私は亀ちゃんを生んだ
亀ちゃんとは本人の前では決して使わないあだ名
亀ちゃんは本当にゆっくり成長していく
初めて歯が生えたのは一歳三カ月
初めて歩いたのは一歳八カ月
二歳になって ....
あたし ハイヒールの
似合う女になりたかった
白い開襟シャツのブラウスと
黒いタイトスカート
BLUE NOTE クール・ストラッティングの
レコードジャケットみたいな
美しい脚の女に憧れ ....
水路沿いにある病院を
服薬をもらって出た
六番目だった
先生は機械のように診察した
わたしは それにふさわしく
死人のように応えた
道路では
駅からくる通行人がま ....
蝶が 微笑う
ひらり 乾いた土に 舞い降りて
一人 泣いた
ふわり 細い川で 雨宿り
ボンゴレの お家が 心地良い
私は いずれ
咀嚼される 運命
その前に 赤い唇
....
「犯人はこの中にいません」
と小さな声がした。
ウイスキーの匂いがぷんぷん
空瓶がごろごろと転がっている
溜池。
に、うつる
しぶい顔。
と、にがい顔。
「 ....
つぼみのままで
いたいなら、
それも花だと
そよぎましょう
まだとけきらない
雪の小村も
あなたが
春だと云うならば
うなずきましょう
わたしは細く
....
張り詰めたもの
鋭く一文字に空間を切り開く
切ないもの
鬱々とした恋の綱渡り
儚いものばっかりを見てはいけないのだけれど
儚さばかりが心のよすがだった
国家が機能しない病気の国 ....
バイクの後ろに乗せられて バイバイと
母の実家に行った 四歳の頃
家族と離れて 初めて一人
そんな自覚もないままに
しーんとして広く感じる居間や台所
少し高い所にある黒電話をみつめた
しば ....
昔、秋田の実家を出て、仙台で暮らしはじめた時に、父が大切にしていたラジカセを、私にくれた。
私は、父のラジカセを、しばらく使っていたけれど、CDプレイヤーもついてなかったので、時代の流れ ....
妻も娘もついて来ない
今日はラグビー観戦なのだ
(念のため誘ってはみたけれど
妻は乗り気ではなく
娘も妻と過ごすというのだ)
今日は生憎の天気だけれども
霧の香の青い芝 ....
あなたが珍しく
自ら自分のアルバムを持ち出してきたから
少し不思議だった
「なんとなく」
なんて言うけど
これまで一度も
開いて見せたことなどなかったのに
あなたのアルバムには
当 ....
玩具箱御札を貼って封印し海に沈めたナイショの話
あたしの爪が赤いのは
マニキュアを塗ったからではなく
あなたの身体を突き刺した血で赤いのだ
あたしはいつも
爪に尖った金属をつけている
あなたとこの身を交わすときは
あ ....
東日本大震災・死者・行方不明者数
二〇十二年三月十日
死者 15854名
宮城県 9512名 岩手県 4671名 福島県 1605名
茨城県 24名 千葉 ....
野イチゴ摘みに連れてって
もう夕方だけれど、そんな小さなことは忘れましょう
暗くなってもいいじゃない
月明りで摘みましょう
おいしくなくてもいいじゃない
野イチゴだってことが ....
冬枯れ落ち葉をしゃくしゃくと踏み公園路 かきごおりに舌を染め
ふりかえ見れば緑の木入道雲はまぼろし 前むけばはだか木
もいちどと見かえればいつもの散策路 おどる枯れ葉のしきたえの
....
詩を書いたことがある
少ないのかも知れない まわりに そんな人は
寒い冬の明け方
仕事で 遠くに 出かけていく人を見た
僕には たぶん できそうもない
そうも言ってはいられない経済状況な ....
空から枯葉が落ちてくる
頭上の木から切り離されるのではなく
空の見えない高さから
無音とともに落ちてくる
空の見えない高さの
さらに高いところの
その向こうがわ
宇宙の深淵のような場所か ....
歩道橋から
ひとりでに降りてきた
自転車の荷台には
期限切れの缶詰の山。
パイプ老人は痰を吐き出し
話題に上がるのは
幾ら値切ったとか、
踏み倒した事故処理と
レジの前で立ち往 ....
オラオラオラァ!
モダンで薄っぺらな靴なんて目じゃねぇ
ちびて薄汚れちゃぁいるが、これが歩み続けたおいらの勲章でぇ
わずかにからだがゆれている
冷気さえ眠る夜に
自分がふれた蛍光灯のスイッチの紐が
ゆれているのを見て
からだがむしょうにふるえてくる
ずいぶんと経たが
もうな ....
深紅の薔薇を投げた夜
いくつもの吐息をかさねていた
僕達の想いには名前がなかった
そんなもてあました悲しみが
僕達は好きだった
いくつもの季節を共有し
違和を閉じ込めた小箱を持って ....
あるだけの色を使った絵も
覚えたてを書き並べた字も
すべてきみの詩(うた)になる
一枚一枚
大切に束ねて
詩集はきっと
ベストセラー
表紙はきみの似顔絵
母さんが描いてあげる
....
走り出してから 周りを見つめたら
同じ速度のタイヤが 話しかけてくれるかも 知れない
止まっていた頃には 見えなかった 回転軸が
妙に 面白くて
互いに 笑いながら 進めるのかも知れない
....
陽は沈み
わたしも 想いに沈んでゆく
白かった あの少女のワンピースに
色を重ねるみたいに
おとなの
ぬりえ
おひとつ
いかが
決して 一概に、一途だったとは云 ....
∞夢
(誰も助けてはくれない真実がある
古代文字 )― 首のない
遺骸 / 200円
コンビニ
/助かった少女
? (絆
僕が救われたのは誰かを助けるために
/導かれた ....
魚編の漢字が好きだ
目から鱗という言葉が好きだ
逆鱗に触れるという言葉が好きだ
そして わたしの言葉を読んでくれるだろう そんな あなたが好きだ
回遊する魚のように
....
ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで、束ねられた数枚の紙でしかないそれを僕に差し出すと、君は下を向いてコップについた水滴を指で撫ぜた。
何気なく開いたページには、立てこも ....
何も知らない日々が
ぼんやり流れているようだった
知らない恋人と僕は歩き続けていた
街の 住み慣れた世界の郊外にある 沼のほとり
その汚れた沼には誰も来ないようだった
だけど 僕らも ....
「路上で突然ですが、
果物買ってくれませんか?」
「さっきまで
そこで売っていたのですが、
少し残っちゃって」
立川駅の歩道橋の下で
前を歩いていた人に袖にされた、 ....
あおばさんのおすすめリスト
(15331)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
私が生んだ亀ちゃん
-
夏美かを ...
自由詩
23+*
12-11-27
【_ハイヒール_】
-
泡沫恋歌
自由詩
11*
12-11-26
一月の空—デッサン_
-
前田ふむ ...
自由詩
5
12-11-26
況や_光をも
-
藤鈴呼
自由詩
5*
12-11-26
事件とウイスキー
-
Seia
自由詩
2
12-11-26
ふ・た・り
-
千波 一 ...
自由詩
5*
12-11-25
タイトロープ
-
梅昆布茶
自由詩
16
12-11-25
幸せは眠っている
-
砂木
自由詩
15*
12-11-25
父のラジカセ
-
小川 葉
散文(批評 ...
6
12-11-25
ラグビー観戦による世界の捕え直しのためのエスキース(習作)
-
N.K.
自由詩
2*
12-11-25
アルバム
-
小原あき
自由詩
14*
12-11-25
玩
-
北大路京 ...
短歌
1
12-11-25
『鎖』
-
あおい満 ...
自由詩
6*
12-11-25
透明な統計表—デッサン
-
前田ふむ ...
自由詩
3
12-11-25
野イチゴ摘みに連れてって
-
ゆべし
自由詩
4
12-11-25
短歌八首_夢路より
-
mizu K
短歌
2
12-11-25
心は六本木に
-
番田
自由詩
1
12-11-25
枯葉
-
岡部淳太 ...
自由詩
11
12-11-24
[:other
-
プテラノ ...
自由詩
1
12-11-24
オラオラオラァ!
-
殿上 童
自由詩
24*
12-11-24
新生_デッサン
-
前田ふむ ...
自由詩
9
12-11-23
デスペラード
-
梅昆布茶
自由詩
31
12-11-23
ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで
-
小原あき
自由詩
9*
12-11-23
タイヤと一緒なら
-
藤鈴呼
自由詩
5*
12-11-23
おとなのぬりえとシュレッダーとの相性
-
もっぷ
自由詩
7
12-11-23
偶然に
-
アラガイ ...
自由詩
5*
12-11-23
ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで
-
るるりら
自由詩
23*
12-11-23
ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで
-
木屋 亞 ...
自由詩
10*
12-11-23
裏原の中で買った財布
-
番田
自由詩
1+
12-11-23
路上の野菜売り
-
鵜飼千代 ...
携帯写真+ ...
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