真夜中だというのにその旧工場には
明かりがついている。次々にプレスされていく文字。
ここからじゃよく見ない。僕は玄関をでて
実際に見に行かなくちゃならない。
たくさんのさよならを
散り敷いた桜の花びらのように踏みしめて
僕は行く
何に呼ばれて
僕は行くのか

からっぽになった
僕のからだは
何色の絵の具を
入れたらいいのかな

もしこ ....
私は花
彼は水
花は空しか目差さない
その盲目さは美しい

私はヒト
彼はいない
目の前のことしか見えていない
その盲目さは死のとなり
子供の頃、僕らは社会見学で宇宙船を見に行った
飛行場の長い滑走路に降りてきたそれは
船体に星空を貼り付けているわけでもなく
凶暴な触手の持ち主が船体を食い破っているようなこともなかった
船から ....
いま
{ルビ仄=ほの}明かりの部屋がとても寒くて
ぼくは
コカ・コーラの気が抜けてゆく潮騒の中で
花が開いていくのをじっと見ている
足が冷たく
息の僅かな白さの中に
ちいさな子供だった頃 ....
{引用=




  手紙のうえを 匍匐する 春の補色残像と 虚飾で
  ペン先が 紙を愛撫する この前頭葉には 潤いが
              どうも足りず 西洋風の
  横書き ....
?.

なんだかみんな似てるね
みんな美人ぞろいだね
あのこ ああ、あのこなんか
絵にしても いいね

なんだかみんな似てるね
でもおまえだけ少し違うね ....
帰宅ラッシュだった
階段で圧力に耐えかね
ひょろ長い女の背を
あわあわと胸で押してしまった

(押すなよおっさん!

おっさんではない
武士である



{ルビ法度=はっと}に ....
「三百円のお返しでございます、ありがとうございました」

しまった。

おつりを財布の中にしまう前に、財布をバッグの中にしまってしまった。

「要領が悪いわねえ」なんて、店員さんに思われた ....
今年にも春がきて
春を数えるときがやってきた
まずは春の色を数えたい
薄い黄緑や淡いピンク
あちらこちらにたくさん見える
暖かい風が揺らしてる
どれが一番似合う春の色だろう
春を見ている ....
春になると
見る夢がある



『春の首筋』


女が立っている

うりざね顔の整った貌をしてる
しかし
一番美しいのは

女の首だった

白百合がうつ ....
肌の繊維は黍ほどに荒い
かの女の
黒味がかった糖蜜に
ぷんとかおるのは汗だけでなく
ぼくをからかう意思だとか
淫蕩にみちた態度だとか
何しろ ここはゆるい斜面だ

相変わらずの屠殺と
 ....
イクラ丼が食べたい
キヨシマツモトは突然に言う
案の定僕のポケットには
北へ向かうチケットが二枚ある
キヨシマツモトでは本日も医薬品が大安売りで
僕はまったくの文系だけれど
キヨシマツモト ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ


娘の買いしロシヤ民謡の低き声に
ほれぼれと聞く灯を消す部屋に


隣家に毎日来る左官屋の
両肩に今日 サロンパスあり


ま ....
はじめて雪の降った日に出会い

二人でいるから暖かかった冬

すべって転ぶことまでが幸せに思えてた

でも 春の訪れへの感謝を忘れたあたし達に

うだる暑さの夏を越えられるはずもなく
 ....
あんなに痩せっぽちだった友だちが今はひとりぼっちになってた


スリッパを並べると自分にもお客さんがあるみたいで嬉しい


ウォーリーを探せ、と言われてウォーリーしか探さないような子でした ....
昭和44年3月、神田駿河台の山の上ホテルの一室で父とふたり。曇った窓ガラスを掌でふくと、夕闇の学生街に純白の椿が空から無数に落ちてきた。近所の氷室さんちのおじいさんが丹精込めた庭に咲く八重の、あの白い .... 春の雨になりたい

あたし 春の雨になりたい



あなたはすぐに 春の砂にまとわれて
その嵐の中に {ルビ荒=すさ}ぼうと揺する

小さなオルゴールの中に
こころ を 忘れてきた ....
 木に登った 景色が見えた
 君の街並が海岸に沿って大きく左にカーブしている
 僕は時間のことを忘れた すると本当にこの世界から時間は無くなっていった
 ここの眺めは最高だ まだ昼ご飯を食べてな ....
 センター試験 前日の夜
 僕は父と試験会場である医大を下見しにやって来た
 白の車をただっ広い駐車場に止めると車から降りた
 大学内は無人だった
 外は手足顔が凍てつくほど寒く 僕は思わずフ ....
ぶわっと大きな風が吹き
桜のはなびら宙に舞う
私の中を
ぐるぐる回って
静かに地面に落ちていく

私は走る
皆に抜かされないように
ひたすら走る
走る
淡いピンク色のグラウンド
 ....
水を、欲している
のどの ずっと奥のほうで
さかなが泳いでいる



季節が融けはじめていることに
気づいたときには もう
わたしのなかの海は 浄化され
沈殿していた過去があふれ出て ....
ひとつぶの声・ひとつぶの水
{引用=
祈る人は知る
自らの歌が
ひとつぶの声であることを
自らの祈りが
ひとつぶの声であることを

橋を離れ
その下の暗黒を離れ
いまや大河の様 ....
犬小屋の中でお父さんとお母さんが
おままごとをしています
春の陽が一番良く当たるお庭で
せまいね、と言いながら
それでもきれいな身なりで
プラスチックの食器を並べていきます
  きょう、の ....
飛ぶ鳥から抜け落ちた羽根が
地面に墜落する運命に気付かず
いつまでも空を飛び続けていることがある
これを残鳥という

猟銃で撃たれた鳥の
飛び散った大量の羽根が
そのまま鳥の形をして飛び ....
君に対する僕の心は

ほとんど愛で


蝋燭たてとか

傘たてとか


ドアノブとか

靴べらとか


そういうものに

僕はなりたい


 ....
ロマンチックなんていらねーよ

ささやかな秘密もいらないんだよ

全貌を早く耳打ちしてくれよ

パズルのピースの上に俺は立っているんだ

あんたが完成されてくれ
 ....
灰いろの街の つましい
空をめくり やせた銀の鳥を
調達する 雨の歌の
粉をまぶし 油であげて
こりこり 食べる
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技

わたしが何を考えていようとも
お構いなし

空気のような存在

親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
6時15分
目覚まし時計が鳴る
たぶんあの世とこの世の間にいるみたいな顔をして煙草を吸う
それから秒針がちかちか聞こえだす
引力に引かれるように瞬速で作業着に着替える
タオルと靴下を2セッ ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
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