重たい言葉を呟きながら
折った鶴はくずれた格好でした
尾なのか頭なのかわからない
二本のツノは怒っていました

指がふるえて
上手に折れないのですから仕方ありません
せめて淋しくないよう ....
みんなでつくりあげることが
たいせつなんだよ
それは間違いない
のだろうけど
花壇の外れの
ハルジオン
の小さな花の前で
シジミ達が順番待ちしている
その風景もまた真実なんだろう
 ....
初夏の雨にけむり
辻褄の合わぬ体温が
濡れたシャツから匂い立つ
傘を持たない二人が
軒下で身を寄せ合い
普段なら持ち合わせない
自意識を
濃くしてしまう
今日みたいな雨を
六月の盲目 ....
もう ラヴソングも描けないのさ
日の入りが終わった天空の
マゼンタがきれいでね
良い絵が描けた後の
水入れみたいでね
そんなことを伝える人も居ないのさ

眼球の奥でつくられる
とろんと ....
朝早くから草刈に呼ばれた
今日は僕の卒業式なのに

学校前の畦道は背丈ほどある植物が生い茂り
車で左折することさえままならない状態だった

僕は見るからにやる気のなさそうな
い ....
そう 光の紋、水の模様が
見たかった

ゆらぐ 光の縞に 体を潜めて
水の色 雲の陰

私のゆがみ
私のまるみ
私のいびつさ

けれど、実は 私も水
息を呑んで光を泳ぐと
実は ....
長いこと 時間はたった


ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う

それすらも

全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった



おぼつかない足取り ....
きゃはきゃは と小さな笑い声がした
留守番をしている日曜日
レースのカーテン越しにガムシロップのような
とろりとした陽光が射していた

読んでいた本を伏せて
誰もいないひんやりとした畳を這 ....
火のみ
火のまま
始原と同じ勢いで
燃え続けている

口は知ることにより変わってしまったから
音の響きに意味を持たせてしまう
愛しさも
熱情も
それらしくまとわせてしまう

無邪 ....
あれは確か午前四時ぐらいだっただろうか
明け方急に目が覚めたせいか
喉が渇いていたので冷蔵庫へ直行した
しかし半分寝呆けていたので
ペットボトルと焼肉のタレを間違えて
思いきり飲み ....
わたしのははは
おうたをうたいます
ねるまえにかならず
 いいこ いいこよ ねんねしな

わたしはめをとじて
すぅすぅこきゅうします
はやくおうたをとめて
 かわいこ かわいこ ねんね ....
蝉の抜け殻を
村で一番集めていた村長が死んだ
彼の亡骸は
蝉の抜け殻に埋められるようにして
荼毘に付された

それがみんな燃え終わる前に
新しい村長がやって来た
新しい村長は口ひげを生 ....
見慣れた景色
窓の外

あの家の屋根から
少しだけ頭を出していた木も
過ぎ行く歳月を知らせるかのように
大きくなった


風のある日は
大きくうねり

晴れた日は
緑を激しく ....
 


1ミリ2ミリを計るではないが
確かに
傾いていく肩だ

 さっき歩いた道はもう充分だし
 もう通んなくてイインだヨイインだヨ
 
リズミカルに弾いてみせて
わたしを追い抜 ....
伊栖郡の話なら法月君に聞いた。◆ナニ伊栖郡は太平洋沿岸に位置する極当たり前の田舎であつて、とりたてて特徴が有る訳でない。只伊栖之湖という稍々大きめの塩水湖が一つあり、湖の周りには柞が沢山茂つてゐる。柞 .... 半世紀いきながらえた海猫の、オペラ調の鳴き声。
さっきまでベンチで泣き崩れていた詐欺師の男は、
両手じゃ抱え切れないほどの花束を手に、
明かりの灯る雑踏へと消えた。そして、
通り一本隔てた向こ ....
ゆら、と、
闇の中で黒が動く気配、
みどりの光点がふたつ、
ケヤキの根元にうずくまる。

杖はニワトコの枝、
髪に飾るのはキツネノテブクロ、
はだかの胸に塗りたくる胎児の脂肪、
そんな ....
ヒロタくん

お元気でいらっしゃいますか
元気もクソもないと怒られそうではあるけどさ
俺には免許がないからさ
時候の挨拶が使えなくってさ
こっちは夏なんだけど

とにかくひどくってさ
 ....
{画像=071201103546.jpg}
水底に力つき
沈んでいるそれは
たった一人で
この大きな川を遡って来た

独り流れに逆らい
早瀬をむりやり腹で押し渡り
波のうねりを越えて
 ....
ねぇ、命ってどこにあると思う?

ねぇ、心ってどこにあると思う?


ほとんどの人は胸の辺りを指す

中には頭を指す人もいる


ランナーが指すのは足

料理人が指す ....
あのとき、偶然
だれにも声をかけられていなかったなら

ぼくは今ごろ
ここにはいなかったのだ


偶然、生きているぼくは

今日も、また改札口をぬけ

ケータイを開き

牛丼 ....
窓を拭いていました
ドーナツを食べるあなたが映っていたので
わたしは飛び込みました
泳ぎました
しばらくそのままでしたが
砂浜があったので座りましたが
どうやら無人島でした
何故無人 ....
 


基幹農道の左右は区切られた水面
あの小高いのは 川のへり
足の悪い男が傾斜へとうつむいている

   なずなは もう しまい
   つめくさは もう せんから さかり

水 ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど

きっと

自分にとっての幸せってなんだろう

って考えて
探求できる子にはなると思う。


って今日着た手紙には書いてあ ....
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらし ....
雨もあがって
釣りに出る
高知新港外防波堤
潮の香りを再認識し
オバチャン達の間に入る


誰の浮きも沈まない
昨日は良かった
お決まりの挨拶
ウンチク好きのオンチャンの
自慢話 ....
少し湿ったね と
旧道沿いの
あしもとのほうから
梅雨のにおい と
祖父のにおいがした


ふりかえると
あたり一面にシャガの花

思い出すひとがいるから
咲くのだろう
 ....
逃げるとき

いつもほんの少し、振り返って

目を細めて苦しそうな顔をする

それでも振り切って逃げるんだけどさ

どっかに足のつま先をぶつけたみたいに

無様なの

間抜けな ....
近くて遠い
海底の故郷に別れを告げ
電車に乗って
少しずつ遠ざかる
私の体は群れをなし
回遊魚となって
思いめぐる寒流の
水面に浮かんだ
そこは近くも遠くもない
今の私の終着駅 ....
雨に打たれて
溶けて私は水になり

土にしみ込み
消えてしまえたら

雨上がりの強い日差しに
裁かれて
細かな気体になり
空へと舞い上がれたなら


どんなに楽であり

そ ....
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