髪に触れる、鮫
独白の跡
カレンダー通りに呼吸する
日々に疎いものだから
冷たい泡と泡の間に
ぼんやりとアスファルトの道路
小便の臭い
蚊のような肩幅
バス停 ....
ユキサキボタンヲオシテクダサイだけ覚えて
宇宙船のように忽然とやってくるそれは
なにくわぬかおをしてヒトのたぐいをのみこむと
にどと開くものかコ・ウ・テ・ツまがいに
ヘアーライン仕上げのシルバ ....
あんなに大きかった人が
幽霊になってしまった
行方不明の幽霊
生きているはずなのに
わたしたちは
残念ながら霊感がまったくなくて
幽霊がみえない
幽霊は文字のようで
記憶のようで
素 ....
大きな声で言う
わたしはもう大丈夫じゃない
もう一度言う
わたしはもう大丈夫じゃない
だから
安心して
わかるでしょ
雨が沖縄を通り
九州を越え
関東をすべり
東北へ行って
....
ホイミとか
ケアリーとか
そんな高等なこと
とてもじゃないが
できやしないけれど
僕たちのそれに当たるのは
いつであっても
この声だ
この言葉だ
そうあの日も話をしたよね
まだ ....
例えば其れが レールだったなら
寄り添い過ぎると 事故を起こすから
たまに 歪むのを 許されると するならば
平行四辺形
ゆらゆら 揺れる手には グラス
なみなみに 注がれたるは
....
水の三行が
流れている
川、という字に
とても
似てるかもしれない
おとうさんと
おかあさんと
そしてぼく
さめているあたたかさが
いいのかな
駅のベンチで
キス出来るくらい
顔近づいているのに
まるで意識無く話していたり
笑っていたり
はしゃいでいたり
ひとしきり
背中を丸めると ....
いつも銅像の姿で座っていた
認知症の婆ちゃんは、ある日
死んでしまった爺ちゃんを探して
杖を放り出し、雨にずぶ濡れながら
駅までの一本道を、ずんずん歩いた。
最近、壁の前に立ち ....
突然
ばっさりと
胸から斜めにやられた
ぱっくりと開いた
傷口
血は出ていない
だか
奥の奥が
深々痛い
痛い 痛い 痛い
痛む 痛む 胸
このまま
雷雲にさら ....
<1>
ぽこ ぽこ ぽこぽこ
アスファルトを沸騰させよう
ポコ ポコ ポコポコ ポコポコポコポジュワァァー
アスファルトを沸騰させよう
暑いし
....
翌日に 外に出かけられないような傷を作るのは
どうかと思うんです。
場所を考えているあたりが
妙な臨場感に包まれていて。
これを誰に見せたって 私の傷は癒えやしないのならば
貴方 ....
もうふた月ほどたつだろうか。わたしは毎日、すこしずつ家財を捨てている。家財、といっても、どれもさまつな――そのほとんどは夫と共有して、それなりの思い出がつまっているのだろうが、もはやさまつとしかいい ....
西の話し言葉がすき
京都より西の
やわらかい
少し
イントネーションの
あがった
言葉が
関東平野で育った伯父は
西のひとになった
従姉妹の結婚式で
久しぶりに会って ....
秋の空に
突き刺さる
ほそい針金が
風に揺れている
揺れているのは
黄金色の穂
だけではない
帰り道なのだった
その角を曲がれば
たどり着くだろう
その家が
....
ボクの息の根の 耐えるシーン
目覚めるのは 朝になりそうだったから?
枝は長過ぎて いつでも刺激を求めてる
可能性の薄い 彼女の子宮に祈りを込めて
二人の可愛い天使(エンジェル)は
....
目力が 無くなって行く
見える世界は 変わらないのに
段々と 垂れ下がって 行くんだ
それでも 生きるんだ
活きてるんだと 言い聞かせる
ギラリとニラみを利かせたままで
日暮らし ....
この夏は
すごく暑かったから
キャミとレギンスで
過ごした
冬でも
ぺたぺたと素足で
フローリングを歩く
身体を締め付けるものは
キライ
アクセサリーはしない
アナ ....
がらん、とした外野席から君だけが一人
僕しか立っていないグラウンドに向けて
精いっぱいの声援を送っている
昔っから運動が不出来だったが
バッターボックスから飛んで来る
白球を捕えて、ホームべ ....
夜 お手洗いに起きて
階段をトントンと
降りた
リビングでひそひそと
話す
父と母の声が聞こえた
あの子は冷たい子だね
母は言った
一瞬 なんのことか
わからなかっ ....
おもしろいいろ
しろいいろ
しろくまのいろ
しまうまのいろ
しろかくろかわからない
しまうまのいろ
きりんのいろ
きいろにたくさん
てんてんがあるいろ
サバン ....
君は、手にしたハンマーで
今迄何度も、壊して来た
目の前に架かる幸福への橋を
そこへ詩人がやって来て
橋の消えた、川の濁流を
ぶざまな犬掻きで渡り
向こう岸で、ハンマ ....
戸惑いと 哀を 感じられたならば
どちらの方が 他人の感情を
より 動かすことが 出来るの
僕には 分からない
君よ 教えて呉れないか
まだ 分からない
まだ・・・
★, ....
冬の中山、新馬戦。14頭立ての芝1800m。
ゲートが開いて一頭だけなかなか出てこない馬がいた。彼だった。
大きく出遅れて4角まではとことこ付いていき、直線だけでごぼう抜き。2着に入る。
ラ ....
昨晩、言葉をひとつ忘れ
人との会話がおぼつかない
壊れてしまった
ジュークボックスのように
直射日光に溶けていく日傘や
くもの巣にかかった小さなプロペラ機
そんな類の話を ....
五歳が
小さな手で拍手すると
泡がわれる音で
リズムがはじけて
色とりどりの
風船のいぬが連なって走り出す
お子さまランチのイギリスの旗は
ご飯の上で頂上を知らせ
倒れる直前にその ....
チクタクと 刻む鼓動に 震えるのは
一体 何?
深く 物事を 考えるのが 大好きだった
あの頃
酔っ払いの 戯言だって
耳と目を 一緒に閉じても
心まで 締め出すことは なかっ ....
もうこの星にもあきたな
みたいなニュアンスのことをいったら
母が泣いた
家族っておもしろいね
うすっぺらい
あかるいオレンジの空から
褐色の脳がえんえんおちてくる
どこ ....
役場に呼ばれて俺は行った
お前が確定申告をしなかったがために
県民税・市民税の徴収に差し支えが出ている
ついては指定の日時に必ず出頭するように
そんな葉書が送られてきて困るのは
俺には確定申 ....
顔が 歪んでゆく
彼女の表情を見て
自分の辛かったときを 思い出した
この傷は もう僕に
何も 語りかけては くれない
夢の中の 大切だった 貴方
今日は 貴方の情報を GE ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511