頭の中
遠い野原
夏の粒子がさらさらと
光の加減でモザイクを並べる
都合の良い再生
無意識の補修が優しく波打つ
振り向いた少女のワンピースは
夏じ ....
しっとりと伏せられ、そのまま
こと切れたあとの、薄青い、薄暗い
目蓋のような擦り硝子を前に
決して、そこから
目蓋なんぞ連想しないと思い直す、おんなの
見下ろす、白百合の ....
「薬を飲み忘れたわ!帰らないと」
マンボウを見に
水族館へ行こうと
誘ったのは彼女の方だったのに
家を出てすぐ言った
「どこが悪いの?」
「知らないわ、生まれてからずっと飲んで ....
少女の頃の恋は夏とともに
終わってしまうものなの
その恋は
秋は嫌いなんだよって言った
彼の夏休みの一部であって
砂浜の足跡みたいなもん
それでも馬鹿みたいに
求めあった身体には
きっ ....
生きていこうと思った。とりあえず生きていこうと思った。
わたしの大事なおりこうさんは、まだ、パンクして寝ているし
わたしの大事な kiss も 届かない。
I love you と ....
やっぱりここは、後方3回転半ひねりだよな‥。
‥ふふっ。村主も美姫ティーも、敵じゃねーぜ。ってカンジ?
職安から帰る道のり
駅からの道を歩く
ぬるい風が襟元をかすめる
まだ6月なのに27度
北国仕様の体には
蒸し暑く感じる
むっとするアスファルトの匂い
駅へ向かう自転車の群れ
甘い花の香 ....
とてもかたい列車で
おもちゃみたいな街から出て行く
レールをわざと踏み外して
けたたましく列車はのぼる
神秘だねって笑う暇もなく
割れた空へと進んでいく
にわか雨が過ぎていくの ....
いつもの席でいつものように
始めましょうかと手を鳴らす先生の
その指先を見てる
思考は明日のその先を見てる
今日の考え事なんてとっくに終わった
私は明日もその先も生きてる
君だって生きてる ....
観測史上最大級の台風が上陸した日の夕方
未確認の大型生物の屍骸が
四国のとある漁村の浜辺に流れ着いた
地元漁協の連絡を受けて
ある大学の海洋生物学の調査チームが到着したのは
発見から14 ....
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた
同じころ
父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた
隣の部屋の夫 ....
詩を 描きました。
小さな詩を 書きました。
相変らずそらは 真っ暗だと言うのに
いきがって 小さな 詩を描きました。
トラさんや タツノオトシゴさんは、
もう ずっと ....
あなたのいない 空 白 を、日々うめる努力をしています。
もう、慣れました。 空が 白く 雪で染まってから随分たったので。
昨日は眠 ....
大きな空になって あの雲を掛けよう。
大きなとりになって あの空を翔けよう。
詰らない事は すてて 独りぼっち で
生きて見よう。
きっと あの空のイミガ わかるから。
まざりあっていく
せかいのなかで
しかいは
しだいにせんめいに
なり
ぼくらは
ひとりひとりになって
あるいてゆく
ことばを
ひからせながら
やまのあいだを
ぬけていくくるま ....
奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという
いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
....
透明な夜空は
脳がものをみることを
なまけてしまった人が見ると
満点の星空なんて映し出す
本当は何もない
ただ地球は孤独なんだということを嘲笑う
真っ黒がそこにあるだけだ
そ ....
荒野では道がわかりません
ヒースの丘にのぼっても
海はみえません けれど
匂いたつ まぼろしをたどって
かならず行きます きみの家に
アナタは毒
ワタシの中で
ワタシを乱す
独りになると
とまらない震え
いつものように顔を洗って
出直してこいよなんて言われなくても
そんなことくらいわからないわけないんだよ
わかっててやってるんだから
君に会えなくなっても
君の夢くらい見たっていいじゃない ....
秋風は
空の彼方で
昼寝中
雷鳴にさめる
午睡の汗
天王寺動物園に
桜が咲いて
カラオケの音量が
最大になった日
僕たちはアポロの前で
待ち合わせた
どこに行く当てもなくの約束
ただ一緒にいたかったから
もっとたくさん、桜がみた ....
細胞の輪郭は
発熱に適した形なの ね
あなたの音源との距離感は
可笑しくて悲しいけれど
あなたの感覚器の滑稽な分離も
可笑しくて悲しいけれど
さらに 伝導にも適した形なの
....
扉が 開いたらば
扉が 閉じた
そうして
扉が 閉じたらば
扉は 開かない
誰かのシャツの白の残像は
どうして これほどに
光に還元されがちなのだろう
な ....
夏物の花柄が薫ったのは
パタパタと羽ばたくような助走の後
遊具を飛び越える、わたしの脚の発熱を
自由のきく緩さで包んで縛って守っていたから。
少女が、少女であれば少女あるほ ....
花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う
疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール
ねえ
毒って、甘いんだってね
*
追いかけられるの ....
ほんとうに欲しいと思ったんだ
あの夜
だから
ここにいるだけで
しあわせ
夏が終っても
君が胸を泳ぐから
クロール
息つぎをせずに
どこ ....
NIRVANAは
それほどニルヴァーナでもなく
仮想現実は
それほど現実でもない
ぼくが抱いてあげたいのは
もしくはあなたの曲線
アフリカとユーラシア大陸をつなぐ
もしくは
北アメリカ ....
昔の知り合いから電話があって
ちょっと帰ってこないかって
ナンデって聞いたら
亀ちゃんが死んだよって
久しぶりに海に下りた
なんにでもなれるような気がして
なんにもなれないジレンマ感じ ....
花ことば常に前進ガーベラよ
夏の花だとおまえの笑う
すれ違う風の香りの優しさは
コンマ二秒心留まり
夕闇に街のネオン瞬いて
....
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