六月の薄い胸に
雲の痣が白く浮かび上がる

体育座りの女の子の膝のような
山々は
深緑にけぶる

出発するはずの電車は
死んでしまったかのように動かない

信号機はうなだれ

 ....
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫

故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり

何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす

故里の老 ....
(日本は夜でも宇宙から見るとはっきりその形がわかる)
なんて思いながら
トイレに行く
その廊下で
隣から
義理の叔父と叔母の
喧嘩の音がする
わたしは舅のことを想う

嫁いで二年目
 ....
(ミルクティを飲まなきゃいけないの
(ミルクティ、ある?
(歯を磨いたんだから、もう寝なさい


最近、きみは早く寝てしまうから
赤いランドセルの留金をひらいて
見てしまったんだ

 ....
「早朝の電話なんてろくでもない」

そんな吐き捨てるように言わないで

とかげのしっぽみたいに

自己再生機能があればいいのに

そうすればきっと彼女だって蘇生されるはずよ

私の ....
ジョセフィンのすすめで
アパルトマンに引っ越す
もう親離れしなければと

0号室は管理人の夫婦が
1号室からは芸術家の卵
ここは芸術を育てる部屋
変わり者がそろっている

特に私が気 ....
小さな影に
小さな水が触れ
小さな手のひらのかたちとなり
雨の木陰に結ばれてゆく


風を後ろに
花はひらく
ひろく けむる
ひとつ ゆれる


野に落ちる光
川に立 ....
愛すことを忘れた
曖昧な笑みで
あなたに似たあたしは
赤い糸を
あちこち千切っている
 
朝に疲れてしまった
あたしは、そっと
新しい夢を見る
明日を、探している
 
 
飽き ....
花弁を剥きだしの裸にして、白い水仙が咲いている、
その陽光で汗ばむ平らな道を這うように、
父を背負って歩く。

父はわたしのなかで、好物の東京庵の手打ち蕎麦が、
食べたい、食べたいと、まどろ ....
おちてゆくとき 全景がみえた
滅びのあとも 日々のいとなみはつづき
死んでいるとも知らずに 人々が暮らす街の
道だけが いのちあるもののように
地平線へ向かって のびていた
また一日が終わる
ヘトヘトだ。
時間だけが流れる
懸命に生きる

人の為に生きられる
ああ僕は幸せだ!
再びチャンスをくれた。
人の喜びの為に生きる。

人の為と書いて『偽』と言う ....
ほこりせしゴムの鉢をば雨に打たせ
ついでに心もなどと思えり

梅雨明けの豊かになりし賀茂川の
水しわに照る夏陽が眩し

云ひわけの言葉聞くとき掌に
猫のまばたく感触も知る

忘れたき ....
  タクシーに乗って
  道を歩く

こんな時間までお仕事ですか?
運転手が尋ねるので
ええ、まあ
と答える
今日は暑かったですね
暑かったですね

  本当に暑かったのだろうか
 ....
朝日影にふくまれた わたくしの陰影が
ありのままの白い骨格で
よるべなく
この家に嫁いで来たのです。

その
わたくしが、
わたくしであるが故に、
わたくしを焼べねばなりません。
そ ....
おじいちゃん

炒めるつもりも まるでなく
ただただ あなたが 刻みつくした
玉ねぎ一家から 飛び散った
汁の残霧が わたしの目にも ちょっとだけ しみます

でも、わたしは あなたが  ....
茉莉花はこのごろ 勉強してる
子どものころからの 夢を 叶えようと

茉莉花にとっては 今までに流した 涙 ぜんぶ すくいあつめて 
シューパロ湖ひとつ つくるくらい たいへんなこと

で ....
「もしもしかいちゃんいますか?」

かいちゃんは今日も
おもちゃの受話器を耳に押し当て
どこかへ電話をする


「もしもし もしもし」

まだ言葉にならない言葉で
一生懸命お話をす ....
黄色のチョークが
規則正しく
ステップを踏む間
 
私は目をふせて
逃避行を開始する
 
 
説明を模したような
子守唄が
耳に語りかけて
 
私の身体は空へと
浮かび上がっ ....
{引用=


一、星が生まれた日


  少年が落としてしまう、
  それは
  あまりに
  優しいもので
 
  いつまでも思い出は
  少女のかげをしています


 ....
 暇潰しに入った近所の小さな図書館で 私は自費出版で出したある詩人の詩集を見つけた
 この詩人は名も世間に知れ渡っておらず 芽の出ないまま死んでしまったらしい
 春の日溜まりの中で読む詩集は 輝い ....
チョコ!チョコ!
寝言を言って泣く息子を抱いている妻
こないだスーパーでチョコはもうだめって言ったから
きっとその夢よ

夢の中のチョコはどこへ行ったのか
それは僕の夢にあらわれた
息子 ....
愛してるだなんて
口にだして言えない
猫のように
丸まってしらりす
存在の価値など
あなたなしでは
今はもう癒えない
そうだまって
落ち葉の中を
踏みしめていくように
空が近いだろ ....
よく晴れた日 
玄関を開くと 
小さい{ルビ向日葵=ひまわり}の植木鉢が 
倒れていた 

恋に傷つき震える 
君のようで 
ぼくは{ルビ屈=かが}んで 
倒れた鉢を両手で立てた 
 ....
新宿駅からの
都庁を目指す道は
緑の多い道
街路樹や植え込みが多い
道沿いのビルにもツツジや何か
ビルの中には流れや滝もある

道の突き当たりは
新宿中央公園
こんもりと盛り上がる緑 ....
“三歩下がって付いてゆきます”

いつだって女は
そう思っているの

紅差し指に光る
永遠の絆

永遠なんて
そんな簡単に掴めるものじゃない
わかっている
わかっているから

 ....
駅までは歩いて十数分
雨の日は五分も待てばバスが来る
車と人の道も分けられて
目的地までは
黙ってまっすぐ進めばよい

この道は
多くの人のために作られた
そしてこの道には
多くの人 ....
ちいさなころの わたしは いじめられっこ
クラス中の男の子が 「ばいきん」ってよぶ
先生まで ばいきんあつかい

先生も いじめっこ
わたしのかいた 詩も 
わたしのかいた 小説も
私の ....
肩が外れた
外れた肩を持って闇市に行った
拾ってきた新聞紙を広げ
粗末な店を開き肩を置いた
たくさんの人が前を通り過ぎた
みな急ぎ足だった
しばらくして
職業軍人らしき人が買っていった
 ....
人生が一幕劇の舞台なら
あたしの物語は中盤を過ぎて
ファンファーレを打ち鳴らして
クライマックスを迎えても良いはずなのに
なんか、パッとしない

ゴトーを待ちながら的乗りのおはなしより ....
あのとき雪を頂いていた山はもう
緑もずいぶんと深くなって

あのとき枯れ草を敷き詰めたようだった田はもう
水が張られて田植えの準備が整い

あのときどんよりと重く垂れ込めていた空は ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
六月- ふるる自由詩13*07-6-7
10P_「短歌2」より- むさこ短歌13*07-6-7
夫婦- 小原あき自由詩23*07-6-7
自由帳- 佐野権太自由詩26*07-6-7
ナントカ大学病院- めぐちみ自由詩307-6-7
アパルトマン- yoyo自由詩4*07-6-7
緑と金_Ⅱ- 木立 悟自由詩1307-6-7
- 山中 烏 ...自由詩10*07-6-7
森番—透過する森のなかへ- 前田ふむ ...自由詩38*07-6-6
そろもん(鳥瞰の話)- みつべえ自由詩1007-6-6
全ては偽なり- ペポパン ...自由詩6*07-6-6
9P_「短歌2」より- むさこ短歌11*07-6-6
- たもつ自由詩1607-6-6
薪_(たきぎ)- こしごえ自由詩26*07-6-6
足音- 池中茉莉 ...自由詩9*07-6-6
荒波- 池中茉莉 ...自由詩6*07-6-6
かいちゃんともしもし- 未有花自由詩22*07-6-6
白昼夢- 山中 烏 ...自由詩10*07-6-6
小詩集【金貨のためのオルゴール】- 千波 一 ...自由詩16*07-6-6
繋がっていくもの- はじめ自由詩13*07-6-6
チョコ- 小川 葉自由詩407-6-6
恋歌- yoyo自由詩1*07-6-5
白蝶_- 服部 剛自由詩13*07-6-5
新宿駅からの- ふるる自由詩13*07-6-5
紅差し指- 小原あき自由詩18*07-6-5
都会の温かさ- ぽえむ君自由詩13*07-6-5
逃走- 池中茉莉 ...自由詩9*07-6-5
東京パック- たもつ自由詩1307-6-5
*戯曲*- かおる自由詩8*07-6-5
ときの流れ- あずみの自由詩1107-6-5

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