .... 聞こえて来るものがある。遠い過去から聞こえて来るものがある。それでもそれは今ぼくの耳元で鳴っている。ノイズ。新宿のエスカレーターを下っていく友人を見ながら、私は友人がこれから会いに行く人のことを考えて .... 夏と緑と憧れ
夏と緑と憧れ
夏のまんなかに
あの人はいる

校舎からバイオリンとハープが聞こえてくる

生きる上で悩む必要がないことについて悩むひとを
わたしは美しいと考えてしまう
 ....
{引用=
心のドアを叩き続けている音がする。とん、とん、とん、とん、とん、とん、とん、とん、とん、      とん、とん、とん、音の上に長い息。いまにも消えそうに。大きな爆弾が落ちて、人間がみんな死 ....
不思議な
でもどこか懐かしい音楽が聴こえていた
見回してみるとそこは上演前のプラネタリュームのようだった

僕は椅子を後ろに倒して大きな伸びをした
それから暗い天井を眺めて何かが始まるのを待 ....
{引用=


竹上泉論、頼まれもしないのに、読まれもしないのに}




      西へ           竹上泉(2001年)
           




    ....
{引用=「それでも、こころの中のたいせつな部分に、美しい、青い麦の生えた
草原があって、その向こうには荒々しい崖と海も見えて、そこではわたしとあな
たは虫捕りあみやかごをもって、いまでもはしってい ....
夜明け。雨が降っていて僕らは神社で雨宿りしていた。徹夜明けの僕らは相手の膝で交互に眠った。三島はここで死んだね、君が寝ている間、君の短い髪をかきあげながら、あじさいの花が揺れるのを見ていた。


 ....
2008/11/30 22:30
ロンドン。外は雨が降っている。僕はフラットの玄関の階段に座って、隣のパブの無線LANを拾っている。僕はひとりで、夜がひろがる。30分前、久しぶりにNがメッセンジャー ....
書くという漢字には斜めの線がない。

書く、という言葉を聞くとき、わたしはどうしても、カクという金属的の響きを受け取ってしまう。引掻いて、削っていくこと。
曖昧な気分や感情を、紙に写していくので ....
悟りを開かんと高野山へ赴くも、悟りを開くにはイージーすぎる気負いと、その程度の気負いでは三昧境を感ずることもできぬほど開発されきった環境(観光バスがブンブン走っており、徒歩で参拝している僕はどんな都会 ....  
 
  自転車に乗ってあなたは、海のもの、
  山のもの、空のもの、あなたは、
  すべてだ。





  折りたたまれた 古い
  手紙を開くと 今でも
  あなたの声 ....
あなたのこえはすきとおりすぎて 
ほんとうにあなたのこえが
ぼくにはきこえていたろうか

あなたのすがたはまぶしすぎて
ほんとうにあなたのすがたが
ぼくにはみえていたろうか

ぼくにお ....
 ねえ 

 ちょうちょあそび、しよう、ひそひそと。


 おわったら、ぜんぶ、けすの。


 おもいでにしか、のこさない の。



 おもいでは

 すきとおって ....
Nさんが日記で書いていた。Nさんが賢治について書いた批評について、批判があったらしい。某所のチャットで、「このレベルで留まれたのなら幸せだったんだろうけど」「賢治について書くなんて怖いものしらず」みた ....
あおばさんの渡邉建志さんおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
樹と記憶- 渡邉建志自由詩416-3-8
未明、みえないまま- 渡邉建志散文(批評 ...514-8-26
冬の菖蒲園にて- 渡邉建志自由詩213-12-30
ない日記の感想- 渡邉建志散文(批評 ...2*13-12-1
多義性のデザイン(アスパラガスさん讃3)- 渡邉建志散文(批評 ...6*13-11-1
不如意な恐ろしさ(アスパラガスさん讃2)- 渡邉建志散文(批評 ...413-10-7
ウズクマルコドモ- 渡邉建志自由詩313-8-29
四角い空- 渡邉建志自由詩213-6-20
静かに、なるべく静かに(アスパラガスさん讃1)- 渡邉建志散文(批評 ...8*12-12-16
ウォーターフロント- 渡邉建志自由詩412-10-7
A,_B,_C...- 渡邉建志自由詩712-9-7
衒学- 渡邉建志自由詩412-2-29
括った髪の分だけ、返して掌- 渡邉建志自由詩3*11-7-17
貝殻遊び- 渡邉建志自由詩7*11-7-7
誘拐かすてえら- 渡邉建志自由詩311-6-3
寝る前に- 渡邉建志散文(批評 ...211-5-29
【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1 ...- 渡邉建志散文(批評 ...5*11-3-9
妖精の距離- 渡邉建志自由詩310-7-29
それはガラスのような音がしているけれどもガラスではない- 渡邉建志自由詩6*10-7-13
愛について- 渡邉建志自由詩609-12-15
限りある世界で嫉妬する- 渡邉建志散文(批評 ...3*09-9-15
----------------------- 渡邉建志自由詩509-9-2
階段のこと- 渡邉建志自由詩409-5-16
映画日記、ただし日付はてきとう3- 渡邉建志散文(批評 ...3*09-3-29
書くこと、まどろむこと、決めること- 渡邉建志散文(批評 ...6*08-12-12
雨の朝、高野山にて- 渡邉建志散文(批評 ...3*08-12-2
空へ- 渡邉建志自由詩2*08-11-20
追憶- 渡邉建志自由詩3+08-11-13
ちょうちょあそび- 渡邉建志自由詩4*08-11-10
萌えと批判- 渡邉建志散文(批評 ...6+*08-10-27

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