音は雪に食べられてしまい
部屋は
かえって生きものの息づかいでみちている

台所の戸棚のなかで
じゃがいもの芽が伸びてゆく
張りつめた胸の皮膚のしたを
薄くなった血がめぐっている

 ....
花が草が虫が獣が 生国を知っている 
潤いがたちこめて 生き物たちを通わせるのです。

人間のしでかす すべてのことは隙間だらけ
人の皮膚の隙間という隙間を ふるふると震わせる霧

穴ぼこ ....
2月3日 午後8時
そうだ、今日は節分ではないか!
豆まきをやらねば、と突然思いつき
子供達を呼ぶ

「ねえ、豆撒きやるよ〜。おいで〜。」
「豆撒きってなあに?」
「節分の豆撒きだよ。」 ....
ほんの数十年前
空がピンク色に染まった夜の日々
凜として生きていた正義の味方

正義の味方は美しく
正義の味方は気高く
正義の味方は清々しく

誰から後ろ指をさされることもなく
 ....
磨りガラスの向こうの公園で
外国人に話しかけられた
どうやら、フランス語らしいが
何を言っているのか分からない

家に帰ると母親が叫んでいた
ひとつひとつは意味のある言葉
けれど、つなげ ....
 私はかつて、「詩人はかくあるべき」という詩人像を強く抱いていた。詩人とは何よりもその否定性において優れていなければならなかった。それは現実を否定して彼方へと飛翔する者でもあり、伝統を否定して .... あの頃 何でも出来るような 気がした
怖いものなんて 何もないような 気がした

脅える存在を 排除するかのように
飛び跳ねていれば 笑って いられた

誰かの悪口も 聞こえな ....
黒いアイリスは
男の喪に服した女だ

ジョージア・オキーフが描いた
花の絵は
どれも女の顔に見える
花が儚く美しいという概念は
もしかしたら幻想なのではないか
もうこれ以上
対象に接 ....
新しい言葉を綴ることは
新しい土地を開墾するように
そこへ種を蒔くように描いてゆくこと

自由を描くことは難しい
だれも自由の光をみたことがないから
それでも描こうとする

愛を定義す ....
コレクションガラスビーズと君の息


雪の朝椿ぱさりと飛翔する


ふゆのよる星を逃がさずこおるみち


炭燃える唇染めたり溶かしたり


君が来る手紙が谷に落ちてゆく

 ....
聞き耳を立てていた

厳しい言葉の迫る気配に
責める言葉の
迫る気配に

聞き耳を立てて
いた



口裏を合わせていた

障りのない言葉をえらび取り
結論付けない ....
僕が読む僕の詩
君が読む君の詩
僕が読む君の詩
君が読む僕の詩

同じ詩はひとつもない
同じ気分もひとつもない
過去は戻らない
明日は今日やって来ない

狭い世界
井の中 ....
返答の無いアドレスと番号を、消去する。

その行為はまるで

ボタンを押すというよりも

深い穴の井戸に

ふたをするのと同じ・・・。

反応が無いということで

何に対し/誰 ....
なくした財布の、行方を思う。。。

キャッシュカードは無事か?

免許証は?保険証は?

自分を表す記号の行方を

ただただ思う・・・・。

小銭入れの十円玉と

百円玉・五円 ....
きさらづあたりの
すずもりたけやぶ
南無阿弥陀仏の
證成寺(しようじやうじ)

しよつしよつしよつじやうじ
しようじやうじの庭(には)は
たぬきあつまり はらつづみ
つきよに 和尚(を ....
背骨を震わせる雨は上がり、軒下の猫は子を舐める。

都市に流れる網の目の血管は下に、下に。皮膚を潜っ
て深く。地球は幾度、吐こうとする。

閉ざされた、大勢の人が並んで歩くノイズの重なりは
 ....
ふしぎな生きものが対岸におりましたので
わたしは急いで脱ぎました

なるべく丁寧に急いで
わたしはあらわになりました


しかしながら
湯茶の用意が整っておらず
先方はやや訝しげ ....
そいつは道の真ん中に転がっていた
雨の日だった
合羽を着て自転車を漕いでいたので
私の視界は悪い
遠くから黒い物体が見えた時
壊れた黒い雨傘だと思った
もっと近づくと
黒い長靴に見えた
 ....
見得ないモノなんて 信じなくったって イイ
そう 教えられて来た

例えば 甘い 言葉ならば
幾重にも 話術をかけて

そう

ケーキの上に 乗っかった
あまーい あまー ....
ライダースーツを着てバイクの免許がない 絶対零度より冷たい瞳で見られた わたしの母は
一流の歌謡曲なのであります

酸いも甘いも知り尽くし
いまや図太く
強固です


わたしの父も
一流の歌謡曲なのであります

優しく厳しく漕ぎわたり
よう ....
{引用=
『雲雀料理11号』 http://hibariryouri.web.fc2.com/#11 の感想をすきかって書いてみました。
web媒体でも読めますが、紙だとイメージがまたがらりと変わ ....
遠く流れた 月の海に
翡翠を ゆっくり 浮かべたら

親不知 弧知らず
抜いた歯が 葉の上 露と きらりんこ

もう 忘れたわ 過去のことなど
琴など弾いて はずみます

 ....
薄暗いその部屋で わたしの足にそれは抵抗した

拾い上げると白いおりがみ

おりがみだと思い込んだのは それが真四角だったから

左下に気持ちの悪い折り目がある

不幸なことに 左下  ....
手紙を入れて
春の小川へ流してやるのだ

壜はゆらゆら流れて行って
コルクの栓もしだいに腐り
水が浸み
河口近くに沈むだろう
それとも海へ流れ着き
波に揉まれ
誰も聞かない音をたて
 ....
十年前は
だれを好いていただろう

十年前は
どこに暮らしていただろう

一年、二年で気が変わり
三年、四年で空気が変わり

五年、六年、見た目が変わり
七年、八年、言葉が ....
『コカ・コーラ。』
音楽を聴きながら。動きたくない。動かずに向こうから来てくれる、手紙や郵便物や、AmazonからのCDやペーパーバックは、疲れた心をベッドから引きはがしてくれる。加速度を届けてくれ ....
 
北の海

冬のモノトーン

旅に出ます、なんちゃってさ




*平成22年3月 詩集「十二色入り」より
空の 青さだとか
雲の 白さだとかを 知らないと

闇が 黒いってのは
分からない

私の中の ブラックホールへと
誘われた 言葉たち

どの絵具を掛け合わせれば
 ....
あおばさんのおすすめリスト(15331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
じゃがいも- はるな自由詩12+14-2-15
【霧】生国______- るるりら自由詩20*14-2-12
節分_in_アメリカ- 夏美かを ...自由詩26*14-2-4
蛙の快楽- ……とあ ...自由詩14+*14-2-4
バベル- 自由詩25+14-2-4
詩人像の転換- 葉leaf散文(批評 ...314-2-4
あの頃- 藤鈴呼自由詩2*14-2-2
閉経- そらの珊 ...自由詩23+*14-1-30
新しいノート- 梅昆布茶自由詩27+14-1-30
かわいいおまんじゅう- ふるる川柳6*14-1-29
放射冷却- 千波 一 ...自由詩614-1-29
最小必要限度無限大- ichirou自由詩3*14-1-29
無音- 梓ゆい自由詩114-1-29
胃潰瘍- 梓ゆい自由詩214-1-29
たぬきばやしがきこえる- ……とあ ...自由詩6*14-1-29
「彼岸の鐘」- 宇野康平自由詩3+14-1-29
対岸- 千波 一 ...自由詩614-1-29
【_どこへ_いった?_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-1-29
チョコレートケーキで乾杯- 藤鈴呼自由詩2*14-1-29
ライダースーツを着てバイクの免許がない- 北大路京 ...自由詩314-1-29
絶対零度より冷たい瞳で見られた- 北大路京 ...自由詩714-1-29
歌謡曲になりたい- 千波 一 ...自由詩214-1-28
【レビュー】雲雀料理11号の感想_1/4- mizu K散文(批評 ...4*14-1-28
キバナコスモス- 藤鈴呼自由詩5*14-1-28
おりがみ_くらやみ- 芦沢 恵自由詩28*14-1-28
- Lucy自由詩17*14-1-27
十年愛- 千波 一 ...自由詩414-1-27
炎症/etc,_etc...- 由比良 ...散文(批評 ...2*14-1-27
演歌になった日の色- 殿上 童自由詩14*14-1-27
闇の黒さ- 藤鈴呼自由詩4+*14-1-26

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